拡大するAWSのパートナーエコシステム、「拡大を望んでいる」とサーバーワークス大石氏「パートナー同士が補完し合える」

アマゾンウェブサービスジャパンは2016年1月22日、同社の2016年におけるパートナー戦略を説明した。この場に、AWSのパートナー4社が参加。サーバーワークスの大石良氏は、パートナーが補完し合い、新たなビジネスが生まれると話した。

» 2016年01月22日 18時31分 公開
[三木 泉@IT]

 アマゾンウェブサービスジャパンは2016年1月22日、同社の2016年におけるパートナー戦略を説明した。このなかで、同社パートナーアライアンス本部本部長の今野芳弘氏は、「Amazon Web Services Partner Network(APN)」と呼ばれる同社パートナープログラム(スタンダード以上)の参加企業を、現在の300社程度から約30%増やし、プロフェッショナル認定資格取得者については倍増したいと話した。

 インテグレーターのパートナーが増えることは、既存のインテグレーターパートナーにとってはうれしくないことのようにも感じられる。だが、この説明の場に同席したサーバーワークス 代表取締役の大石良氏は、逆に「APNの拡大を望んでいる」と話した。「競合が増えるよりも速く、マーケットが拡大している」。また、パートナー同士のコネクションを通じて補完し合い、新たなビジネスを生み出せるという。例として、同社のAWS運用自動化ツール「Cloud Automator」が野村総合研究所、NEC、三井情報に採用されたのは、APNがあったからだと話した。

 APNのメリットについて、大石氏はパートナーセールスのプロフェッショナルから、差別化ノウハウや業界の動向、成功例・失敗例などのアドバイスを得られること、「PoCファンド」というファンドを使い、特定サービスを無償で使えるキャンペーンを実施するなどができることによって案件獲得が加速する、といった点を挙げている。

 TISもインテグレーターであり、サーバーワークスとともに国内で5社しかいないプレミア認定を受けている。プレミア認定を受けたことで、顧客から「TISを選ぶ理由ができた」と言われたと、TISプラットフォームサービス企画部副部長の内藤稔氏はいう。同社はAPNに参加したことで、自社アプリケーションをユーザーに無償使用提供できる「TestDrive」を通じ、リード獲得に成功しているという。また、他のAPNパートナーとFISC対応リファレンスの作成に関わり、金融業界における認知度が向上したと話している。

 アプリケーションベンダーのパートナーからは、AWSを基盤として帳票クラウドを運用しているウイングアーク1stの取締役CTO開発本部本部長である田中潤氏は、APNのPoC支援を活用してAmazon Auroraを検証し、東京リージョンでAuroraが提供開始されるのと同時に、同社サービスに組み込めたと、話している。

 また、ERPアプリケーションの「COMPANY」「HUE」を提供するワークスアプリケーションズは、世界的なサービス展開を進めているが、APNに参加したことで海外における共同プロモーションイベントなどにも参加できるようになったという。同社BPO Div. シニアゼネラルマネージャーの荒川康彦氏は、Amazon RDS for Oracleにおける日本のタイムゾーン対応や、毎月の請求処理の前倒しといったサービス改善の要望が迅速に反映される点を評価していると話した。

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