ヴァイオリンがフラッシュストレージ新製品、「主戦場」に参入価格的にも他社と対抗

 ヴァイオリン・メモリーは2016年2月4日、オールフラッシュストレージ製品シリーズで、2機種の国内提供開始を発表した。オールフラッシュストレージの主戦場となっているエントリーレベルに同社として初めて製品を投入。価格を他社の競合製品と同等に抑え、性能に関する優位性を訴えていきたいという。

» 2016年02月04日 18時43分 公開
[三木 泉@IT]

 ヴァイオリン・メモリーは2016年2月4日、オールフラッシュストレージ製品シリーズ「Violin Flash Storage Platfrom(FSP)」で、2機種の国内提供開始を発表した。オールフラッシュストレージの主戦場となっているエントリーレベルに同社として初めて製品を投入。価格を他社の競合製品と同等に抑え、性能に関する優位性を訴えていきたいという。

 FSPシリーズは、独自開発のフラッシュメモリ搭載モジュールを用いた専用ハードウェアによるオールフラッシュストレージ製品。低レイテンシを特徴とし、性能要件および可用性要件の厳しいアプリケーションのためのストレージとして提供されてきた。

 今回、ヴァイオリンが発表したのは「FSP 7600」と「FSP 7250」。既存機種の「FSP 7300」を挟んで、上と下をカバーすることになる。サイズは全て3U。

 FSP 7600の最大スループットは100万IOPS。レイテンシは500マイクロ秒以下という。物理容量は最大構成で140.7TB、最大利用可能容量は88.7TB。既存の7300と比べ、最大IOPS値は不変だが、レイテンシおよび容量の点でスペックが向上している。

 一方、エントリ製品のFSP 7250の最大スループットは25万IOPS。レイテンシは1ミリ秒以下となっている。物理容量は最大26.6TBで、最大利用可能容量は13.8TB。

ヴァイオリンは製品ラインアップを上と下に拡大している

 なお、ヴァイオリンはFSP 7700という製品も提供している。これは仮想ストレージコントローラーで、FSPシリーズを配下につなぎ、これらのSANヘッドとしての機能を果たせる。他社の仮想ストレージコントローラーとの違いは、フラッシュストレージに最適化されている点で、1ミリ秒以下のレイテンシ、220万IOPSを提供できるという。

 ヴァイオリン製品の市場拡大という観点からは、エントリ分野への製品投入が新しい。同社はこれまで、高価なハイエンドのオールフラッシュストレージ製品ベンダーとして認識されてきた。このため、用途は重要なアプリケーションのデータベース高速化が中心だった。今回、FSP 7250を投入したことで、特に日本市場ではオールフラッシュストレージ製品ベンダー各社がこぞって製品を投入しているいわば「主戦場」に、参加することになる。

 ヴァイオリンでは、この分野で他社に対抗できる価格を設定し、性能や可用性を中心とした同社製品の優位性をアピールしていきたいとしている。

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