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» 2016年03月09日 05時00分 公開

特集:アジャイル時代のSIビジネス(2):エンジニアのモチベーションは、SIビジネスの源泉――クリエーションライン (3/3)

[斎藤公二/構成:編集部/@IT]
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新たな技術に取り組むことが、エンジニアのモチベーションを高める

 一方で、安田氏は「第3のプラットフォームへの移行は、従来型SIerの課題にもつながっています」と指摘する。その1つが人材に関するものだ。より具体的には、「第3のプラットフォームに関するスキル・ノウハウを意欲的に学習したエンジニアが、第2のプラットフォームに関する案件しか担当させてもらえない不幸」だという。

ALT 「エンジニアのモチベーションを上げることがビジネスの源泉であり、モチベーションが上がる環境を整えることは経営者の役割」

 「例えば、大学時代に分散処理技術を修めたエンジニアに対して、レガシーなプログラムのメンテナンスだけを行う部署にアサインする、といったことばかりしていたらモチベーションを失ってしまうのではないでしょうか。本人の志向と現実のギャップをどう埋めていくかが重要です」

 クリエーションラインが新しい技術に積極的に取り組むのも、マーケットのニーズに応えるためであるとともに、エンジニアのモチベーション向上を重視しているためだ。

 「新しい技術に取り組んでいるとエンジニアのモチベーションは上がり、興味を持ち、貪欲に物事に取り組んでいけるようになります。社外のエンジニアからも『クリエーションラインが面白いことをやっているね』と興味を持ってもらえれば、それはそのままリクルーティングにつながります。当社ではプッシュでの営業はまったく行っていません。新しい技術に取り組み、スキルを持ったエンジニアがいてくれることで、プルで案件が来てくれるのです。レガシーな案件を確実に回しながら、新しい技術にも積極的に取り組むことで、さまざまなメリットが生まれています」

 また、「第3のプラットフォームへのパラダイムシフトが進み、日進月歩で技術トレンドが変化している現在は、エンジニアにとって大きなチャンス」とも指摘する。

ALT 2015年11月時点でのパートナー。「新しい技術の第一人者に」という思いが実践されている

 「求められるスキルが変わっていく中で、ついていけないエンジニアにとって状況はどんどん厳しくなっていくでしょう。しかし何かを貪欲に突き詰めるエンジニアにとっては無限の可能性があります。誰もやったことのないものはいくらでもある。真摯に仕事に取り組むことで、“ある分野での第一人者”になることも可能なのです。実際、弊社にはDockerの日本唯一の認定トレーナーがいます。“世界に数人しかいないエンジニア”になれるチャンスが目の前にあるのです」

 そしてSIerもまた、そうした環境を整備するために変わっていく必要がある。安田氏は「エンジニアがチャレンジし、成長できるフィールドを用意してあげるのは経営側の仕事」と強調する。そうした環境を整えることで、自ずと優秀なエンジニアが集まり、自社の組織、サービスが充実し、ひいては顧客企業の開拓につながっていく――。

 「新たなビジネスモデルが必要」とはいうものの、その実、真に求められているものとは、「テクノロジをコアコンピタンスとするSIerとして、また経営者として、“ごく当たり前のこと”」なのかもしれない。

特集:アジャイル時代のSIビジネス

クラウドの浸透などを背景に、「SIビジネスが崩壊する」と言われて久しい。だが顕在化しない“崩壊”に、かえって有効な手立てを打てず不安だけを募らせているSIerも少なくないようだ。そこで本特集ではSIビジネスの地殻変動を直視し、有効なアクションに変えたSIerにインタビュー。SI本来の在り方と行く末を占う。



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