資格がないと就職できないって本当?――いまさら過ぎて誰にも聞けない、IT業界就活の「超キホン」就活のトリセツ(7)(2/3 ページ)

» 2016年04月28日 05時00分 公開
[中村昭典@IT]

資格がないと就職できないの?

 就活では自分の知識やスキルをきっちりアピールすることが大切だが、エントリーシートや面接で、デキもしないことをデキるようにアピールすると、後で大きなしっぺ返しを食らうことになる

 エンジニアを採用する人事は、その道のエキスパート。口頭でのプレゼンテーションだけでなく、ホワイトボード面接などの知識や経験を丸裸にする選考方法が最近は多用されているので、根拠のない自己アピールは簡単に見破られてしまう。

 だからといって、ひるんでいては始まらない。学んだ知識や実験実習などの経験はしっかりとアピールしたい。要は自分の持っている知識、これまでの経験などを通じて得たITスキルを、説得力を伴って人事担当者や面接官に伝えられればよいのだ。

 ここでものをいうのが、資格だ。

 エンジニアは、医師や看護師、小中高教員のように、資格がないと仕事に就けない免許制度職ではない。しかし、資格は、身に付けた知識を可視化する手段だ。資格があれば、該当領域の専門知識を有している客観的な証明となる。

 事実、ITエンジニアを新卒で採用する企業の採用で、資格が有利に働くケースは多い。あなたが就活生で、IT系の資格を持っているなら、漏らさずきっちりアピールしてほしい。

 ITはとにかく資格の種類が豊富なジャンルだ。Wikipedeiaには、「日本の情報に関する資格一覧」として70以上の資格試験が紹介されている。ITサービスの実務能力を分類整理した「ITSS(ITスキル標準、経産省推奨)」に沿って、各種IT系資格試験をレベル別に体系化したマップを見てみよう。

ALTALT 図2&3 ITSSキャリアフレームワークと認定試験・資格の関係(出典:特定非営利活動法人「スキル標準ユーザー協会」

 「ITエンジニアが選ぶ実務/キャリアアップに役立つ資格ランキング」には、IT業界で働くエンジニアを対象に調査した結果がまとまっているので、大変リアルで説得力がある。是非チェックしておこう。

 IT系資格は種類が多いだけではなく、国家資格や民間資格、初級未経験者から上級実務者まで多種多様で幅が広い。自分が進みたい領域の資格はチェックしておくべきだろう。

 本稿では2つの資格を簡単に紹介する。

ITパスポート試験/基本情報技術者試験

 IT系の入門的資格といえば、この2つだろう。ITパスポート試験は、先のITSSでレベル1に、また基本情報技術者試験はレベル2に位置付けられる、多用なIT領域をカバーする基礎的な資格試験である。

 大学で情報系を学んでいる学生なら、在学中の取得を視野に入れていておかしくないものだ。特にITパスポート試験は、毎月受験できるし、合格率が40〜50%と比較的取り組みやすいものなので今すぐにでもチャレンジしたい。

@IT自分戦略研究所 資格辞典

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TOEIC

 「ソフトウェア開発に携わるエンジニアが、必ず学ばなければいけない言語が何か知ってるかい。C言語でもJavaでもない。それは、英語だよ」

 この話の真意が分かるだろうか。プログラミング言語は英語だから? それは一面的な理解だ。

 独立行政法人情報処理推進機構が発行した「IT人材白書2012」によると、「オフショア開発を標準的な開発プロセスあるいはグローバルデリバリーの一部とするIT企業の割合は45.6%であり、恒常的な手段へと成熟しつつある」とのことだ。つまり、現代のIT開発はグローバルなチームで行われることが多く、日本企業の45.6%がオフショア開発を導入している、ということだ。

 当然、コミュニケーション言語は英語が中心となる。英語が使えるかどうかは、面白い仕事に携われるかどうかの基準の1つだ。ハイパーITエンジニアを目指すなら、英語力を磨き、TOEICを受験してスコアを上げるのが定石といえよう。

1日1問 ITトレメ


 IT系資格は実務と直結している。しっかり資格を取得しておけば、将来転職してキャリアを積んでいくときにもモノをいうだろう。

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