Windows Server 2016 Technical Preview 5の評価方法と注意点vNextに備えよ! 次期Windows Serverのココに注目(48)(3/3 ページ)

» 2016年05月11日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]
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クラウド(Microsoft Azure)でTP5を評価するには

 Windows Server 2016 TP5は、Microsoft AzureのIaaS(Infrastructure as a Service)の仮想マシン環境で評価することもできます。Microsoft Azureポータルの「Marketplace」(クラシックポータルの場合は「ギャラリー」)には、Windows Server 2016 TP5のフルインストール英語版とNano Server英語版のテンプレートが公開されており、数分でこれらの環境をAzure上にデプロイできます(画面9)。なお、これらのテンプレートには、累積的な更新プログラム(KB3157663)がインストール済みです。

画面9 画面9 Microsoft AzureのMarketplaceからWindows Server 2016 TP5をデプロイする

 Windows Serverは言語パックを追加することで、完全な日本語環境に切り替えることができますが、本稿執筆時点(2016年4月末)ではWindows Server 2016 TP5にオンラインで言語パックを追加することはできないようです(画面10)。

画面10 画面10 MarketplaceからデプロイしたWindows Server 2016 TP5は英語版。日本語言語パックをオンラインで追加することは現状できない

 そのため、Microsoft Azureのテンプレートを利用する場合は、英語版で評価することになります。なお、MSDNサブスクリプション契約者やOEMパートナーは、言語パックのISOイメージを入手できるため、そのISOイメージから日本語言語パックを追加して、日本語化することは可能です。

 Microsoft AzureポータルのMarketplaceからNano Serverをデプロイして単体で評価する場合は、「クラシックデプロイモデル」を選択してデプロイすることをお勧めします。そうしないと、Nano Serverへの「PowerShell Remoting」の接続で苦労することになるからです。クラシックデプロイモデルであれば、以下の筆者の個人ブログで説明している方法で証明書を取得し、リモート接続することが可能です。

 同じAzure仮想ネットワーク上に他のインスタンスと同時にNano Serverをデプロイする場合は、Nano ServerではないWindowsにリモートデスクトップ接続し、そのデスクトップからNano Serverに対してPowerShell Remotingを開始できます。この方法は、リソースマネージャーデプロイモデルとクラシックデプロイモデルの両方で利用できます。

インストールに関するその他の注意点

 Windows Server 2016 TP5に「.NET Framework 3.5 Features」の機能を追加すると、既定ではWindows Updateからダウンロードしてインストールしようとします。しかし、本稿執筆時点(2016年4月末)では、インストールソースのダウンロード提供が行われていないようで、インストールは失敗します。

 「.NET Framework 3.5 Features」の機能のインストールソースは、Windows Server 2016 TP5のインストールメディアの「Sources¥SxS」フォルダに存在します。そのため、Windows Updateからダウンロード提供されていない現在は、「.NET Framework 3.5 Features」の機能を追加する際にこのパスを代替ソースパスとして明示的に指定する必要があります。

 「DISM」コマンドまたはWindows PowerShellでインストールする場合は、次のように実行します(インストールメディアがEドライブの場合)。

DISM /Online /Enable-Feature /FeatureName:NetFxServerFeatures /Source:E:\Sources\SxS /LimitAccess

または

Install-WindowsFeature -Name NET-Framework-Features -Source E:\Sources\SxS


 Microsoft Azure上にデプロイしたWindows Server 2016 TP5の場合は、仮想マシンに英語版のISOイメージをダウンロードして、それをローカルマウントし、代替ソースパスとして指定してください。

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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