まだまだ使えるJava SEとNetBeansの基礎知識&ダウンロード、インストール初心者のためのサーブレット/JSP入門(1)(1/3 ページ)

初めてJavaのWebアプリを作ってみたいという人に向けてJava SEとNetBeansの基本的な概要や環境構築方法について解説する。

» 2016年07月12日 05時00分 公開
[金城俊哉]

連載目次

※本稿は、秀和システム発行の書籍『Javaサーバサイドプログラミング パーフェクトマスター(2015年12月21日発行)』の中から、特に@IT読者に有用だと考えられる箇所を編集部が選び、著者及び出版社の許可を得て転載したものです。
ご注意:本稿は、タイトルを除き、書籍の内容を改変することなく、そのまま転載したものです。このため用字用語の統一ルールなどは@ITのそれとは一致しません。あらかじめご了承ください。


Java EEでどうやってプログラムを作るの?

 Javaはコンパイラー型の言語ですから、JavaScriptやサーバーサイドのPHP、Rubyのようなインタープリター型言語とは異なり、専用の開発環境が必要です。もちろん、ソースコードはテキストエディターで記述しますが、ビルド/コンパイルする環境が必要です。Javaでは、JDKと呼ばれる開発キットが公開されていますので、これを入手すれば開発が行えます。

Java SEとNetBeans

 ただし、JDKには操作画面(GUI)のようなものは用意されていませんので、JDKだけで開発するのは手間がかかります。そこで、開発用のツールを用意することになりますが、JavaではEclipseというツールが広く利用されています。一方、Java EEの開発には、NetBeansというツールを使うのが定番です。

NetBeansがあればJava EEアプリの開発/運用がまとめて行える

 Javaの実行環境の基本となるのは、Java SE(Java Standard Edition)です。Java SEはデスクトップアプリケーションの実行環境ですが、JavaVMなどの根幹となるソフトウェアが含まれているので、Javaプログラムを実行するには、まずJava SEを用意することが必要です。

 で、あとはJava EE 7を用意することになるのですが、これは前述のNetBeansに含まれています。さらには、Webサーバーアプリケーションはもちろん、WebアプリケーションサーバーもNetBeans上からインストールすることができます。つまり、Java SEをインストールしてNetBeansをインストールすれば、Java EEの開発環境と実行環境がすべて揃います。

 もちろん、NetBeansはGUIを備えていますので、グラフィカルな画面を使って操作が行えます。ソースコードの記述が終わったら、コンパイルやサーバーへのアップロード(デプロイ)などをメニューの操作で行うことができます。

NetBeans NetBeans
NewBeansによるWebアプリケーションの開発 NewBeansによるWebアプリケーションの開発

サーバーサイドJavaの開発環境を用意しよう

 まずはJavaの実行環境であるJava Platform, Standard Edition(Java EE)をダウンロード/インストールし、Java EE 7の意統合開発環境NetBeansをダウンロード/インストールします。NetBeansをインストールすることで、WebアプリケーションサーバーのGlassFish、さらにはJava EE 7が利用できるようになります。

Point サーバーサイドJavaの開発環境を用意する

 Javaプログラムを開発/実行するための以下のツールをダウンロード/インストールします。

  • Javaプログラムを実行するための基本ツール「Java SE」をダウンロード/インストール
     Oracle社のサイトからJava SE(「Java SE Development Kit」の名称で配布されている)をダウンロードし、インストールします。

  • プログラムの開発環境「NetBeans」をダウンロード/インストールする
     NetBeansのサイトから統合開発環境「NetBeans」をダウンロードし、インストールします。

  • Webアプリケーションサーバー「GlassFish」「Java EE」はNetBeansからインストール
     NetBeansを利用してGlassFishをダウンロードし、インストールします。Java EEはNetBeansに同梱されていますので、プロジェクトを作成する際に個別に組み込むことになります。

サーバーサイドJavaに必要なツールはこれだ!

 サーバーサイドJavaの開発に必要なツールは、次の手順でインストールを行います。

サーバーサイドJavaの開発に必要なツールをインストールする手順

Java Platform, Standard Editionを入手すればJavaの開発環境が用意できる

 Javaで開発する際には、次の2つのツールが必要になります。なお、これらは別々に配布されているのではなく、JDKの中にJREが含まれるかたちで配布されています。

Important
  • JDK(Java Development Kit)
     JDKは、Javaでプログラムを作るときに必要となるコンパイラーやデバッガーを始め、Javaのコードを読み込み、プログラムとして実行できるようにするための細々としたツールをひとまとめにしたものです。
Important
  • JRE(Java Runtime Environment)
     実際にプログラムを実行するためのJVM(Java Virtual Machine:Java仮想マシン)は、JREという名称で提供されます。

Java SE(Java Platform, Standard Edition)

 先の2つのツールは、Javaでプログラムを作って、それを動かすためのものでした。で、今度は「Javaのプログラムで文字を画面に表示する」といったJavaの機能を実行するための「モノ」が必要になります。このような機能を提供するのがJava SEです。

 Java SEは、サーバーサイドを除く、Javaの標準的な機能を標準クラスライブラリ(Javaクラスライブラリ:JCL)としてまとめたものです。Java SEをインストールすれば、Javaのクラスを呼び出すことで、標準的な機能が使えるようになるというわけです。

Java SE Development KitにはJava SE、JDK、JREが含まれている。

 それぞれの役割が異なることから、JDK、JRE、Java SEのように分類されていますが、JDKはJREを含んでおり、さらにJava SEをダウンロードするとJDKも一緒にダウンロードされるようになっています。このようなことから、Javaの配布元であるOracle社のサイトでは「Java SE Development Kit」という名称で配布が行われています。

 説明が長くなってしまいましたが、「JavaでプログラミングしたいけどJDKのほかにJava EEもインストールする必要があるのか」と考えるのが当然で、何かと混乱してしまうことが多いのですが、結局は「Java SE Development KitをダウンロードすればJavaの開発環境が用意できる」ということなのですね。

実際にソースコードを書いて実行するためのIDE、それからサーバー(NetBeansとGlassFish)

 今度は、実際にコードを書いて、出来上がったプログラムを実行するためのツールです。このような開発用のツールをIDE統合開発環境)と呼んだりしますが、コードを書くためのテキストエディターと、先に用意したJava SE Development Kitを内部に取り込んで、プログラムを実行するための機能が1つのソフトウェアとしてまとめられています。

 サーバーサイドJavaでは、Eclipseという開発ツールが有名ですが、必要なファイルの自動生成やコードの補完機能が充実していることから、本書ではNetBeansを使用したいと思います。

Important

サーバーサイドだからアプリケーションサーバーが必要


 サーバーサイドJavaですので、作成したプログラムを動かすには、サーバーの機能が必要になります。実際にWebサーバーの公開用フォルダーに、作成したJavaプログラムをアップロードして動作確認を行うことになりますので、Webサーバーアプリケーションが必要になります。で、サーバーサイドJavaのプログラムですので、Javaプログラムの実行環境も用意します。

 「え?Javaの実行環境は用意したはずでは」となるところですが、今度は「サーバーサイドにおけるJavaの実行環境」が必要になるのですね。これが「Java EE」です。ですが、Java EEはあくまで「サーバーサイドJavaのための仕様のまとまり」なので、仕様に基づいて実際に処理を行うアプリケーション――これを「アプリケーションサーバー」と呼びます――としてGlassFishを使います。GlassFishには、Webサーバーとアプリケーションサーバーの両方の機能が搭載されていて、NetBeansのメニューを使ってインストールが行えます。

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