マイクロソフトが示す、今後の「クラウド3大潮流」「クラウドアプリコンテナ」とは何か

マイクロソフトが、2016年以降のクラウドのトレンドを見越した「今後のクラウド3大潮流」を示した。「ハイブリッドクラウドの浸透」「IoTの普及」「クラウドアプリケーションコンテナの台頭」に注視すべきと提言する。

» 2016年07月25日 11時00分 公開
[@IT]

 米マイクロソフトは2016年7月21日(米国時間)、2016年以降のクラウドコンピューティング市場を見越した「今後のクラウド3大潮流」を示した。

photo マイクロソフトが示す「今後のクラウド3大潮流」とは

 同社は、「企業がビジネスプロセス効率化、顧客へのリーチ、売り上げ拡大のための戦略的プラットフォームの構築や整備に注力する中、クラウドコンピューティングは今後もこれまで通り、そのための有力な技術であり続ける」との認識から、以下3つの潮流を注視すべきと提言する。

【1】ハイブリッドクラウドの浸透

 マイクロソフトは、「エンタープライズクラウドソリューションを求めている企業は、『データセンターか、クラウドか』の選択を強いられるのは避けたいと考えている。また、オンデマンドでスケーリングできる柔軟なITインフラを必要としている」との見方を示し、ハイブリッドクラウド型のソリューションは、この両方の要望を満たしていると指摘する。

 「企業のデータセンターでプライベートクラウドを構築すれば、高いアジリティ(俊敏性)を確保しながら、リソースを効果的に運用管理できる」とマイクロソフトは述べている。さらに同社はこのことから、「プライベートクラウドの導入率が2015年比で63%から77%まで伸びており、かつハイブリッドクラウドの導入率も同じく58%から71%に上昇している」という調査会社ガートナーの調査結果は、意外ではないとしている。ハイブリッドクラウドでは、サービスプロバイダーが提供する高効率で低コストなクラウドストレージや、バックアップおよびリカバリーソリューションも併用できるためだ。

【2】IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の普及/一般化

 マイクロソフトは、「車両からセキュリティシステム、冷蔵庫、洗濯機まで、あらゆるモノがインターネットに接続されようとしている。それはもう一般的になりつつある」と述べ、「2018年には、IoT機器が220億に増加し、新しいアプリケーションやサービスの開発実績も20万件以上に増える」とする調査会社IDCのデータを引用。こうした背景からこれまでなかったプラットフォームが確実に生まれており、それらは全て、いずれはクラウドを介してやりとりされるようになるという。

 この他同社は、「クラウドベースのサービスによって、IoT製品の導入、利用、管理に関わる、これまでなかった新しいビジネスが生まれてくる」とも言及する。

【3】クラウドアプリケーションコンテナの台頭

 マイクロソフトは、「2019年には、クラウドアプリケーションが世界のモバイルデータトラフィックの90%を占めるようになる」というシスコシステムズの調査データから、「アプリケーション開発プロセスにおける効率をいかに追求するかが、今後極めて重要になる」と述べている。クラウドネイティブなアプリケーションは、そうでないアプリケーションよりも開発時間を11.6%短縮できるとする調査会社Evans Dataのデータもあり、企業はプロセスの効率化と共同作業環境の整備に向けて、クラウド開発戦略の選択を進めるべきだと提言する。

 そうした中で、「クラウドアプリケーションコンテナ」が注目を集めるだろうと、マイクロソフトは説明している。クラウドアプリケーションコンテナは、開発者が“クラウド生まれの”アプリケーションを迅速かつ効率的にビルドし、デプロイするために必要な方法として今後一般的になるとしている。コンテナ技術を使うことで、開発者やIT担当者は、開発したアプリケーションを端末からサーバへ数秒でデプロイできるようになる。

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