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» 2016年08月10日 05時00分 公開

ヴイエムウェアのガイジン社長が考える、エンジニアが果たすべき「責任」とはGo AbekawaのGo Global!〜Jon T. Robertson編(3/3 ページ)

[取材・文 阿部川久広(Go Abekawa)/構成 鈴木麻紀,@IT]
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エンジニアはもっと「責任」を果たすべきだ

阿部川 日本のエンジニアにアドバイスをお願いします。

ロバートソン氏 良いキャリアを築くためのポイントは3つあります。どれもとてもシンプルです。

 第1は、尊敬できる上司と一緒に仕事をすることです。

 会社の知名度ではなく、マネジャーがどのような人かで会社を選ぶべきです。優れた情報や知識を持ち、尊敬できる人は、あなたが学習し、成長していく手助けをしてくれます。

 第2は、英語か中国語、それらでなくとも何らかの第二外国語を習得することです。

 テクノロジーによって世界はどんどん小さくなりました。日本の企業が成功するには、国内市場だけではなく、グローバルな市場を相手にすることが必須です。

 また、インドやオーストラリア、米国の同僚たちとより多くのコミュニケーションをとれるようになれば、より多くのチャンスが訪れるし、学べる情報やトレンドも膨大になります。

 第3は、「当社はここを変えなければいけない」とか「この技術は素晴らしいから採用した方がいい」などの意見を上司やマネジメント層にアピールすることです。

 わが社では優秀なエンジニアは、直接私に話してくれます。頭が良くて、能力があって、バイリンガルなエンジニアなら、さまざまなアイデアを持っているでしょう。ですから、会社のビジネスや経営全体に対してアドバイスすることは、あなたたちエンジニアの「責任」でもあります。

 多くのエンジニアはそうではないかも知れません。私の仕事はこの領域だから、この中のことをやると。しかしそれではいけないと思います。「ボス、私にはこんなアイデアがあるのです」と話すべきだと思います。

 エンジニアこそ、企業組織の頭脳として社内外で積極的に発言し、他国にいる同僚と大いにコミュケーションとる、そういったことが必要です。

@IT編集部 若手社員が今やるべきこと、どう仕事に取り組めばいいのか、アドバイスいただけますか?

ロバートソン氏 上のことはあまり気にしないで、ストレートに意見を言うといいと思います。若い人は新しい目でいろいろ見ていますから、私たちが慣れてしまっていることに対して「何で、これはこうやっているのですか?」「これをやればいいんじゃないですか?」と言っていいと思います。

 そして、尊敬できる先輩と付き合った方がいい。自分の部署だけではなくて、隣の部署でも、普段そんなに付き合わない人でも、会社の全体的な勉強するためにはいろいろな人と付き合った方がいい。1時間くらい時間を作ってもらって、どういう仕事をやっているのか説明してもらうとか、そういう勉強がいいと思います。

 言われていることをやるだけではなく、自分の勉強をいろいろやるといいと思います。

Go's think aloud〜インタビューを終えて

 純正カナダ人のロバートソンさんは、「英語でインタビューを受けるのは、社長になってから初めてですよ」と英語で話しだした。23歳で種子島に来てから25年、その日本語能力は、お世辞抜きで日本語ネイティブをも超えるため、普段はほぼ日本語で取材を受けるそうだ。

 さらにスゴいのは、長期的な信頼関係の構築や、他者への配慮や謙遜、折り目正しい礼節や尊厳、約束の重さなど、日本文化、なかんずく日本のビジネス文化が世界に誇る要素を、しっかり身に付けてきたことだ。

 日本的なビジネスのノウハウを実践し、グローバルな表現と文脈でコミュニケーションし、米国本社との交渉ではケンカもいとわない。そのタフさと日本への愛が、今のヴィエムウェアの成功を導いたといっても、決して褒めすぎではないだろう。

 こんな外人社長、ちょっといないよね。

阿部川久広(Hisahiro Go Abekawa)

アイティメディア グローバルビジネス担当シニアヴァイスプレジデント兼エグゼクティブプロデューサー、キャスター・リポーター

コンサルタントを経て、アップル、ディズニーなどでマーケティングの要職を歴任。大学在学時より通訳、翻訳なども行い、CNNニュースキャスターを2年間務めた。現在は英語トレーナー、コミュニケーションに関する執筆、講座、講演も行っている。

編集部より

「Go Global!」では、インタビューを受けてくださる方を募集しています。海外に本社を持つ法人のCEOやCTOなどマネジメントの方が来日される際は、ぜひご一報ください。取材の確約はいたしかねますが、インタビュー候補として検討させていただきます。

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