「在宅勤務」の効果を上げる、5つの簡単なポイント「これから、企業が考えるべきこと」をマイクロソフトが提言

マイクロソフトが、企業の担当者が悩みがちとされる「在宅勤務制度を成功に導く」ための留意点を紹介。IMやモバイル通信環境を有効に使う方法を提供し、時には定期的に顔を合わせる機会を会社として用意することなども肝要だという。

» 2016年10月11日 11時00分 公開
[@IT]

 米マイクロソフトは2016年10月6日(米国時間)、働き方の多様化を踏まえた今後の業務環境を考える上で重要となる、「在宅勤務/テレワーク」を成功に導くためにまずできる、「簡単な5つのヒント」を紹介した。

 在宅勤務制度は、従業員にとっては「柔軟な勤務時間」や「ワークライフバランス改善」などのメリットが、企業にとっては「コスト抑制」や「雇用可能な人材の拡大」などのメリットがあるとされている。Global Workplace Analyticsの調査によると、米国の在宅勤務者(在宅勤務が就業時間の5割以上を占める企業、団体従業員)は、「2014年度時点で従業員全体の2.8%に当たる約370万人に達し、2005年比で約2倍強の割合で増えている」という。

 ただし制度の導入においては、単に在宅勤務を許せばいいものではない。企業は、従業員、企業それぞれの生産性、組織としての連携、快適な勤務環境を維持する方法や手段を見いだし、提供できなければ有名無実化する可能性もあるとマイクロソフトは指摘する。以下、ブログを抄訳する。

(1)インスタントメッセージング(IM)ツールを利用できる環境を整える

 「Office 365」に含まれるIM(インスタントメッセージング)ツール「Skype for Business」などにより、離れた場所にいても、相手が何をやっているか、どんな状況かを把握した上で、あたかも隣席でやりとりする感覚と同様のコミュニケーションを図れる。

 IMには、電話や電子メールといったこれまでの情報伝達/意思疎通ツールに対して、大きく2つのメリットがある。他のメンバーが在宅勤務者に連絡しやすいこと、そして在宅勤務者も孤立感を感じずに済むことだ。

 これまでの同社の研究から、IMの“インスタント”な特性がメンバーの帰属感や充実感を高めることが分かっている。また、顔文字や絵文字といった要素を取り入れた新しいコミュニケーション方法にも、組織のまとまりやチームワークが向上することを示す研究結果もあるという。

(2)高速なモバイル通信を活用できる環境を整える

 米国勢調査局の調査によると、自宅での主なインターネット接続手段を固定回線(DSLやケーブルTV、光ファイバー)とする世帯の割合は、2013年の82%から2015年には75%に低下したが、モバイル通信回線のみでインターネットを利用する世帯の割合は、この間に10%から20%に増えている。

 高速モバイル通信手段の普及や無線LANホットスポットの整備、さらには、オフィスアプリケーションがWindows PCやMacに加えて、iOS、Android搭載のスマートデバイスでも利用できるようになっていることを背景に、モバイルワークの推進も含めて、在宅勤務制度を円滑に進めるために高速モバイル通信を活用するとよい。

(3)メリハリを付けて時間を使うようにする工夫を設ける

 時間を柔軟に使えるようになる在宅勤務のメリットを生かしつつも、仕事をする時間としない時間を明確に区別し、業務時間を適正な長さに留めるようにする仕組みも整える。

 例えば、ある時間帯は仕事用の電話をしない、仕事用のメールを閉じるといった具体的なステップを提供側が示し、仕事を切り上げるきっかけを作ることも重要となる。長時間働かなければならない日はあるかもしれない。しかし、それが習慣化しない制度やルールを設けることである。

(4)定期的に顔を合わせる機会を持つ

 Human Performance誌の2015年の調査によると、食事を共にすることが組織の一体感やチームワークに役立つとともに、個人にとっても、リラックスしたり、人脈を作ったりするいい機会になるという。

 例えば、月に数回はメンバーと昼食を共にしたリ、仕事の息抜きや憩いの場に参加したりする“イベント”を設けることも、同僚や上司とつながりを保つのに有効な手段である。

(5)会社のソフトウェア資産を有効に活用する

 Office 365、Skype for Business、「SharePoint」のようなソフトウェアは、生産性の高い在宅勤務環境作りに役立つ。このようなソフトウェアを有効に活用することで、会議、IM、ビデオ通話、データ共有によるリアルタイムなコミュニケーションを図りながらも、セキュリティやコンプライアンスを両立でき、対話型レポート、情報共有のためのダッシュボード、データ可視化ツールの活用も効果的に行えるようになる。

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