顧客管理フォームに、「条件に合致するレコードを検索する機能」を設置する：Access VBAで学ぶ初心者のためのデータベース／SQL超入門（11）（1/4 ページ）

連載目次

連載の目的と前回のおさらい

　本連載はMicrosoft Access（マイクロソフトアクセス　以下、Access）を使って、リレーショナルデータベース（RDB）やSQLの基本を学び、データベースを使った簡単なシステムの作り方を習得するものだ。

　前回は、「DAO（Data Access Objects）」を利用してデータベースを操作するテクニックを解説した。

　今回は、比較的身近なものと思われる顧客管理データベースを例に、SQLやデータベース操作の基礎となる「レコードの移動」「同じ条件に合致するレコードを1つずつ表示する」「複数の条件に合致するレコードを検索する」といったレコード処理の応用テクニックを解説する。

レコードを移動するフォームを作成する

　では、「レコード移動」のフォームから作っていく。ここではフォーム上に全てのフィールドを表示させるために、「テキストボックス」コントロールを7個配置する。図1が完成形だ。

図1　作成するフォームの完成形

　順に作成していこう。Accessメニューの「作成」→「フォームデザイン」で表示されるフォームのデザイン画面から新規フォームを作成し、フォーム上の右クリックメニュー→プロパティシートより、レコードソースに「顧客管理テーブル」を指定する（図2）。

図2　フォームのプロパティから「データ」タブを選択し、「レコードソース」に「顧客管理テーブル」を選択する

　次に、1つ目のテキストボックスコントロール「ID」を作る。テキストボックスを配置し、左に表示されるラベルのプロパティシートより表題を「ID:」とする。書式は「フォント名＝Meiryo UI」「フォントサイズ＝14」「フォント太さ＝太字」とする（以下、この書式設定を本稿では「標準書式」とする。また、書式は好みのものに変更しても構わない）。続いて「ID」テキストボックスのプロパティシートより、コントロールソースに「ID」を指定し、書式設定は「標準書式」を適用する（

図3）。

図3　「ID」表示用テキストボックスのコントールソースに「ID」と指定する

　同様に、「氏名」「性別」「年齢」「郵便番号」「住所」「電話番号」表示用のテキストボックスコントールを順に作っていく。ラベルには「標題」を指定し、書式設定は「標準書式」を適用する。それぞれのテキストボックスに指定するコントロールソースは以下の通りだ。

　図1のようにフォームデザインが完成したら、フォームを保存する。フォーム名は「レコード移動フォーム」としてほしい。

　完成したフォームを実行してみよう。フォームビューに切り替えると、フォームの下段に「ナビゲーションコントロール」が表れる。ここから、前後のレコードに移動できる（図4）。

図4　ナビゲーションコントロールでレコードを前後に移動できる

　Accessに用意されているナビゲーションコントロールを使えば、コードの作成なしに「レコード移動」の機能を簡易的に実現できる。また、テキストボックスとフィールドを連結させれば、自動的にテキストボックスへデータを表示してくれる。VBAやSQLを使わずに「レコードを移動する」の操作を実現する、簡易的な方法の1つとして覚えておいてほしい。

　続いて、フォーム上に「性別でテーブルを検索」という「コンボボックス」コントロールを配置し、「性別」で顧客管理テーブル内のレコードを検索する機能を追加してみよう。