IoTビジネスのスモールスタート実現を支援、「KDDI IoT クラウド Creator」発表「IoTで何から始めればいいのか分からない」を解決

KDDI アジャイル開発センターのスタッフが、顧客企業と共に「IoTビジネスのアイデア創出、開発、運用、改善」という一連のサイクルをサポート。IoTビジネスのスモールスタートとその後の改善・拡大を支援するという。

» 2016年10月26日 18時53分 公開
[編集部,@IT]

アイデア創出からIoTビジネスのスタート、その後の改善まで支援

 KDDIは2016年10月26日、顧客企業のIoTビジネス開発をサポートする「KDDI IoT クラウド Creator」を12月以降に提供開始すると発表した。KDDIのアジャイル開発センターのスタッフが、顧客企業と共に「IoTビジネスのアイデア創出、開発、運用、改善」という一連のサイクルをサポート。IoTビジネスのスモールスタートとその後の改善・拡大を支援する。

 KDDI IoT クラウド Creatorは、IoTの実践において「どこから手を付ければよいか分からない」という国内企業の声に応えたソリューション。同社は2016年4月から、2000種類のセンサーの他、データのグラフ化機能、しきい値に応じたアラート機能など、IoTで必要となる標準的なサービス・機能を提供する「KDDI IoT Standard」を提供している。だが同社がIoTを検討中、あるいは導入済み企業を対象に独自調査したところ、「IoTをどう進めれば良いのか分からない、アイデアはあっても実現方法が分からない」という声が多かったのだという。

ALT KDDI 執行役員 ソリューション事業本部 ビジネスIoT推進本部長 森敬一氏

 事実、ガートナーが2016年4月に発表した調査でも、「IoTの推進体制を確立させている企業の割合」として、「(2015年に)IoT推進体制を確立する予定」と答えた企業は、515社中、16.7%あったのに対し、2016年「IoTの専門部署やグループができた」、つまり実際に取り組んだ企業は1.6%増にとどまった。同調査での「IoTに対する期待や不安」という質問項目では、「いまだにどこから手を付けるべきか分からない」という回答が約4割にも上った。

 「KDDI IoT クラウド Creatorは、こうした顧客企業の課題を解決するものとして開発した。アイデアの深掘りから、開発・運用・改善というサイクルをサポートし、『アイデアを素早くスモールスタートしたい』というニーズに応えていく」(KDDI 執行役員 ソリューション事業本部 ビジネスIoT推進本部長 森敬一氏)

 具体的には、同社アジャイル開発センターのスタッフが、クラウド上の開発基盤を使って1サイクル2週間としてイテレーションを回す。センサーなど各種IoT機器と通信するゲートウェイ、データを蓄積するデータ基盤、管理者向けコンソールなども併せて提供することで、IoTビジネスを実際にスモールスタートできる。

ALT 顧客企業とKDDIが“共に”IoTビジネスを開発・改善。アイデア(課題)創出、開発、運用、改善の1サイクルを2週間で回す。このサイクルを繰り返してスピーディなIoTビジネス開発・改善を狙う

 ソリューション提供の最小期間は、基本的に2〜4サイクル(4〜8週間)を想定。顧客企業の要望に応じてサイクルを追加できる。担当するアジャイル開発センターのスタッフ数も、当初は数名で担当し、IoTビジネスの規模に応じて増員が可能だ。価格は開発内容、期間、担当スタッフ数を基準に個別見積もりとなるが、「最小で数百万円からIoTビジネスを始められる」という。

 こうした「IoTサービス開発支援ソリューション」自体は、既に他社にも存在するが、同社の場合、電力のスマートメーター、自動車のナビゲーションシステム、家屋のセキュリティシステムなど、15年間にわたる通信モジュール分野での実績と技術の蓄積がある。また、2013年から自社サービス/顧客向けサービス開発にアジャイル開発を適用し、現在はDevOpsも実践しているアジャイル開発センターの高度なスキル・知見も強みといえるだろう。なお、IoTサービスを“共に開発・発展”させる上では、顧客企業にとって開発メンバーは同一のスタッフであり続けることが望ましいが、「プロジェクトの核となるメンバーは変えない」など、開発チームの組成にも配慮するという。

 ターゲットは、自動車、家電、小売り、建設、不動産、エネルギー・運輸・鉄道、社会インフラ、農業など幅広い業種。現在、アジャイル開発センターは認定プロダクトオーナーが45名、認定スクラムマスターが27名という陣容だが、「外部パートナーの協力を得て今年度中に2倍の規模にし、今年度内に数十件の案件受注を目指す」としている。

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