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» 2016年10月28日 05時00分 公開

山市良のうぃんどうず日記(77):通常の方法でWindowsをインストールできない場合の“超抜け道的”対処方法 (2/2)

[山市良,テクニカルライター]
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「DISM」コマンドでイメージ展開してしまう方法もアリ!

 Windows 8以降またはWindows Server 2012以降のインストール用DVDメディアでサーバを起動した場合は、「DISM」コマンドを使用することで、Windows Server 2016評価版のインストールメディアの「\Sources\Install.wim」の内容を直接ディスク上にイメージ展開してインストールすることも可能です。この方法は、Windows 8以降およびWindows Server 2012以降のWindowsであれば、同じようにできるはずです。

 WindowsPEのコマンドプロンプトを開いたら「DISKPART」コマンドでインストール先ディスクのパーティションを準備し、フォーマットしてドライブ文字を割り当てます。BIOSベースのシステムの場合は、次のようにコマンドを実行して準備します。

X:\Sources> DISKPART
DISKPART> LIST DISK
DISKPART> SELECT DISK 0(またはインストール先ディスクの番号)
DISKPART> CREATE PARTITION PRIMARY SIZE=500
DISKPART> FORMAT QUICK FS=NTFS LABEL="SYSTEM"
DISKPART> ASSIGN LETTER="S"
DISKPART> ACTIVE
DISKPART> CREATE PARTITION PRIMARY
DISKPART> FORMAT QUICK FS=NTFS LABEL="Windows"
DISKPART> ASSIGN LETTER="W"
DISKPART> EXIT
X:\Sources>
▲BIOSベースのシステムでのディスクの準備

 UEFIベースのシステムの場合は、次のようにコマンドを実行して準備します。パーティション構成が少々複雑ですが、詳しい説明は省きます。

X:\Sources> DISKPART
DISKPART> LIST DISK
DISKPART> SELECT DISK 0(またはインストール先ディスクの番号)
DISKPART> CLEAN
DISKPART> CONVERT GPT
DISKPART> CREATE PARTITION EFI SIZE=100
DISKPART> FORMAT QUICK FS=FAT32 LABEL="SYSTEM"
DISKPART> ASSIGN LETTER="S"
DISKPART> CREATE PARTITION MSR SIZE=16
DISKPART> CREATE PARTITION PRIMARY
DISKPART> SHRINK MINIMUM=500
DISKPART> FORMAT QUICK FS=NTFS LABEL="Windows"
DISKPART> ASSIGN LETTER="W"
DISKPART> CREATE PARTITION PRIMARY
DISKPART> FORMAT QUICK FS=NTFS LABEL="RECOVERY"
DISKPART> EXIT
X:\Sources>
▲UEFIベースのシステムでのディスクの準備

 続いて、DISMコマンドを次のように実行して、Windows Server 2016評価版のインストールメディアの「Sources\Install.wim」を「W:\」ドライブに展開します。

X:\Sources> DISM /Apply-Image /ImageFile:D:\Sources\install.wim /index:1(または2または3または4)/ApplyDir:W:\
▲Windows Server 2016評価版のインストールメディアの「Sources\Install.wim」を「W:\」ドライブに展開

 「Sources\Install.wim」には4つのインストールイメージが収録されています。インデックス番号「1」はStandardエディションのServer Coreインストール、インデックス番号「2」はStandardエディションのデスクトップエクスペリエンス(フルインストール)、インデックス番号「3」はDatacenterエディションのServer Coreインストール、インデックス番号「4」はDatacenterエディションのデスクトップエクスペリエンスです。

 BIOSベースのシステムの場合は、次のようにコマンドを実行して、Windowsのブート構成を作成し、サーバを再起動します。

X:\Sources> BCDBOOT W:\Windows /l ja-jp /s S: /f BIOS
X:\Sources> WPEUTIL REBOOT
▲BIOSベースのシステムでのブート構成

 UEFIベースのシステムの場合は、次のようにコマンドを実行して、Windowsのブート構成を作成し、サーバを再起動します(画面5画面6)。

1.X:\Sources> BCDBOOT W:\Windows /l ja-jp /s S: /f UEFI
2.X:\Sources> WPEUTIL REBOOT
▲UEFIベースのシステムでのブート構成
画面5 画面5 DISKPARTコマンドでパーティションを構成し、DISMコマンドでイメージをディスクに展開する
画面6 画面6 サーバを再起動すると、インストールの最終段階へと進み、ローカルAdministratorのパスワードを設定して完了

 サーバの大容量記憶域装置を認識させるために、デバイスドライバのインストールが必要な場合があります。その場合は、サーバを再起動する前に、DISMコマンドでデバイスドライバをインストールします。デバイスドライバの署名に問題がある場合は、さらに「/ForceUnsigned」パラメーターを追加します。

X:\Sources> DISM /Image:W:\ /Add-Driver /Driver:<ドライバのINFファイルのパス>
▲デバイスドライバのインストール

 適用すべき更新プログラムがダウンロード済みである場合は、この時点で更新プログラムを適用してしまうことも可能です。それには、次のように実行してから、サーバを再起動します。

X:\Sources> DISM /Image:W:\ /Add-Poackage /PackagePath:<更新プログラム(.msu)のパス>
▲更新プログラムの適用

 Windows Server 2016評価版は、2016年9月末の累積的な更新プログラムで「14393.206」に、2016年10月初めの累積的な更新プログラムで「14393.223」に、10月半ばの正式リリースと同時に公開された累積的な更新プログラムで「14393.321」に更新されました。

 累積的な更新プログラムの良いところは、後からリリースされた更新プログラムには以前の更新が含まれていることです。そのため、過去の累積的な更新プログラムはスキップして、最新の累積的な更新プログラムだけを適用すればよいのです(画面7)。

画面7 画面7 「Sources\Install.wim」のイメージをディスクに展開した直後に、累積的な更新プログラムを適用してしまうことも可能

 DISMコマンドによるイメージ展開でのWindowsのインストールは、コマンドラインだけの実行になるため、難しそうに見えるかもしれません。ですが、面倒なのはパーティション構成だけで、後はDISMコマンドのコマンドライン1行の実行と、「BCDBOOT」コマンドによるブート構成の作成だけで完了します。Windowsセットアップが実行していることを、代わりにコマンドラインで実行しているだけなのです。

 難点があるとすれば、キーボードが「101英語キーボード」としてセットアップされてしまうことでしょうか。通常のWindowsセットアップでは、キーボードの種類について最初に確認が求められます。DISMコマンドによるイメージ展開では、キーボードの確認がありません。その結果、標準の101英語キーボードでセットアップされてしまうのです。

 デスクトップエクスペリエンス(フルインストール)の場合は、「デバイスマネージャー」で「日本語PS/2キーボード(106/109キー)」に入れ替え、再起動することで問題を解消できます。Server Coreインストールの場合は、「レジストリエディター(Regedit.exe)」を起動して、「HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\i8042prt\Parameters」キーを開き、以下の5つの値を追加して、再起動してください。

名前 種類 Data
LayerDriver JPN REG_SZ(文字列) kbd106.dll
LayerDriver KOR REG_SZ(文字列) kbd101a.dll
OverrideKeyboardIdentifier REG_SZ(文字列) PCAT_106KEY
OverrideKeyboardSubtype REG_DWORD(DWORD(32ビット値) 2
OverrideKeyboardType REG_DWORD(DWORD(32ビット値) 7

参考情報(追記)

 DISMコマンドでイメージを展開した後に次の設定を行っておけば、106日本語キーボードとしてセットアップされるようです。

X:\Sources> DISM /Image:W:\ /Set-LayeredDriver:6


筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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