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» 2016年11月24日 05時00分 公開

実践 OSSデータベース移行プロジェクト(1):「Oracle Databaseをやめる」という選択肢 (2/2)

[廣濱顕司, 荻野邦裕, 潮雅人,SCSK株式会社]
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「移行プロジェクト」の項目を整理する

 既に利用中のデータベースシステムを移行するならば、さまざまな事項を精査する必要があります。ざっくりとまとめると、以下の項目を検討することになるでしょう。

移行プロジェクトの大まかな流れ
  実施項目 実施内容
1 移行アセスメント 既存DBMSで利用中の機能やオブジェクトを洗い出して移行の難易度を評価する
2 移行後のDBMS設計 利用中の機能やオブジェクトをどのように移行するか設計する
3 移行後の運用設計 HA(高可用性)、障害時の対応、バックアップ、監視などを設計する
4 移行後のDBMSチューニング テストシナリオを作成して性能試験の実施やDBMSのチューニングなどを行う
5 移行計画の策定 本番DBMSのデータ移行方式やスケジュールを策定する
6 教育 アプリケーション開発者やDBA(データベース管理者)が新しいDBMSを扱えるように支援する
7 移行実施 サービス停止時間の調整、移行リハーサル、顧客調整などを行って、本番作業を実施する

 本連載では上記項目のうち、データベース移行において特に具体的かつ必須の作業となる「移行アセスメント」と「移行後のDBMS設計」、そして「教育」にフォーカスし、ノウハウを紹介していく予定です。移行を検討するケースが最も多いパターンを想定し、DBMSのバージョンおよびエディションは以下を念頭に置いて解説します。

  • 移行元:Oracle Database 10g/11g(ライセンスはSE1、SE)
  • 移行先:MySQL Server 5.7(InnoDBを主に利用)

 なお、Oracle Database Enterprise Edition(EE)を利用中の場合は、明確な理由があってSE1/SEではなくEEを採用しているはずなので、本連載の対象からは除外します。ご了承ください。

 また、本連載で両者を比較するに当たっては、以下の点に注意して記述します。

  • 各DBMSにおける移行可否の単純な比較ではなく、「最適な構成、最適な利用」を理解することに重きを置く
  • 項目ごとに移行時の難易度を評価すること(アセスメント)を主眼を置く(実際に移行プロジェクトを推進する際には、移行コストを細かく算出する必要があります)

次回予告と今後の予定

 本連載の展開予定は以下の通りです。

テーマ 主な内容(予定)
1(今回) 移行検討の背景と概要 連載の背景と移行の検討について
2 アーキテクチャの違い Oracle DatabaseとMySQLのアーキテクチャの違い
3 オブジェクトの違い 各種オブジェクトの違い
4 データ型の違い データ型の違いと対応
5 SQL、DDLの違い SQL、DDLの違いと対応
6 ストアドプロシージャ、ファンクションの違い ストアドプロシージャ、ファンクションの違いと対応
7 トリガの違い トリガで記述する構文の違い
8 機能の違い 各種機能の違い

 次回は、Oracle DatabaseとMySQLの「アーキテクチャの違い」を解説します。

※本稿は、2016年9月20日 SCSK「Oracle DBからMySQLへ、DB移行プロジェクトの実践ノウハウを専門家が徹底解説」ホワイトペーパーより、提供者の許可の下、一部を修正して展開するものです。

筆者紹介

廣濱顕司(ひろはま けんじ)

SCSK株式会社 ITマネジメント事業部門 基盤インテグレーション事業本部 通信基盤インテグレーション部所属。東京都出身 東京都在住。MySQLやMySQL Clusterのコンサルティング、設計構築、プリセールスなどを行っていたが、最近は営業やマーケティング活動もカバーするようになり、技術が分かる営業として日本国内を縦断中。

荻野邦裕(おぎの くにひろ)

SCSK株式会社所属。神奈川県横浜市在住。1983年よりIT業界へ。その間Oracleを中心とした、DB関連作業を多数経験。DBの移行を得意とする。趣味は自己チューニング(水泳、マラソン、筋トレ)及び愛犬アポロ(チワワ)と遊ぶこと。

潮雅人(うしお まさと)

SCSK株式会社 ITマネジメント事業部門 基盤インテグレーション事業本部 通信基盤インテグレーション部所属。神奈川県川崎市在住。入社当初よりデータベースの設計構築や技術サポート業務に従事。MySQLを中心にしつつもOracle Database、Oracle RACなどの構築にも携わる。趣味はスノーボード、スキューバダイビング、海外旅行など。


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