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» 2016年12月14日 05時00分 公開

仕事が「つまんない」ままでいいの?(24):「仕事の楽しさ」って何だろう? (2/4)

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),@IT]

これまでの「仕事の楽しさ」を見いだす方法

 私自身、仕事には大変なことも、悔しい思いをすることも、思い通りにならないことも、たくさんあります。それでも、もし「仕事って、楽しい? 楽しくない?」と問われたら、「いろいろあるけど、結構楽しいよ」と答えます。現実がどうであれ、少なくともそうありたいと思います。

 そういう私にも、以前は心が折れそうなほど仕事が嫌だった時代があります。その状況から何とか抜け出したかったので、たくさんのビジネス書を読みました。

 ビジネス書には、「嫌なことでも真剣に取り組んでいれば次第に得意になり、成果が出て、悩みや迷いが消えて、仕事が楽しくなってくる」「仕事を趣味にしろ」「大好きなことを仕事にしろ」「目標を持て」などの言葉が書かれていました。

 今、これらの言葉をあらためて眺めてみると、「まー、確かに正論だけど、正直ちょっとしんどいんだよなー」という感じがしなくもありません。実際、仕事が嫌だった当時も、何となく突き放された感じがしたことを思い出します。

 「それができたら苦労しないよ。それができないから困っているんじゃないか」と。

 実際、仕事が得意になり、成果が出るまで嫌なことをやり続けるのは結構大変ですし(力にはなりますが)、そもそも楽しくない仕事を趣味にできそうにないし(苦手が好きに変わる場合もありますが)、好きなことを仕事にするには転職や独立をしなければなりません(最近、そういう情報多いですよね)。

 「目標を持て」と言われても、やりたいことがある人ばかりではないでしょう。私は、目標とは「先にある」のではなく、後から「見えてくる」ものだと考えています。目の前の現実に対して、「○○はすごいな」や「○○ではまずいぞ」のような内的な衝動が起こる。すると、「○○になりたい」や「こんな○○は絶対に嫌だ!」のような気持ちが芽生えて、自然と目標を「持ちたくなる」のです。

 一方、内的な衝動が起こらないまま、頭の中で考えた目標は、行動に対する動機付けが起こらないため、長続きしません。しかし世間一般では、「目標を持つのが正しい」「目標がないのはダメなヤツ」なので、目標をあれこれ考えて「持とう」とします。うまく見いだせなければ、「目標がないワタシって……」と悩んでしまいます。

 できる人はできるけれど、できない人も多い――これが、これまでの「仕事の楽しさ」を見いだす方法でした。

“楽しい”の4つの特徴

 そこで、これまでの方法から少し離れて、あらためて「そもそも“楽しい”とはどういう状態なのか」を振り返ってみましょう。“楽しい”を4つの特徴にまとめました。

1 主観的である――比べなくても分かる

 “楽しい”は「主観的」です。主観的とは「他と比べなくても分かる」ということです。「絶対的」(相対的ではない)とも言えます。

 これは、おいしい食べ物を食べたときの味覚に似ています。おいしさは、他の食べ物と比較して「あれよりもおいしい」といった相対的な表現もできますが、何かと比べなくても分かります。

2 人それぞれである――私は私

 “楽しい”は人それぞれです。「私は私」です。

 食べ物も同じですよね。他の人が何と言おうと「私がうまけりゃ、それでOK」です。

3 反応である――自然とそうなる

 “楽しい”は「反応」です。反応とは、何かを「意識的にしようとしなくても、自然とそうなる」ことです。

 食べ物もそうです。「おいしい」と感じるのは理屈ではありません。自然な反応です。

4 感じることである――考えても答えは出ない

 “楽しい”は「感じる」ことです。感じるとは、「五感を通して分かる」ということです。

 どんなに「おいしい」食べ物も、頭の中であれこれ考えても分かりません。見て、聞いて、嗅いで、味わって、感じて初めて分かるのです。

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