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» 2016年12月14日 05時00分 公開

仕事が「つまんない」ままでいいの?(24):「仕事の楽しさ」って何だろう? (3/4)

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),@IT]

「外」に答えはない―「仕事の楽しさ」に目星を付ける

 「主観的」「人それぞれ」「反応」「感じること」という“楽しい”の4つ特徴を見てみると、仕事の“楽しさ”は、インターネットで調べた内容や第三者の意見のような、自分の「外」にはなく、「中」にしかないことが分かります。「自分は何に“楽しい”と感じるんだろう?」……それを見いだせれば、何をすればいいのか目星が付けられそうです。

 そこで、2つの方法を提案します。1つは、過去に「仕事で“楽しい”と感じたことを『あえて』探す」、もう1つは「日常生活の中で“楽しい”と感じることとの共通点を探す」です。

1 仕事で“楽しい”と感じたことを「あえて」探す

 私たちは物事を理解するとき、「仕事はつまらない」「趣味は楽しい」のように、かなり大ざっぱ(抽象的)に捉えています。この、大ざっぱに捉えることを、心理学用語では「一般化」と言います。

 一般化は、物事をざっくりと理解し、周りの人に分かりやすく伝えられるのでとても便利です。一方、「どうせ仕事なんてつまんない」「仕事が楽しいと思ったことなど、一度もない」のような過度な一般化は、「全てがそうである」ように私たちを思い込ませます

 すると意識は「嫌だ」しか見えなくなり、楽しい方に向きにくくなります。「いつも」「全部」「何をやっても」「どうせ」「全く」「一度もない」などの言葉を使っているときは、一般化が起こっています。ストレスを感じているときほど一般化は起こりやすいです。

 けれども、「本当に全部が全部、つまらないのか」「楽しいと感じたことは1回もないのか」と、あえて考えてみると「○○さんに褒められた」や「今までできなかったことができるようになった」のように、過去に1度ぐらいは、少しぐらいは、“楽しい”と感じたことがあるはずです。

 それを、「具体的に」思い出してみます。具体的にとは、「それはいつの出来事か」「どこで起こったのか」「誰と一緒だったのか」「何をしていたときか」「なぜ(何に)楽しいと感じたのか」「どのようにしたらそうなったのか」のように、「5W1H」で考えることです。

 昔懐かしい音楽を思い出すと、あの時のシーンや感情を思い出すように、過去に仕事で感じた楽しかった、うれしかった体験をリアルに思い出すと、そのときの「気分」がよみがえってきます。

 そして、わずかでも構わないので、過去に仕事で感じた“楽しい”という感覚を味わってみてください。過去に「楽しいこともあった」という事実に気付くことで、一般化によって起こっている思い込みがゆるんで、「何もかもが嫌だ……というわけでもないな」と一筋の可能性を見いだすことができます。

2 “楽しい”と感じることとの共通点を探し、生かす

 もう1つは、趣味や娯楽、スポーツなど、日常生活の中で楽しい、面白い、うれしい、ワクワクすると感じることを細かく「分解」して共通点を見いだし、仕事に生かす方法です。

 例えば、あなたの仕事がエンジニアで、趣味が山登りだとしましょう。仕事はつまんない。けれども、山に登っているときはすごく楽しい。山登りとエンジニアの仕事には何の関係もないので、山登りで感じる楽しさを仕事に見いだすことはできそうにありません。

 そのため、「仕事は仕事、趣味は趣味」「仕事がつまらない分、趣味を楽しもう」のように、仕事と趣味を切り離して、満たされない気持ちを埋めようとすることが多いでしょう。

 けれども、山登りで感じる楽しさを細かく見てみると、「工程の計画を立てる」「山の専門知識を身に付ける」「山を登っている最中に無心になる」「山を登り切ったときの達成感」など、“楽しい”と感じる「要素」があるはずです。つまり、山登りが楽しいと感じるのは、何かしらの要素に反応しているのです。

 山登りそのものを仕事につなげることは難しそうですが、「計画を立てる」「専門知識を身に付ける」「目標をやり遂げるときの達成感」など、“楽しいと感じる要素”なら、仕事の中にも見いだせるかもしれません。

 具体的な方法は、本連載第7回「このままでいいの?――つまらない仕事を『楽しい』に変える4ステップ」や「自分の強みを見つける問い『プログラムの何が好き?』」も参考にしてください。

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