S3やEC2、EMRなどAWSの各サービスはすべてAWSコンソールからの操作に加えてAPIを通じての操作が可能ですが、APIを利用してAWSに要求を投げるときには自分が正当な権限を持っていることを提示しなくてはなりません。このような認証のために利用する証明書のことをアクセス証明書と呼びます。アクセス証明書はAWSアカウントごとに発行されています。
実際にアクセス証明書であるアクセスキーとシークレットキーを確認する方法を説明します。AWSのサイトにログイン後、右上にある「My Account/Console」から、「Security Credential」をクリックしてください。Access Credentialsのところでアクセスキーとシークレットキーが確認できると思います※34。
※34 シークレットキーは画面上の「show」をクリックすると表示されます
この2つのキーを使うことで、コマンドラインやプログラムからでもAPI経由で各サービスを利用することが可能となります。例えばRubyの場合、aws-s3というgemを利用するとS3にファイルをアップロードしたり、ファイルが存在するかどうかの確認がこのように簡単に行えます。
require 'rubygems' require 'aws/s3' include AWS::S3 # S3とのコネクションを作成 Base.establish_connection!( :access_key_id => '[アクセスキー]', :secret_access_key => '[シークレットキー]' ) # アップロード # 引数:s3のファイル名、アップロードしたいファイルオブジェクト、バケット名 S3Object.store('hogehoge_in_s3', open('hogehoge'), 'sasata299') # ファイルが存在するかどうか p S3Object.exists?('hogehoge_in_s3', 'mybucket') # => true
特に慣れてくると、AWSコンソール上ではなくコマンドラインやプログラムから各サービスを利用することが増えてくると思います。いちいちGUIで処理を行うよりも効率よく短時間で作業できると思うのでぜひ使いこなしてみてください。
佐々木達也著
秀和システム 2400円(税別)
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