国内IT市場、2017年も大都市圏との地域間格差が広がる IDCが予測IT支出の地域間格差を是正するには、何が必要か

IDCジャパンが2020年までの地域別IT市場予測を発表。2016年のハードウェア市場は、東京都のプラス成長に対して、大都市圏以外では対前年比3%以上の減少。2017年も前年に続き、大都市圏とそれ以外の地域格差が広がると予測され、今後、地域格差を是正する対策も必要と提言した。

» 2017年01月11日 10時00分 公開
[@IT]

 IDCジャパンは2017年1月10日、国内IT市場における2016〜2020年の地域別予測を発表した。

 2016年の国内IT市場は、特にハードウェア分野で成長のブレーキがかかった。ハードウェア分野では、東京都のみプラス成長を確保したものの、大都市圏以外(北海道/東北地方、北陸/甲信越地方、中国/四国地方、九州地方)では対前年比3%以上の減少になる。また、2017年以降も同様の傾向が続き、大都市圏(東京都、関東地方、近畿地方、東海地方)と大都市圏以外のIT支出意向の格差が広がると予測される。また、大都市圏では2020年まで継続してプラス成長を維持する予測に対して、大都市圏以外では2018年と2019年にはいったんプラス成長に転じるものの、2020年には再びマイナス成長へと落ち込むとされている。

photo 国内IT市場 地域別前年比成長率予測 2015〜2020年(出典:IDCジャパン)

 この地域間格差の要因は企業規模の差にあると同社では分析。東京都を中心とする大都市圏には業績が好調の大企業が多く、第3のプラットフォームへの移行を踏まえた戦略的IT投資も増えている。また、東京オリンピック/パラリンピックに向けた投資も見込まれる。

 それに対して大都市圏以外の地域では、業績が低迷している中小企業の割合が高く、海外シフトやインバウンド需要の大都市圏への集中などの影響から、IT支出が抑制傾向にあると予測される。大都市圏以外の地域の成長率を上げるには、行政主導による地方創生のための抜本的な変革が必要とし、ITベンダーにおいても、大都市圏の大企業、大都市圏以外の中小企業、行政機関、それぞれのニーズや課題の違いを的確に捉えて活動していく必要がある。具体的には、「企業向けには、大企業を中心にデジタルトランスフォーメーションを提案し、行政関連機関には地域間格差の是正に向けた第3のプラットフォームを活用した地方創生を推進していくべき」と同社は述べている。

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