ガイアックス、ブロックチェーン技術を用いる本人確認プラットフォーム「TRUST DOCK」を提供シェアリングエコノミーを見据える企業に向け

ガイアックスは、身分証提出や本人確認のためのプラットフォーム「TRUST DOCK」の提供を開始。ブロックチェーン技術を用いて、複数のシェアサービスで本人確認情報を共有できる仕組みも開発する。

» 2017年02月06日 10時00分 公開
[@IT]

 ガイアックスは、シェアサービスを展開する事業者や厳格な身分証の確認が必要な企業に向けた本人確認プラットフォーム「TRUST DOCK」の本格提供を開始した。個人認証システムの運用や個人情報の管理といった、これまでサービス事業者が負担していたコストやリソースの削減を可能にするという。

photo 「TRUST DOCK」のWebサイト

 インターネットを通じてモノやサービスを貸し借りする「シェアリングエコノミー」の在り方について官民で検討する「シェアリングエコノミー検討会議」は2016年11月、シェアビジネスを推進するサービス事業者が守るべきガイドラインを示した。ガイドラインでは、サービスの品質、プラットフォーム事業者、サービス提供者、サービス利用者、第三者の信頼性をできる限り可視化し、正しい情報を基に各事業者が運営し、利用できる基盤の整備が求められている。

 このような厳格な本人確認システムは一般的に、個人情報の保管や管理システムの構築、運用に多大なコストが掛かるとされる。特にシェアサービス事業者にはスタートアップが多いことから、システムコストの負担をどう解決するかが課題として挙げられていた。

 TRUST DOCKでの本人確認の仕組みは次の通り。まず、シェアサービス事業者がTRUST DOCKを通じてその利用者に対して本人確認を要求すると、利用者は自身の身分証の画像をTRUST DOCKにアップロードする。その画像を、本人情報の確認の役割を担う子会社のアディッシュが1時間以内に目視でチェックする。その際、身分証の不正、有効期限、利用者が入力したデータと身分証に書かれているデータが一致することなどを確認し、結果をAPI(Application Programming Interface)でシェアサービス事業者に返す。この仕組みにより、大掛かりな本人確認システムをシェアサービス事業者自身が抱えることなく、厳格な本人確認の仕組みを導入できるという。

 同社は今後、ブロックチェーン技術を積極活用したデジタルIDの開発に取り組むという。このデジタルID技術を利用すると、例えば1社目のシェアサービスで本人を厳格に確認すれば、利用者の同意を得た上で、2社目以降のサービス利用時に本人確認を不要にするといったことを可能にする。複数のシェアサービスで横断的に本人確認情報を共有できるようになる。

 この他、マイナンバーカードに格納された公的個人認証の証明書を使って電子的な本人確認を可能にする仕組みも開発する。こうしたブロックチェーン技術を応用したサービスの実装に向けて、実証実験にも取り組むとしている。

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