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» 2017年02月15日 05時00分 公開

山市良のうぃんどうず日記(84):トラブルシューター泣かせのイベントログメッセージ(その1)――重大な翻訳ミス (2/2)

[山市良,テクニカルライター]
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原因はWindows 8から延々と続く“翻訳ミス”でした

 先に答えを明かしてしまうと、イベントビューアーの「ライセンス認証できませんでした」「ライセンス認証に失敗しました」は単なる“翻訳ミス”です。下の画面2は、英語版のWindows 8.1やWindows 10で同様のイベントを表示したものです。前ページで例に挙げた日本語の4つのイベントメッセージは、英語では次のように記録されます。

  • Activation of the app failed with error: <理由>
  • Activation of the app <アプリ名> for the <コントラクト名> contract failed with error: <理由>
  • Activation via contract helper of the app <アプリ名> for the <コントラクト名> contract failed with <理由>
  • Activation of the app <アプリ名> for the <コントラクト名> contract timed out.

画面2 画面2 英語版のWindowsにおけるアプリの「Activation」エラー

 つまり、日本語版のWindowsでは「Activation」を「ライセンス認証」と“誤訳”してしまっているわけです。

 Windows XP以降、正規ライセンスでWindowsを使い続けるためには、製品ライセンスの「アクティベーション」が必要になりました。日本語では「アクティベーション」と表記されたり、「ライセンス認証」と表記されたりします。画面3は、日本語版Windows 10の「設定」アプリと、英語版の「Settings」アプリの表示の比較です。

画面3 画面3 Windowsに限らず、マイクロソフト製品で「アクティベーション(Activation)」というと、「ライセンス認証」を指す場合が多い

 ストアアプリ(UWPアプリ)における「Activation」とは、「アクティブ化」のことです。そして、Windows 8.1の「スタート」画面やWindows 10の「スタート」メニューからアプリを起動することは、アクティブ化の方法の1つに過ぎません。ユーザーの指示による直接的なアクティブ化です。

 この他にも、アプリの起動を速くしたり、バックグラウンドで情報の送受信を行わせたりするために、システムがスタートアップ時にアクティブ化する場合もありますし、コントラクトの呼び出しで間接的にアクティブ化されることもあります。アプリのアクティブ化について、もっと詳しく知りたい方は、以下のドキュメントをご覧ください。

 筆者は問題を切り分ける際に、言語固有のトラブルでないかどうかを判断するため、英語版のWindows 10を仮想マシンで利用できるようにしています。また、日本語版のWindows 10を実行する物理PCに「英語言語パック」をインストールして、表示言語やロケールを切り替えられるようにしています。

 そんな環境を準備しておかなくても、マイクロソフトが公開している「Microsoftランゲージポータル」を利用すると、UI(ユーザーインタフェース)やメッセージに表示される日本語に対応する、オリジナルの英語を検索することができます。

 今回のイベントのメッセージ(動的な部分を除いた一部で)を検索してみると、この翻訳ミスはWindows 8から訂正されずに延々と続いていることが分かります。この問題については、筆者もだいぶ前にフィードバックしてあるのですが、いまだに修正されません。

画面4 画面4 イベントログメッセージの誤訳は、新しいアプリが実装されたときから続いているらしい

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows Server 2016テクノロジ入門−完全版』(日経BP社)。


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