昨日は何回イラっとした?――感情コントロール「ステップ1 感情のバグに気付く」ストレスフルな職場でエンジニアが心穏やかに働くための5段階感情コントロール(2)(3/4 ページ)

» 2017年04月07日 05時00分 公開

感情を観察する

 自身の思考や感情、行動を客観的に観察し、認識する能力を、専門用語では「メタ認知能力」といいます。ちょっと難しいので、ここでは「じぶん観察力」とします。

 システム開発の現場にありがちなシーンで、じぶん観察力を発揮している例を挙げてみます。

システムに不具合が発生したとき、慌てている自分に気付き、「よし、ここはちょっと落ち着こう」と、自分に声を掛けられる

トラブルの原因が自分ではないのに上司から叱られたとき、「今、私はイライラしているな」「ここは落ち着いた方がいいな」と、「感情的な自分」を「冷静な自分」が観察できる

「そもそも、何のためにこのシステムを開発するのか?」「この仕事をする目的や意味は何か?」など、物事の「目的」や「意味」を考えられる

ユーザーとの打ち合わせで、全体の時間配分を考えながら議事を進行できる。参加者を観察して、発言していない人やしたそうにしている人に気付き、声を掛けたり、発言を促したりできる

ユーザーとの意見が折り合わないとき、「自分はこう考えているけれど、相手はどう考えているのだろう?」と、自分と相手を客観的に俯瞰して捉えたり、「自分はこれが正しいと思っているけれど、なぜこれが正しいと思っているのだろう?」のように、自分の考えを深堀りしたりできる

システムの概要をユーザーに説明するとき、頭の中にあるアイデアや意見を、図やチャートなど一目で分かる形で表現し、分かりやすく伝えられる

自分が「やりたいこと/やりたくないこと」「できること/できないこと」「知っていること/知らないこと」が分かっている

自分の思考や感覚に意識を向けて、「本心」を探ることができる

 これらは、「自身の思考や感情、行動を客観的に観察し、認識する能力」です。このような「じぶん観察力」があると、自身が置かれている状態が客観的に分かるので、「今、感情的になり始めているな」と気付き、早いタイミングで感情コントロールに取り掛かれます。

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