バーコード作成/モバイルデバイス対応もカンタン! さらに高度な機能まで、Forguncy 3の充実機能を見てみよう特集: Forguncy 3新機能解説(6/6 ページ)

» 2017年07月07日 05時00分 公開
[かわさきしんじInsider.NET編集部]
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ODataパス生成ツール

 ODataパス生成ツールを利用するには、[数式]タブにある[OData生成ツール]ボタンをクリックする。すると、以下に示す[OData生成ツール]ダイアログが表示されるので、どのテーブルを対象に、どんなクエリを実行して、どんなデータを取得するかを指定していく。

[OData生成ツール]ダイアログ [OData生成ツール]ダイアログ

 例えば、「photosテーブルから、指定したファイル名のIDを取得する」ことを考えてみる。この場合は[対象テーブル]に[photos]を、その下の[選択]タブでは[ID]のチェックボックスのみをオンにする。そして、[クエリー]タブで[新しい条件]ボタンをクリックして検索内容を指定する(ここではfilename列が「miyajima.jpg」かどうかを指定した)。

対象テーブルと取得データを指定して[クエリー]タブを選択
対象テーブルと取得データを指定して[クエリー]タブを選択
クエリを入力
クエリを入力

[OData生成ツール]でクエリを組み立てる


 このような操作を行っていくと、一番上のテキストボックスのODataパスにその内容が表示される。この場合は「"photos?$select=ID&$filter=filename eq 'miyajima.jpg'"」のようになる。ここではJavaScriptコードからこれを利用するので、最後に[コピー]ボタンをクリックして、これをコピーしておく。これがgetTableDataByODataメソッドの第1引数の値となるが、実際には任意の画像ファイル名と比較を行いたいので、少し手直しする必要がある。よって、実際にコードは次のようになる。先ほどの構文を実際のJavaScriptコードにある程度落とし込んだものだ(JavaScriptのテンプレート文字列を使用)。

function setBackgroundImage(img) {
  $('.myimage').css(
    …… 省略 ……
  );
  Forguncy.getTableDataByOData(
    `photos?$select=ID&$filter=filename eq '${img}'`,
    data => { 
      const id = data[0].ID;
      imgid.setValue(id);
      filename.setValue(img);
    },
    err => console.log(err)
  );
}

背景画像を設定する関数の処理内容

 setBackgroundImage関数は画像ファイルの名前を引数に取るようにして、そのファイル名を利用するように先ほどのODataパスを修正している。問い合わせが成功したら、カスタムJavaScriptファイルの先頭で取得しておいた、セルimgidとセルfilenameにIDとファイル名を設定しているだけだ。

 同様にして、ODataパス生成ツールを利用して、作成したもう1つのshowNextImage関数の内容は次のようになる。ODataパスが先ほどと少し違う形式なのは[OData生成ツール]ダイアログで[値のみの取得(非JSON形式)]を利用しているためだ。

function showNextImage() {
  const id = imgid.getValue() % 3 + 1;
  Forguncy.getTableDataByOData(
    `photos(${id})/filename/$value`,
    data => setBackgroundImage(data),
    err => console.log(err)
  );
}

showNextImage関数の処理内容

 最終的なカスタムJavaScriptファイル(customjs.jsファイル)の内容は次のようになる。cssメソッドによる画像ファイルの設定コードは既に見たようにbackground-imageプロパティに「Resources/UserFile」付きでファイル名を指定するだけである。

const imgid = Forguncy.Page.getCell('imgid');
const filename = Forguncy.Page.getCell('filename');

function setBackgroundImage(img) {
  $('.myimage').css(
    'background-image',
    'url("Resources/UserFile/' + img + '")'
  );
  Forguncy.getTableDataByOData(
    `photos?$select=ID&$filter=filename eq '${img}'`,
    data => { 
      const id = data[0].ID;
      imgid.setValue(id);
      filename.setValue(img);
    },
    err => console.log(err)
  );
}

function showNextImage() {
  const id = imgid.getValue() % 3 + 1;
  Forguncy.getTableDataByOData(
    `photos(${id})/filename/$value`,
    data => setBackgroundImage(data),
    err => console.log(err)
  );
}

最終的なカスタムJavaScriptコードの内容

 後は[miyajima]ボタン、[carp]ボタン、[penguin]ボタンで実行するJavaScriptコードと、[next]ボタンで実行するJavaScriptコードを[セル型]ペーンの[コマンド]リンクから以下のように設定する。

// [miyajima]ボタンがクリックされたときに実行するコード
// [carp]ボタンと[penguin]ボタンも同様なのでコードは省略
setBackgroundImage('miyajima.jpg');

// [next]ボタンがクリックされたときに実行するコード
showNextImage();

ボタンクリックで実行されるコードの設定

 以上の設定を行い、アプリを実行すると、次のようにボタンクリックに応じて、対応する画像が表示されるようになる。

実行結果 実行結果

 ODataパス(ODataパラメーター)の組み立て方についてはForguncyのドキュメントでも詳しく解説されているが、これを手作業で作るのは面倒くさい。そこで、ODataパス生成ツールが提供されたのはうれしいことだといえる。


 本稿では、Forguncy 3の新機能としてバーコード生成機能、モバイルページとモバイルシミュレーター、リストビューの自動結合機能、名前の管理機能、CSSリソースファイルの登録、ODataパス生成ツールを紹介した。だが、Forguncy 3には他にもさまざまな機能が追加されている。Forguncy 3をフルに活用したいという方は「更新履歴」ページをよく見て、「これは!」という機能があったらヘルプページでキーワードを検索して、その概要をつかみ、手を動かして、それがどのように機能するかを試してみよう。

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