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» 2017年08月09日 05時00分 公開

ユーザーが“自ら”アプリを改善するべき理由:「使われ続ける社内システム」ってなに? 四苦八苦アプリ改善の先にあるものとは (2/3)

[唐沢正和,ヒューマン・データ・ラボラトリ]

情報の統合でマーケティングを加速:リノべる

 リノべるは、不動産会社と施工会社、設計会社との連携体制によって、中古住宅のリノベーションプラットフォーム事業を展開している。現在、全国に21店舗を構え、2015年度は年間で400件のリノベーションマッチングを達成。そして、将来に向けた大きな目標として、2025年度に「年間1万件のマッチング」を掲げている。

リノべる 取締役CMOの渡会雄一氏

 「これは、非常に高い目標であり、実現するためには、ITを駆使した業務改革が不可欠だ。またテレビでCMを大々的に打つことも難しいので、データを活用して、いかに効率的に市場を開拓していくかが求められる」と語るのは、リノべる 取締役CMO(最高マーケティング責任者)の渡会雄一氏。

 この取り組みの重要なキーポイントに位置付けられたのが、顧客管理システムの刷新だった。リノべるのサービスフローは、Web訪問から来場予約、物件探し、設計、施工、引き渡し、サポートまで約6カ月間のリードタイムで展開している。このプロセスの中で、さまざまな顧客情報が取得される。「だが従来の顧客管理システムでは、部門間での情報のやりとりが多い上に、それぞれで別システムが使われていたため、正確な情報が伝達されないケースも少なくなかった」

サービスのプロセスが約6カ月と長かった。また部門間の情報のやりとりが多かった。

 そこで新たな顧客管理システムを自社開発とkintoneの2つで検討した結果、kintoneが最も条件にマッチすると判断し、導入を決定。「自社開発の場合、完成するまでに約7カ月必要だった。それに比べてkintoneは、開発期間が短くて済むことが分かり採用した」

 顧客管理システムの開発ポイントは、「営業案件データベース(DB)」を中心に、Web訪問から引き渡しまでの間、一気通貫でのデータ管理を実現したことだ。「今まで、マーケティング部門はGoogleスプレッドシート、営業部門は既存のCRMツール、設計部門はExcelと、それぞれ別々のシステムで顧客情報を入力していた。それが顧客システムへの入力1回で全ての情報を共有できるようになった」

 また業務の効率化を図るために、顧客管理システムとさまざまなアプリを連携したという。「顧客管理システムとMA(Marketing Automation)ツールをAPI連携することで、顧客情報とWebアクセス情報を合わせたセグメントを、3分程度で作れるようになり広告施策を打ちやすくなった」

 さらに顧客管理システムとBIツールを連携することで、リアルタイムのレポートを見られるようになったという。「以前は、情報をcsv形式で吐き出して、足りないところを電話で確認しながらレポートを作成していた。そのため、レポートの作成がマーケティング部門の仕事になっていた。現在は、BIツールでリアルタイムな状況を見られるようになって、レポート作成も容易になり、施策のPDCAサイクルも回しやすくなった」

 顧客管理システムの活用だけではなく、入力にも工夫を凝らした。システムへの入力方法を変更すると、ユーザーになかなか新しい入力方法が浸透しない。その問題を解決するため、部署ごとに慣れているインタフェースで入力用のアプリを作成したという。「設計部門は、使い慣れているExcelの入力形式を使い続けたいと強い要望があった。そのため、Excelライクなインタフェースの入力用アプリを作成した。現在は問題なく使ってもらっている」

 最後に渡会氏は、顧客管理システムの統合が「『社員全員が同じ数字を基に議論できる』『入力工数を削減し、本業に集中できる』『顧客データを武器としてマーケティングに活用できる』という3つの業務改革に結び付いた」と強調した。

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