【Oracle Database 12c対応】アラートログファイルの出力内容を正しく理解するOracleサポート出張所(2)(4/4 ページ)

» 2017年07月13日 05時00分 公開
[大野高志株式会社アシスト]
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photo 図4 Oracle Database 12cの起動時に出力されるアラートログの例(14)〜(15)

(14)データベースのオープンを完了

 データファイル、REDOログファイルに正常にアクセスでき、SCNの整合性が確認できたら、データベースのオープンが正常に完了したことを示す「Completed: ALTER DATABASE OPEN」が出力されます。

 つまり、この出力を確認できれば、正常にデータベースが起動できたことになります。

(15)適用済みパッチの情報

 Oracle Database 12c(12.1.0.1)以降のアラートログには、「opatch lsinventory」コマンドを実行せずとも、ORACLE_HOMEへ適用済みである個別パッチの情報が出力されるようになりました。

 ちなみに、何も適用されていない場合には「No patches have been applied」と出力されます。

トラブル時には、正常時の内容と見比べて原因の特定を効率化する

 アラートログファイルの把握と比較はトラブルシューティングの基本です。どんな情報がどのように出力されるのか。トラブル発生時には正常時の出力内容と見比べることで、原因の特定を迅速化できます。

 例えば、(12)のALTER DATABASE OPEN後にエラーが発生していたならば、「データファイルの破損」や「データファイル間のSCNの整合性が取られていない」が推測できます。調査する箇所をデータファイルに絞れるわけですね。

 なお、エラー調査を行う場合には、サーバOS、Oracle Databaseのバージョンやエディション、パッチの適用状況なども考慮する必要があります。Oracle Databaseは、(15)のようにバージョンが上がるたびにアラートログファイルに出力される情報が追加されています。こういった情報も、トラブルシューティングの効率化に役立てたいところです。

 次回は、サポートセンターに質問をいただくことが多い「アラートログファイルの“何”を監視すればいいのか?」を解説します。

筆者紹介

大野高志(おおのたかし)

株式会社アシスト サービス事業部 サポートセンター。2007年にアシスト入社後、Oracle Databaseのサポート業務に従事。2017年現在はサポート業務の傍ら、顧客の未解決トラブルを1つでも多く減らせるよう、サポートセンターに蓄積されている調査のノウハウを社内外に伝える活動を行っている


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