ファシリテーター型リーダーの時代仕事が「つまんない」ままでいいの?(31)(3/3 ページ)

» 2017年07月19日 05時00分 公開
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「後方支援タイプ」のリーダーシップ

 ここで、実際の例をお話しましょう。

 私がプレイングマネジャーだったときの話です。部下のT君は、どちらかといえば物事をあまり自分で考えないタイプでした。

 「竹内さん、この設計書、チェックしてもらっていいですか?」と頻繁に設計書を持って来るので、「先頭で引っ張る」スタイルでリーダーシップを実践していたときの私は、T君の設計書をチェックする仕事が増え、結構なストレスになっていました。

 そこで私は、T君との関わり方を変えることにしました。「1つ1つの仕事自体の責任を持つのはT君であり、私ではない」ことを意識し(チームの運営や業績に、最終的に責任を持つのは私ですが)、「T君にとって、この設計書は100満点中何点の出来?」「他に改善点があるとしたら、どこにあるかな?」と問い掛け、T君が物事を“自分で”考えるような関わり方に変えました。すると、T君は次第に自分で考えるようになり、私が設計書をチェックする時間も減りました。

 このように、関わり方を「後方から支援する」スタイルに変えることで、リーダーを務めることに対する抵抗感が小さくなり、「人を育てるのも楽しいじゃないか」と思うようになりました。

個性に合ったリーダーシップを取ろう

 リーダーになりたてのプレイングマネジャーは、今までの仕事に追加してマネジメントの仕事が増えて、いろいろな不安や焦りがあると思います。それを全部1人でやろうとすると大変です。

 また、人には得手不得手があります。私のように「先頭で引っ張る」のが苦手なタイプもいるでしょう。

 もし、あなたが、「後方から支援する」のが得意なタイプなら、個性に合ったリーダーシップを取ることを心掛けてみてください。そうすれば、リーダーの仕事に対する苦手意識や心のストレスを軽減できるでしょう。

心配しなくても大丈夫だよ、しごつまクン

今回のワーク

 静かな場所に行って、コーヒーでも飲みながら、紙とペンを取り出して考えてみてください。

  1. あなたは「先頭で引っ張る」のが好きなタイプですか? それとも、「後方から支援する」のが好きなタイプですか? これまでのご自身を振り返り、自分がどちらのタイプかを分析してください
  2. もし「後方から支援する」のが好きなタイプなら、1人で頑張ろうとせずに、「先頭に立つのは苦手」だと認めてしまいましょう。ファシリテーションの方法は、リーダーの仕事を楽しく進める上で役立つはずです

筆者プロフィール

竹内義晴

しごとのみらい理事長 竹内義晴

「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。

著書「感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。(すばる舎)」「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。


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