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マイカーを「コネクテッドカー」化、GMOクラウドが“予防整備”を実現するカーIoT製品「LINKDrive」を発売クラウドから「プロの車両診断」が受けられる

GMOクラウドがカー製品分野に参入。マイカーを「コネクテッドカー」にするIoTソリューション「LINKDrive byGMO」と自動車整備店向け製品「LINKPit byGMO」を2017年9月に発売する。車両状態を遠隔診断し、不調を未然に防ぐ「予防整備」などを実現するという。

» 2017年07月28日 17時50分 公開
[中尾太貴@IT]

 GMOクラウドは2017年7月26日、マイカーを「コネクテッドカー」にする自動車向けIoT(Internet of Things)製品「LINKDrive byGMO(以下、LINKDrive)」と自動車整備店向け製品「LINKPit byGMO(以下、LINKPit)」を発表。2017年9月に販売を開始する。

 LINKDriveは、自動車の所有者向け製品。車両につなぐ「車載コネクタ」とスマートフォンアプリで構成される。車載コネクタは、2008年10月以降の普通乗用車、小型乗用車、軽乗用車全般に搭載される自己診断機能「OBD2(On Board Diagnosis second generation)」用端子経由で、スマートフォンとはBluetoothで接続する。OBD2経由で得られた車両情報をスマートフォン経由でクラウドへ送信する仕組み。送信したデータを「車両診断」や「予防整備」に役立てる。

 スマートフォンアプリでは、送信データを基に解析された車両情報を確認できる。例えば、オイルを交換したことをアプリに登録。走行距離と交換目安のロジックを照らし合わせ、汚れ具合や交換時期を確認できる。その他、バッテリーの劣化具合といったトラブルにつながる車両の情報や運転分析、位置把握などの機能も備えている。

右:車載コネクタ、左:専用アプリケーションの様子

 もう1つのLINKPitは、自動車整備事業者向けの製品となる。スキャンツール「LINKPitデバイス」とタブレット向けアプリで構成される。LINKDriveと同様にOBD2に接続し、整備する車両の情報をアプリで確認できる。LINKPitは2017年7月時点で、国産車9メーカー、輸入車5メーカーの約4000車種をカバーし、それぞれの故障コードや車両データを確認可能。新たな対応車種の情報もインターネット経由で随時更新される。

右:LINKPitデバイス、左:専用アプリケーションの様子
GMOクラウド ソリューション事業部 IoT事業開発担当の曹時栄氏

 「LINKPitの一番の特徴は、カーオーナーのLINKDriveと連携することで、自動車を『遠隔診断』できること」と話すのはGMOクラウド ソリューション事業部 IoT事業開発担当の曹時栄氏だ。

 LINKDriveを使っているカーオーナーは、専用アプリからLINKPitを導入している自動車整備店舗を登録できる。店も登録されたクラウド上の情報を参照し、車両の状態を確認できる。オーナーから依頼があれば「遠隔診断」も可能。店舗へ訪れなくても約700項目の故障コードや車両の状態を確認できる。

 「カーオーナーは、時間や場所を取られることなく、自動車を診断してもらえるので安心して、運転できる。一方で自動車整備店舗は、そのデータを基にお客さまに対して最適なタイミングでオイル交換や不具合の予兆などをお知らせすることが可能だ」(曹氏)

LINKDriveとLINKPitの連携の様子(出典:GMOクラウド)

 LINKDriveは、2017年7月26日からLINKDriveを販売する「販売パートナー」からの先行申し込み受け付けを開始した。価格は、販売パートナーからは5000円(税別、以下同)、ECサイトからは6000円。車検や自動車整備のときにサービスとして提供しやすくするため、販売パートナーの価格を安く設定しているという。アプリは無償で公開する。

 LINKPitは、初期費用が5万円、利用料は1万5000円/月。ジョイカルジャパンが総販売代理店となり、2017年7月26日から先行申し込み受け付けを開始した。

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