連載
» 2017年11月02日 05時00分 公開

中古PC活用:Windows PCにPIXEL(Raspberry Pi OS) for PCをインストールしてみよう (3/3)

[小林章彦,デジタルアドバンテージ]
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最新版にアップデートする

 PIXELが起動したら、ネットワークの接続を確認しよう。[メニュー]バーの右側の方にある[ネットワーク]アイコンに赤いバツが付いていたら、ネットワークへ接続できていない。

 ノートPCにインストールした場合は、[ネットワーク]アイコンをクリックして、メニューから[Turn Off Wi-Fi]と[Turn On Wi-Fi]を繰り返すと、SSIDが表示されるので、接続先のSSIDを選択して、パスワードを入力する。機種によっては、接続が完了するまで時間がかかるようだ。

 ネットワークの接続が完了したら、PIXELをアップデートするため、以下のコマンドを順番に実行する。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get upgrade

アップデートするためのコマンド
apt-get updateはパッケージ情報の更新、apt-get upgradeが実際の更新パッケージのインストールを行う。sudoは、ルート権限で実行するためのコマンドである。

sudo apt-get updateを実行した[端末]画面 sudo apt-get updateを実行した[端末]画面
実際には、このあとsudo apt-get upgradeを実行する。

日本語化と各種初期設定をしよう

PIXELの日本語化

 PIXELは、デフォルトでは全て英語表示になっている。これを日本語表示に変更しよう。

 [メニュー]バー左端にある[Raspberry Pi]アイコンをクリックし、表示されたメインメニューから[Preferences]−[Raspberry Pi Configuration]を選択する。[Raspberry Pi Configuration]ダイアログが表示されるので、ここの[Localisation]タブを開き、[Set Locale]ボタンをクリックする。開いた[Locale]ダイアログの「Language」で「ja(Japanese)」を「Character Set」で「UTF-8」を選択して[OK]ボタンをクリックする。

[Raspberry Pi Configuration]の[Localisation]タブを開く [Raspberry Pi Configuration]の[Localisation]タブを開く
[Raspberry Pi]アイコンをクリックし、メインメニューから[Preferences]−[Raspberry Pi Configuration]を選択する。[Raspberry Pi Configuration]ダイアログが表示されるので、ここの[Localisation]タブを開く。

ロケールを変更する ロケールを変更する
[Localisation]タブの[Set Locale]ボタンをクリックする。開いた[Locale]ダイアログの「Language」で「ja (Japanese)」を「Character Set」で「UTF-8」を選択する。

 同様に、[Set Timezone]で「Japan」を、[Set Keyboard]で接続しているキーボード(日本語キーボードならば「Country」で「Japan」、「Variant」で「Japanese(OADG 109A)」)を選択する。また、無線LANを利用するのであれば、「Set WiFi Country]で「JP Japan」を選んでおく。[Raspberry Pi Configuration]ダイアログの[OK]ボタンをクリックすると、再起動が要求されるので、[Yes]ボタンをクリックして再起動を行う。

キーボードのレイアウトを選択する キーボードのレイアウトを選択する
[Localisation]タブの[Set Keyboard]ボタンをクリックする。開いた[Keyboard Layout]ダイアログの「Country」で「Japan」、「Variant」で「Japanese(OADG 109A)」を選択する。

再起動を行う 再起動を行う
ロケールやキーボードなどを設定後、[Raspberry Pi Configuration]ダイアログの[OK]ボタンをクリックする。再起動が要求されるので、[Yes]ボタンをクリックして再起動を行う。

 再起動後、PIXELの表示が日本語に変わっているはずだ。

 キーボードも、キートップの表示に合ったものが入力されるはずだが、PCによっては「Set Keyboard」で設定しても、英語キーボードから設定が変わらないことがあるようだ。このような場合、ターミナルを起動して以下のコマンドを実行するとよい。

$ setxkbmap -layout jp

コマンドでキーレイアウトを日本語に変更する

各種初期設定を行う

 PIXELでは、初期パスワードとして「raspberry」が設定されている。このままではセキュリティ上、問題があるので、パスワードを変更しておこう。

 [メニュー]バーにある[Raspberry Pi]アイコンをクリックし、メインメニューから[設定]−[Raspberry Piの設定]を選択する。[Raspberry Piの設定]ダイアログが開くので、[システム]タブを開き、[パスワードを変更]ボタンをクリックする。[パスワードの変更]ダイアログの「Current password」に「raspberry」と入力し、「新しいパスワードの入力」「新しいパスワードの再入力」に新しいパスワードを入力するとパスワードを変更できる。

パスワードを変更する パスワードを変更する
[Raspberry Piの設定]ダイアログの[システム]タブを開き、[パスワードを変更]ボタンをクリックする。[パスワードの変更]ダイアログの「Current password」に「raspberry」と入力し、「新しいパスワードの入力」「新しいパスワードの再入力」に新しいパスワードを入力するとパスワードが変更できる。

 コンピュータ名も同様にして、「Hostname」に新しい名前を入力すればよい。

Chrominumの日本語化

 PIXELに標準インストールされているWebブラウザの「Chromium(Google Chromeのオープンソース版)」も、デフォルトではメニューなどが英語表示となっている。閲覧するWebページは、日本語表示が可能だが、やはり設定項目などが英語表示だと分かりにくいので、これも日本語化しておこう。

 メインメニューの[設定]−[Add / Remove Software]を選択する。[Add / Remove Software]ダイアログの入力ボックスに「Chromium」と入力して[Enter]キーを押し、パッケージの検索を行う。「web browser - language packs(パッケージ名は『chromium-l10n-<バージョン番号>』)」を見つけてチェックを入れ、[Apply]ボタンをクリックする。[Authentication]ダイアログが表示されるので、パスワード(デフォルトは「raspberry」。前述の設定でパスワードを変更していた場合はそのパスワード)を入力すると、言語パックのダウンロードとインストールが行われる。

 これでChromiumの日本語言語パックがインストールされ、Chromiumブラウザのメニューや設定などが日本語表示に変わるはずだ。

[Add / Remove Software]ダイアログの画面 [Add / Remove Software]ダイアログの画面
[Add / Remove Software]ダイアログの入力ボックスに「Chromium」と入力して[Enter]キーを押す。パッケージの検索を行い、「ウェブブラウザ」の上に「ウェブブラウザ-言語パック(パッケージ名は『chromium-l10n-<バージョン番号>』)」を見つけて、チェックを入れる。

[Authentication]ダイアログの画面 [Authentication]ダイアログの画面
[Apply]ボタンをクリックすると、[Authentication]ダイアログが表示されるので、パスワードを入力する。

日本語化したChromiumブラウザ 日本語化したChromiumブラウザ
メニューなどが日本語表示になる。

 なおデフォルトの検索エンジンは「DuckDuckGo」となっているので、アドレスバー右側の[設定]アイコンをクリックし、メニューで[設定]を選択、[設定]ページの「検索」を「DuckDuckGo」から「Google」に変更すればよい。これでデフォルトの検索エンジンが「Google」になる。

検索エンジンを変更する 検索エンジンを変更する
Chromiumの[設定]ページを開き、「検索」を「DuckDuckGo」から「Google」に変更すればよい。

Mozcのインストール

 日本語入力システムのインストールも必要になるだろう。PIXELで使える日本語入力システムには、「Anthy(アンシー)」「Wnn(ウンヌ)」「Mozc(モズク)」などがある。Windows OS版なども提供されているGoogle日本語入力システムのオープンソース版である「Mozc(モズク)」をインストールするのがよいだろう。

 [Add / Remove Software]を使ってインストールすることも可能だが、ターミナルを起動し、以下のコマンドを順番に実行する方が簡単だ。

$ sudo apt-get install fcitx-mozc -y
$ im-config -n fcitx
$ sudo reboot

コマンドを使ったMozcのインストール

 「sudo apt-get install fcitx-mozc -y」でMozcをインストールし、「im-config -n fcitx」でインプットメソッドフレームワークのFcitx(ファイティクス)を有効化、「sudo reboot」で再起動する。

 デフォルトでは、[Ctrl]+[Space]キーまたは[半角/全角]キーで日本語入力の「オン」「オフ」が切り替えられる。これを変更するには、メインメニューの[設定]−[fcitx設定]を選択する。[入力メソッドの設定]ダイアログが開くので、「全体の設定」タブを選択して、「入力メソッドのオンオフ」で、[CtrlSpace]または[Zenkakuhankaku]の変更したいボタンをクリックして、日本語入力の「オン」「オフ」に使うキーを設定すればよい(両方変更してもよい)。[変換]キーや[カタカナひらがな]キーなどに設定しておくと便利だ。

 Mozcの設定は、Windows OS版のGoogle日本語入力システムと同じなので、共通の設定が可能だ。

Mozcを使った日本語入力 Mozcを使った日本語入力
Google日本語入力と同様、日本語の入力が可能になる。

Mozcのプロパティを開く Mozcのプロパティを開く
メニューバーの[mozc]アイコンを右クリックし、[Mozcツール]−[設定ツール]を選択する。[Mozcプロパティ]が開くので、ここでGoogle日本語入力と同様の設定を行えばいい。

LibreOfficeの日本語化

 PIXELには、OfficeスイーツとしてオープンソースのLibreOfficeが標準でインストールされている。ただ、標準状態ではメニューなどの表示が英語のままなので、これも日本語化するとよい。やはりターミナルを起動して、以下のコマンドを実行する。

$ sudo apt-get install libreoffice-help-ja

コマンドを使ってLibreOfficeを日本語化する

 これでメニューだけでなく、言語設定なども日本語に設定されるので、Mozcを使って日本語による文書や表計算、プレゼンテーションなどの作成が可能になる。ただし、PIXELの文字コードはUTF-8(もしくはEUC)になっているので、Windows OS(Sift-JIS)とやりとりする際には文字コードの変換が必要になる。

 例えば、Webブラウザの「Firefox」の場合、[ソフトウェア]アプリから簡単にインストールできる。具体的には、[ソフトウェア]アプリの「カテゴリ」で[インターネット]を選択し、「注目ソフト」にある「Firefox」をクリックして[Firefox]のページを開き、そこにある[インストール]ボタンをクリックすれば、[認証が要求されました]ダイアログでパスワードの入力を求められるので、ログインする際に入力するパスワードを入力すればよい。他のアプリケーションでも、[ソフトウェア]アプリにあるものであれば、同様に簡単にインストール可能だ。

日本語化したLibreOffice 日本語化したLibreOffice

Windows XP世代のモバイルPCも復活?

 さて、PIXELの使い勝手はどのようなものなのだろうか。

 2007年6月に発売された、富士通の「FMV-BIBLO LOOX U50WIN」にPIXELをインストールしてみた。このモバイルPCは、CPUにA110(800MHz)、メモリ1GB、ディスク30GBという仕様だ。Windows XPが搭載されていたが、ご存じの通り、Windows XPはサポートが終了しており、セキュリティ更新プログラムの提供もなくなっている。Google Chromeもサポート切れで、インストールできない。

富士通のモバイルPC「FMV-BIBLO LOOX U50WIN」 富士通のモバイルPC「FMV-BIBLO LOOX U50WIN」

 当然ながらこの状態では使いみちがないので、PIXELをインストールして復活させてみた。

 インストールや設定は、上述の方法で順番に行った。PIXELの更新やMozcのインストールは若干時間がかかった。また、テキストエディタの起動やMozcによる日本語入力にはそれほどストレスを感じないものの、ChromiumやLibreOfficeの起動は少々待たされるという感じだ。ただ、これはWindows XPのときもInternet ExplorerやOfficeの起動には時間がかかったので、それに比べれば十分快適になっている。

 またGoogle Chromeとの同期や各種拡張機能が利用できるので、Google Chromeを活用している人は移行も容易だろう。ただ、Chromeリモートデスクトップは残念ながら実行に必要なモジュールが提供されていないようで、拡張機能はインストールできるものの、リモートデスクトップ接続は行えなかった。

 なお日本IBMの「ThinkPad X200s(Windows Vista世代)」やパナソニックの「Let's note CF-RZ4(Windows 8世代)」でも試したが、こちらは「FMV-BIBLO LOOX U50WIN」に比べてCPU性能が高いこともあり、十分に快適であった。「Let's note CF-RZ4」の場合、USBメモリを使った「Run with persistence」でも、PIXELの更新やアプリケーションの起動は少々遅いものの、実用的に使えるレベルと感じた。

 Windows XP世代以降のPCが余っているようならば、PIXELで復活を試みてはいかがだろうか。

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