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» 2018年01月24日 05時00分 公開

企業ユーザーに贈るWindows 10への乗り換え案内(16):さらに進化したWindows 10の企業向け展開――Sysprepを代替/補完する「プロビジョニングパッケージ」と「Windows AutoPilot」 (2/2)

[山市良,テクニカルライター]
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プロビジョニングパッケージの追加

 Windows構成デザイナーで作成したプロビジョニングパッケージは、Windows 10のインストールイメージ(Install.wimまたはカスタマイズ済みWIMイメージ)とともに配布して、Windows 10のセットアップを自動化したり、従来のSysprep済みイメージと組み合わせて、セットアップの自動化を補完したりすることができます。

 また、リムーバブルメディア(USBメモリまたはSDカード)にプロビジョニングパッケージを格納し、稼働中のWindows 10に対してオンラインで追加することで、Windows 10の各種設定を自動的に構成することも可能です(画面5)。

画面5 画面5 クリーンインストールしたWindows 10(この例はバージョン1511)にプロビジョニングパッケージを追加して、ドメイン参加設定など企業クライアントとして素早く構成できる

 この方法では、購入したプリインストールPCにプロビジョニングパッケージを読み込ませることで、プリインストールアプリを削除し、素早く企業向けに準備することも可能になります。

「このPCを初期状態に戻す」や「新たに開始」との組み合わせ

 継続的に更新されるWindows 10は、システムのフルバックアップは重要視されていません(現在は可能ですが、将来的にはサポートされなくなる可能性があります)。システムトラブルに対しては「このPCを初期状態に戻す(Reset this PC)」を使用して、ユーザーのデータとWindowsの設定、一部のOEMプリインストールアプリを維持しながら、現在のバージョンの初期ビルドに戻すことが可能です。

 それには、「設定」アプリの「更新とセキュリティ」の「回復」にある「このPCを初期状態に戻す」の「開始する」ボタンをクリックして、「個人用ファイルを保持する」と「すべてを削除する」の2つのオプションから選択します。

  Windows 8.1では設定とデータを保持する「PCのリフレッシュ」と、全てを削除して再インストールする「PCのリセット」という機能がありました。Windows 8.1でPCのリフレッシュやリセットを行うには、回復ドライブやWindowsのインストールメディアが必要でした。Windows 10からはこれらは不要になり、より簡単に実行できるようになっています(「C:\Windows\WinSxS」をインストールソースとして使用します)。なお、Windows 10の場合は、「個人用ファイルを保持する」と「すべて削除する」のどちらを選択した場合でも、Windows 10が再インストールされます。

 また、Windows 10 バージョン1703(Creators Update)からは、「Windows Defenderセキュリティセンター」から実行できる「新たに開始(Fresh Start)」オプションが利用できるようになりました。これは、ユーザーデータとWindowsの設定を維持しながら、Windows 10をクリーンインストールできるものです。「個人用ファイルを保持する」オプションとの違いは、他社マルウェア対策ソフトやプリインストールアプリが全て削除されることです(マルウェア対策ソフト代わりにWindows Defenderが有効になります)(画面6)。

画面6 画面6 Windows 10が備える簡単な回復機能。「新たに開始」オプションは、Windows 10 バージョン1703から利用可能

 Windows 10のこれらの回復機能は、解決できないトラブルを抱えたコンピュータの状態を、バックアップやインストールメディアなしでクリーンな状態に戻して解決しようとするものです。これにプロビジョニングパッケージを組み合わせれば、企業クライアントとしての設定も素早く回復できます。

Windows AutoPilotによるモバイルデバイス管理(MDM)からの構成の自動化

 Windows 10 バージョン1709(Fall Creators Update)からは、モバイルデバイス管理(MDM)を通じてWindows 10のコンピュータやデバイスの初期設定を自動化する「Windows AutoPilot」」機能がサポートされました。

 例えば、個人用のWindows 10コンピュータやデバイスを、BYOD(Bring Your Own Device:個人デバイスの業務利用)として利用するシナリオに素早く対応したり、プロビジョニングパッケージ利用シナリオの1つと同じように、Windows 10コンピュータやデバイスを回復する目的で使用したりすることができます。

 Windows AutoPilotを使用すると、Azure ADにデバイスを自動的に参加させ、Microsoft IntuneなどのMDMサービスにデバイスを登録し、Windows 10のOOBE(Out-Of-Box Experience:初期状態からのセットアップ)をカスタマイズすることができます。

 Windows AutoPilotを利用する方法は幾つかありますが、「ビジネス向けMicrosoft Store(Microsoft Store for Business、旧称:Windows Store for Business)」を使うのが簡単です(画面7)。ビジネス向けMicrosoft StoreのWindows AutoPilot以外の機能については、別の回で説明します。

画面7 画面7 ビジネス向けMicrosoft Storeを使用したMicrosoft AutoPilotの展開構成

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows Server 2016テクノロジ入門−完全版』(日経BP社)。


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