安全運転やナビに高い需要――IDC、コネクテッドビークル関連サービスの調査結果を発表事業者と個人でニーズに差も

IDC Japanは、常にネットワークにつながる「コネクテッドビークル」関連サービスについて、個人および事業者を対象に契約や利用の意向を分析した調査結果を発表した。同社によれば、安全運転支援やナビゲーションなどの有償サービスが最も人気を集めていることが分かった。

» 2018年02月26日 08時00分 公開
[@IT]

 IDC Japanは2018年2月22日、常にネットワークにつながる「コネクテッドビークル」関連サービスについて「国内の個人と事業者の契約、利用意向を分析した調査結果」を発表した。最も人気のある有償サービスは、個人および事業者に共通して「運転時の安全、安心支援サービス」だった。

 個人として同社の調査対象になったのは、家庭で所有する自動車を「月に数回以上運転」し、「コネクテッドビークルに興味があり、購入/利用を検討する」と回答した500人。

 複数のコネクテッドビークル関連サービスのうち「有償でも契約する」との回答率が個人で最も高かったのは走行環境や周辺状況、運転者の状態に応じた安全運転ガイダンスや、事故時の自動通報、ロードアシスタンスサービスなどを含む「運転時の安全、安心支援サービス(34.2%)」だった。

画像 個人ユーザーのコネクテッドビークル関連サービスの契約/利用意向(提供:IDC Japan)

 次いで、目的地までの渋滞や路上異常、アクセス制限地域などを回避する最適ルートのナビゲーションや、スムーズな信号機対応のための速度勧告といった「効率の良い移動を支援するサービス(27.2%)」「車両のリモート診断、通知サービス(22.4%)」が続いた。音楽やニュース、交通、天気、レストラン関連情報などを場所や搭乗者の興味に応じて提供する「インフォテイメントサービス」と答えた割合は14.0%だった。

 事業者を対象にした調査では、「運転時の安全、安心(26.2%)」と「効率の良い移動(22.4%)」に次いで、「車両、運行管理サービス(22.0%)」の回答率が高かった。また、乗務員が車で移動中または停車中に、PCやモバイル機器などをインターネットや社内ネットワークにつないで行う作業を支援する「仕事関連作業支援サービス(18.6%)の回答率は、同様に回答した個人の割合(11%)よりも高かった。

 多くの自動車メーカーやITサプライヤーは、コネクテッドビークル向けに、ビッグデータ分析やAI(人工知能)、セキュリティ管理といった技術要素を組み込んだサービスプラットフォームを構築。自動車からのデータなどを含むさまざまな情報を集約することで、得た知見を自社や外部のサービスに還元する収益モデルを作ろうとしている。

 IDC Japanでコミュニケーションズのリサーチマネージャーを務める敷田康氏は、「調査結果を踏まえると、自動車メーカーやITサプライヤーは、自社のサービスプラットフォームに、走行環境に応じた安全運転ガイダンスなど、安全面や安心面で付加価値化できる技術要素を組み込むことが収益上有効である。加えて、APIを外部に開示するなど多様なサービスプロバイダーの知見が生かされる施策を推進し、収益モデル実現の選択肢を広げることが重要だ」と述べている。

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