もっとユーザーの役に立ちたかった――元グローバルコンサルタントの転身キャリアアップも大切だけど

厳しい職場にあえて身を投じ、SAPのコンサルタントとして活躍していた河西法寿氏 は、ITの進化や自分が理想とする生き方とのギャップを感じて、新たなステージへの転職を決意した。「公」も「私」も充実させたい河西氏が選んだのは――。

» 2018年03月26日 10時00分 公開
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「成長欲駆動」で始まったキャリア

 アプリケーションの開発手法には、「テスト駆動開発」や「ビヘイビア駆動開発」、はたまたちょっとジョーク混じりの「締め切り駆動開発」に至るまで、さまざまなバリエーションがある。「リクルートテクノロジーズ」でプロジェクト推進業務に携わる河西法寿(かさいのりとし)氏の場合は、常に、自分を成長させるための「成長欲駆動」でキャリアを形成してきた。

 「経営システム工学科を卒業しましたが、この先プロのビジネスパーソンとして道を切り開くには、自分を大きく成長させる必要があると考えました」と振り返る河西氏。「大きく成長できる環境」を目指してコンサルティングファームとベンチャー企業を中心に就職活動を行い、大手コンサルティングファームに就職。SAP R/3を用いた基幹システムの開発プロジェクトに、主にインフラ周りで関わってきた。

 社会人としての第一歩は良くも悪くも狙い通りで、「もうとにかく大変でした」とのこと。

 1年目からいきなり数百人のコンサルタントが携わる大規模プロジェクトにアサインされ、体力的にも、精神的にも鍛えられた。

 忙しい合間を見ては新聞を読んだり、資格の勉強をしたりと、自分なりに努力した結果、ヘコみの1&2年目、仕事に慣れた3年目を経て、5年もたつころにはリーダーを任されるようになった。

 ITと業務に関する知識を身に付け、時にはこの道数十年といったベテランたちにもまれながら、最適な方法を顧客に提供する仕事は「とてもやりがいがありました」と振り返る。

重視したのは「どう生きていきたいか」

 ただ、そのころからIT業界は大きな転換期を迎えていた。中でも大きなインパクトだったのが「クラウドの登場」だ。

 高性能のサーバで大規模なシステムを動かす立場にいた河西氏にとって、伸縮自在なクラウドを活用し、ニーズや環境の変化に応じてスピーディーに展開するサービスは新鮮で魅力的だった。そこでまたもや「成長欲」が頭をもたげ始めた。

 「新技術が登場し、次々に新しいサービスが生まれていく中、自分はSAPという1つの領域に閉じているなという課題感がありました」

 また、経験を積み、役職が上がるにつれ、「自分がやりたいと思うこと」と「会社や顧客から自分に求められること」のギャップにも悩むようになった。

 「IT業界はこれから、顧客のやりたいことに合わせてITを組み合わせ、実現する『ビジネス駆動型』から、ITありきで新しいビジネスを実現する『IT駆動型』へと変化するのではないかと考えていました」

 他の選択肢を考えるようになったもう1つの大きな要因は、「ワークライフバランス」だ。

 結婚して2人のお子さんに恵まれ、さらに3人目が生まれることになったころ、河西氏が携わっていたプロジェクトはピークを迎えていた。「業務が立て込んだ時期だったので、ほとんど家のことができませんでした。父親として子育てにも深くかかわりたいと思っていたのですが、理想と現実に大きなギャップがありました」と同氏は振り返る。

 そこで河西氏は思い切って転職活動を開始した。

 「ずっとB2Bのビジネスをやっていたので、自分が消費者として使っているサービスを作る側に回れたら面白いだろうなと思い、そういったサービスを持っている企業を中心に転職活動しました」

 その中で特に魅力を感じていたのがリクルートグループだったという。前職のコンサルティング経験を通じて、自身のスキルには手応えを感じていただけに「次に働く場所は、どう生きていきたいか、自分の意志やライフプランにフォーカスした選択をしたいと考えました。そういう視点で見ると、リクルートはとても楽しそうで、ぜひ話を聞いてみたいと思いました」と言う。

 「自分が知っているサービスに関わりたいという理由に加え、さまざまなところでリクルートに関する記事を見て、端から見ても楽しそうなことをしていて、自分の意志で自由にやりたいことができるんじゃないかなと感じました。直接の知り合いがいたわけではありませんが、前職で元リクルートの人たちと一緒のプロジェクトで働いた経験があります。そのときに、パワーがみなぎっているポジティブな人たちだという印象を受けていました」

 このように、何よりリクルートの雰囲気に興味があったという理由から、リクルートホールディングス、キャリア、ライフスタイル、マーケティングパートナーズ、ジョブス……と、ほぼグループ全社にエントリーした河西氏。「今まで自分がインフラを専門にやっていたこともあり、ITを生かし、ITを軸にビジネスをドライブするいう発想で考えたい」という強い思いに合致するリクルートテクノロジーズを次の活躍の場に選んだ。

いきなり経験した「楽しくて大変なプロジェクト」

 こうして河西氏は、2016年10月にリクルートテクノロジーズに入社し、新たに開始する金融ビジネスに関わるシステム開発に参加することになった。「いきなり、とても楽しくて、とても大変なプロジェクトに関わることになりました」と同氏は笑う。

 「楽しい」というのは、新規にB2Cのビジネスを立ち上げるという、これまで自分が経験したことのないプロジェクトに携われたこと。「大変」というのは、2つの異なる文化、異なるやり方を持った部署が共同で1つのものを作ることにまつわるプロジェクト推進だった。

 河西氏が加わったのは大規模なプロジェクトで、顧客が利用するシステムや債権管理の仕組みを構築する部署と、ビッグデータで自動与信を行う仕組みを構築する部署が共同で開発を進めていた。また開発スタイルも、方やアジャイル、方やウオーターフォールと部署ごとにも違いが。仕事の進め方や成果物の考え方が異なるチームが協働して1つのプロジェクトを進めるのは並大抵のことではなかったという。

 そこに移行・運用関連のリーダーとして加わった河西氏だが、「力のある部署同士が一緒にやればまあそうなるかな、こういうの前にも見たことがあるな、という感じでした」と振り返る。というのも、新卒で投入されたプロジェクトで免疫ができていたからだ。

 最終的には1つのチームとして結束し、無事カットオーバーを迎えた。うまく落着したポイントは、「お互いの主張をきちんと話し、認めるところは認め、でも自分たちがプロジェクトの成功のために主張しなければいけないところは主張して、建設的なところを折り合わせていきました。それを粘り強く続けたから、最終的に他部門同士が1つのチームとしてゴールに向かっていけたと思います」という。

あらためて感じるリクルートの文化、自身も「これをやりたい」に挑戦中

 いきなり楽しく、大変なプロジェクトを経験し、河西氏はあらためて「上も下も関係なく、GMがいようが役員がいようが、皆が言いたいことをフラットに言う」というリクルートの文化を痛感した。

 「トップダウンで何かが決まるのではなく、全てがボトムアップなんです。よくリクルートに関する記事で『お前はどうしたいのかを常に聞かれる』というのを見掛けますが、それを実体験しています。いつもそれが求められていると感じます」

 そんな河西氏が今、「自分はこうしたい」と考えて取り組んでいるのが、新しいプロジェクトマネジメントの実現だ。実は昨年(2017年)、家族が東北に移住したのだ。河西氏は平日は東京で働き、週末に家族の元に帰る、という新しいパターンの生活を始めている。そこで思い付いたのが、「遠隔地でもプロジェクトマネジメントできないだろうか」ということだ。実際に上司にかけあって、計画書まで書いているという。

 もちろん、実現までには幾つもの調整しなくてはならない事柄があるが、「リクルートには『30点文化』っていうのがあるんです。いきなり完成版を作らずに、30点の時点で開示して、徐々に詰めていこうというものです。このやり方ならば大きな方針はぶれないので、いきなり100点のものを作って差し戻しが生じるより、効率的に物事が進められますね」という。

 また「僕がコンサルティングファームにいたからそう思うのかもしれませんが、リクルートグループには『論理だけじゃない』という文化も感じます。論理でつめると確かに安心感や納得感は得られるんですが、どうしてもスケールが小さく納まりがちです。でもリクルートは、論理だけでなく『何をやりたいのか』という『情理』も大切にするんです。本当に人を動かしたかったら、論理だけじゃなく、情に訴えるところも必要。そのバランスが重要ですよね」

 新規システムの対象拡大や全社IDマネジメントといった新たなプロジェクトに携わる傍ら、遠隔地からのプロジェクトマネジメント実現の可能性も探っている河西氏。転職後は前職時代に比べて時間に余裕ができたのと、お子さんがチェロを習い始めたのを機に、昔からやっていたピアノに加えてチェロの練習を始めたそうだ。お子さんと二重奏しながら、リモートワークでITを軸にした新しいサービス実現に取り組む日も、そう遠くないかもしれない。

写真:藤井絵理香

リクルート テクノロジーズ 採用ページ

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提供:株式会社リクルートテクノロジーズ
アイティメディア営業企画/制作:@IT自分戦略研究所 編集部/掲載内容有効期限:2018年4月25日

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