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» 2018年04月24日 05時00分 公開

ITエンジニア U&Iターンの理想と現実(40):福井編:東京生まれ東京育ちのめがね男子、鯖江でアジャイル開発しつつ都会と地方のいいとこどりを目指す (2/4)

[加山恵美,@IT]

平成:メンバーズエッジが「さとやまオフィス鯖江」を開設

 平成の今、鯖江市は企業誘致に積極的だ。2018年4月4日からはIT企業の「メンバーズエッジ」が鯖江市に「さとやまオフィス鯖江」を開設して、営業開始した。鯖江市が誘致した企業としては4社目となる。

 さとやまオフィス鯖江は、老舗旅館をリノベーションしたもの。歴史に根付いた味わいがほのかに残りつつ、建物内部にはセキュリティシステムやIT企業オフィスとして必要な設備が整備されている。

老舗旅館をリノベーションして開設したオフィス

 メンバーズエッジはWeb制作会社「メンバーズ」の子会社で、2017年に設立したばかり。アジャイル開発に特化したチーム型システム開発支援を主業務とする。「エンジニアが心豊かに働ける会社を作る」ことを目指しているのが特徴だ。

 東京勤務であれば「最先端技術を駆使したやりがいのある仕事」や「高い報酬」といった価値があり、地方勤務であれば「地域とのつながり」、通勤時間が短く「ゆとりある時間」「豊かな自然」などの価値がある。一般的にこれらはトレードオフになるが、両立させようとするのが同社のチャレンジだ。東京の仕事と報酬を、地方または在宅でもできるように進めている

 同社では目下、開発拠点となるオフィスを増やしている。これまで東京、仙台、北九州にオフィスがあり、ここに鯖江が加わった。同社には移住を促進するための制度として、移動距離(直線距離)に応じた「移住支援金」がある(最大50万円)。1メートルにつき1円。東京から鯖江市への移転なら32万円程度となる。行きだけではなく(移住を断念したときのために)戻りにも支援金を出すと定めている。

 仕事は顧客とメンバーズエッジのエンジニアがテレビ会議や情報共有ツールを駆使して進めていく。物理的には離れていながらも、常時席を並べて一緒に働く感覚だ。なおメンバーズエッジは、勤務地がどこであっても東京と同じ報酬を掲げている。

 リモートワークがデフォルトなので、オフィスは東京である必要はない。実際に同社では、東京オフィスよりも仙台オフィスや北九州オフィスの方が在籍エンジニア数が多い。代表取締役社長の塚本洋氏は「今後10年で日本の拠点を50に増やし、エンジニアは1000人に増やす」と意気込みを語る。今のところ社員は2017年4月設立時の19人から倍となる39人に増加した。2018年10月には、神戸に新しいオフィスを開設する。

メンバーズエッジ 代表取締役社長 塚本洋氏(鯖江のめがねを着用) 「東京で働くのと『変わらない』のではなく、東京で働く『より幸せ』を実現する」と意気込みを語る

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