「ネットワークはクラウドに近づく」、VMwareのアッペンツェラー氏が説明VeloCloudの今後は?

VMwareのクラウド&ネットワーキング担当CTO、グイド・アッペンツェラー氏は2018年5月17日、同社が5月1日(米国時間)に発表したネットワーキング/セキュリティの新ビジョン、「Virtual Cloud Network」について説明した。買収したVeloCloudのSD-WANソリューションとしての機能は、今後も維持、発展させていくという。

» 2018年05月18日 07時45分 公開
[三木泉@IT]

 VMwareのクラウド&ネットワーキング担当CTO、グイド・アッペンツェラー氏は2018年5月17日、同社が5月1日(米国時間)に発表したネットワーキング/セキュリティの新ビジョン、「Virtual Cloud Network」について説明した。

 VMwareが買収し、Virtual Cloud Networkの構成要素に加えたVeloCloud(新名称「VMware NSX SD-WAN by VeloCloud」、以下NSX SD-WAN)については、今後も開発チームの独立性を維持。そのSD-WANソリューションとしての機能は、今後も維持、発展させていく。理由は、支店やエッジの接続のために、ソフトウェアベースのネットワーキングをユーザー組織に導入してもらうには、アプリケーションベースのトラフィックステアリングなど、VeloCloudが備えるSD-WANソリューションならではの機能が必要だからだ。

 一方で、NSX SD-WANとVMware NSXの管理インタフェースおよびポリシー管理に関する統合を進める。

VMware クラウド&ネットワーキング担当CTO、グイド・アッペンツェラー氏

 VeloCloudのCPE/エンドポイント機能は、ハードウェアボックスあるいは仮想アプライアンスとして提供されてきた。だが、VMwareはハードウェアを売るつもりはない。「ハードウェアについてはデルをはじめとした他企業に任せる」とアッペンツェラー氏は話した。

 VMwwareはNSX SD-WANを、通信事業者などにOEM提供する一方、自社でもサービスとして提供する。

 「VMwareでは、全社的にサービスとしての製品提供比率を増やしている。NSX VeloCloudもこうした取り組みの1つになる」(アッペンツェラー氏)

 Virtual Cloud Networkでは、NSX SD-WANに加え、「VMware NSX Data Center」「VMware NSX Cloud」「VMware NSX Hybrid Connect」を接続技術として位置づけている。

 なお、NSX Data CenterはVMware ESXiに加えてKVM環境に導入できるNSX-Tが登場している。最近ではコンテナ環境に対応した。2018年中には、物理サーバも接続できるようになるという。

 また、既に仮想デスクトップ環境の「VMware Horizon」および端末管理の「VMware AirWatch」との統合が実現している。このため、企業は社内ユーザーやIoTデバイスを、NSX Data Centerによる仮想ネットワークに取り込み、セキュリティグループ設定によってきめ細かくセキュリティを制御できる。

 「ネットワークはクラウドに近づいていく」とアッペンツェラー氏は説明した。アプリケーションとデータは、今後ますます様々な場所に分散していく。ネットワークは必要な場所やリソース間を、機動的で柔軟、安全、かつスケールするようにつないでいかなければならないからだという。

 VMwareがネットワーク/セキュリティ関連製品をまとめ上げて「Virtual Cloud Network」という名称のビジョンを発表した理由はここにあるという。

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