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» 2018年05月23日 05時00分 公開

仕事が「つまんない」ままでいいの?(41):その成長は何のため?――「成長」に息苦しさやうっとうしさを感じたら (2/4)

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),@IT]

成長って嫌だな!

 この間「成長って何だろう?」と思うことがありました。

 それは、畑の草むしりをしていたときのことです(私は野菜を作っています)。春の日差しがとても気持ちの良い朝でした。太陽の光を全身に浴びると、暖かく、とにかく心地良い。私は雑草をむしりながら、ふと思いました。「あぁ! 最高に気持ちがいいなぁ。こういう生活が続けられたら毎日幸せだなぁ。もう何もいらないなぁ」――何だか、すごく満たされた気持ちになったのです。

 でも、やっているのは単なる草むしりです。そして次の瞬間、ふと思いました。「だけど、草むしりじゃ成長はできないか」と。するとどうでしょう。今まで感じていた幸福感は一瞬で冷め、焦りのような気持ちが湧いてきたのです。

 「今、私は確かに幸せを感じている。これさえあれば何もいらない。こんな毎日が続けばいいと思っている。でも、これは現状に満足しているだけで、成長はしない。これでいいのだろうか」

 「成長が大切っていうのも分かるけど、今、ここで感じているこの心地良さを感じたっていいじゃないか。成長って、そんなに大事か?」

 今を否定して焦らせる「成長」という言葉。何だか「嫌だな」と思いました。

成長を感じるのはいつ?

 私も、「成長したなぁ」としみじみと思ったことがあります。

 当時エンジニアだったのですが、威圧的なマネジメントを受けて、心が折れそうになっていました。毎日が憂鬱です。「あー、会社になんか行きたくない。こんな毎日はもう嫌だ!」

 そんな中、絶対にやりたくないと思っていた管理職を任されることになります。「自分すらうまくコントロールできないのに、他の人なんてまとめられるはずがない」――そう思っていました。

 でも、不満をぼやいていても、誰かが何かを変えてくれるわけではありません。そこで私は仕方なく、「これを乗り越えるためにはどうすればいいのか」を考え始めたのです。

 周りを見渡すと、私以外にもストレスを感じている同僚がいました。「もし、自分が管理職になるなら、こんな職場はイヤだ。同僚にも楽しく働いてもらいたい。でも、どうすればいいのか分からない。何から始めたらいいのだろう」と思っていろいろ調べてみました。どうやら「同僚との関わり方を勉強したら良いらしい」と思って始めたのが、コミュニケーションです。

 勉強したからといって、すぐに職場が変わったわけではありませんでした。けれども、勉強したことを実践し、関わり方を変えていくことによって、少しずつですが、「あっ、前よりも良くなったぞ」と思えることが出始めました。同僚にも笑顔が増え、職場が活発になってきました。

 このような日々を繰り返していたら、仕事に行くことが少しずつ苦痛ではなくなってきました。逆に、それまでは「管理職なんて絶対にやりたくない」と思っていましたが、「管理職も楽しいかも」と思えるようになっていたことに、ふと、気が付いたのです。

 「あっ! やったな。乗り越えたな」……しみじみ思いました。成長したなと思いました。

 この体験を通じて思いました。「成長しよう!」と思って取り組むというよりも、目の前の課題から逃げずに取り組んでいれば、自然と成長できるのではないかと。そして、課題を乗り越えたときに、しみじみと「あぁ、成長したなぁ」と感じるものなのではないかと。

 つまり、成長とは「結果論」だったのです。

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