堅調に成長する国内DLPと暗号化/鍵管理製品市場、2022年には合計222億円規模に――IDC Japanが予測改正個人情報保護法やマイナンバー法、GDPRで需要増

IDC Japanは、DLP(Data Loss Prevention)製品と暗号化/鍵管理製品の国内市場規模について、2018〜2022年の予測を発表した。DLPは、2017年の57億円から2022年は61億円に、暗号化/鍵管理は、同135億円から161億円に拡大すると予測する。

» 2018年05月25日 13時00分 公開
[@IT]

 IDC Japanは2018年5月23日、国内情報保護管理市場のうち、「DLP(Data Loss Prevention)製品」と「暗号化/鍵管理製品」について、2018〜2022年の予測を発表した。

 それによると、売上高を基にした国内DLP製品市場規模は、2017年が57億円。同社は2017〜2022年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)を1.4%と見込んでおり、2022年の市場規模は61億円に拡大すると予測する。これに対して国内暗号化/鍵管理製品市場の2017〜2022年のCAGRは3.5%で、市場規模は2017年の135億円から2022年には161億円に拡大するとみている。

国内情報保護管理市場 機能セグメント別 売上額予測、2015〜2022年

 こうした市場の堅調な成長要因の1つに、企業を取り巻くセキュリティ環境が一段と厳しさを増していることが挙げられる。例えば、2017年5月30日に全面施行された改正個人情報保護法やマイナンバー法、2018年5月25日に施行されるEU(欧州連合)の一般データ保護規則(GDPR:General Data Protection Regulation)などだ。さらに、標的型メール攻撃や脆弱(ぜいじゃく)性を狙ったサイバー攻撃による情報漏えいにも注意する必要がある。

 こうした背景から2018年以降は、GDPRに対応した情報漏えい対策や、パブリッククラウドの普及によるDLPとデータ暗号化ソリューションが市場をけん引するとIDC Japanでは予測する。

 さらに、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック/パラリンピックと大規模なイベントの開催が国内で続くため、標的型サイバー攻撃による情報漏えいリスクが高まる。この点でも同社は、DLPやデータ暗号化製品市場への需要が拡大するとみる。

 一方IDC Japanでは、クラウドの利用形態によっては利用者がセキュリティ対策について考慮する必要があると注意を促している。特に、PaaS(Platform as a Service)とIaaS(Infrastructure as a Service)ではユーザーがセキュリティ対策に関わらなければならない。

 IDC Japanのソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーを務める登坂恒夫氏は、「セキュリティ製品サプライヤーは、クラウドサービス提供事業者と協力して、ユーザーのデータ保護責任を明確化すべきだ。これによって、ユーザー側のパブリッククラウド環境に対するデータ保護責任の意識が高まり、クラウド型DLPや暗号化/鍵管理などのパブリッククラウド環境に対応する情報保護管理製品の導入が進展する」と述べている。

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