Azureとオンプレミスを同期する「Azureファイル同期(Azure File Sync)」サービスMicrosoft Azure最新機能フォローアップ(56)(2/2 ページ)

» 2018年07月30日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]
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Azureファイル同期サービスの利用を開始するためのステップ

 Azureファイル同期サービスは、簡単な手順でセットアップし、すぐに同期を開始することができます。具体的な手順は、以下のドキュメントで説明されています。

 セットアップの概略は次のようになります。

●ステップ1(Azureポータル)

 Azureファイル同期サービスが利用可能なリージョンに、ストレージアカウントを作成します。既に存在する場合はそれを利用できます。

●ステップ2(Azureポータル)

 ストレージアカウントでファイル共有を作成します。既に存在する場合はそれを利用できます。

●ステップ3(Azureポータル)

 Azure Marketplaceから「Azureファイル同期」を選択して、Azureファイル同期サービスをデプロイします(画面2)。

画面2 画面2 Azure Marketplaceから「Azureファイル同期」を選択して、サービスをデプロイする

●ステップ4(ファイルサーバ)

 Windows Server 2012 R2またはWindows Server 2016に「Storage Sync Agent」をインストールし、サーバをAzureファイル同期サービスに登録します(画面3)。なお、サーバを登録するには、事前にAzure PowerShellモジュールが利用可能になっている必要があります。

画面3 画面3 サーバに「Storage Sync Agent」をインストールし、Azureファイル同期サービスにサーバを登録する

●ステップ5(Azureポータル)

 「ストレージ同期サービス」ブレードを開き、「同期グループ」を新規作成して「同期グループ名」を入力し、ストレージアカウントとAzureファイル共有を選択して、クラウドエンドポイントを作成します。

●ステップ6(Azureポータル)

 「サーバーエンドポイントの追加」をクリックして、Azureファイル同期サービスに登録済みのサーバを選択し、サーバ側のディレクトリパスを入力し、サーバーエンドポイントを作成します(画面4)。オプションで「クラウドの階層化」を有効化できます。

画面4 画面4 同期グループを作成し、クラウドエンドポイントとサーバーエンドポイントを作成する

 以上の操作でAzureファイル同期サービスのセットアップが完了し、初期同期が開始します。同期が完了すると、オンプレミスのサーバの同期パスへのローカルアクセス、サーバの共有フォルダへのクライアントアクセスが可能になり、ファイルの読み書きが可能になります(画面5)。

画面5 画面5 Azureファイル共有の内容が、ファイルサーバの同期先パスに同期された

 オンプレミス側で作成、変更されたファイルやディレクトリはAzureストレージに同期されるので、Azureファイル共有へのSMB 3.xによるクライアントアクセスで読み書きでき、変更はオンプレミスのサーバ側に同期されます。

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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