三井農林がファナティックの「ハード入替サービス」を採用、ソフトウェアに手を加えずERPシステムを延命Windows Server 2008のサポート終了に向けて必要になった理由とは

ファナティックは、三井農林に「ハード入替サービス」を提供したと発表した。稼働しているソフトウェアに手を加えずに、ハードウェアのリプレースのみを行い、システムの延命を図ったという。

» 2018年08月24日 15時00分 公開
[@IT]

 ファナティックは2018年8月23日、同社の「ファナティック ハード入替サービス」(以下、ハード入替サービス)が、三井農林に採用されたと発表した。

 ハード入替サービスは、稼働しているソフトウェアに手を加えずに、ハードウェアのリプレースを実現するサービスだ。現行コンピュータのHDD上のイメージデータを取得し、再インストールや再設定なども行わずに、そのままファナティック製の新しいハードウェアへ移行する。

 移行方式は、物理環境から物理環境へ移行するP2P(Physical to Physical)、物理環境から仮想環境へ移行するP2V(Physical to Virtual)、仮想環境から仮想環境へ移行するV2V(Virtual to Virtual)、仮想環境から対象システムのみを物理環境へと移行するV2P(Virtual to Physical)をそろえる。

 三井農林はP2P方式を採用。もともと三井農林は、「Windows Server 2008」のサポートが終了する2020年1月に向けて、新しいERPシステムの開発を進めていたが、新ERPシステム稼働までの2年弱、現行のERPシステムを最小限のコストで利用する必要があった。だが、オンプレミス環境で約6年運用してきた現行ERPシステムが稼働するブレードサーバの保守契約終了が間近に迫っていた。

 そこで現行ERPシステムの移行先として、オンプレミスの仮想環境やパブリッククラウドを検討。だが、移行後の検証作業に時間がかかること、ライセンス体系が変わってしまうことがコスト面での課題となったことを受け、ハード入替サービスをP2P方式で採用した。この結果、クラウドに移行するP2C(Physical to Cloud)と比べ、約3分の1のコストで約2年後の新ERPシステム稼働まで現行システムを延命できた。

 ファナティックによると、ハード入れ替えサービスは、200社450台の採用実績があり、移行完了まで2カ月程度という早期の移行が可能だという。同社では、2020年1月の「Windows Server 2008」「Windows Server 2008 R2」のサポート終了を控え、「業務システムを使い続けたい」というニーズに応えていきたいとしている。

ファナティックのハード入替サービスにおける「P2P」方式の概要 ファナティックのハード入替サービスにおけるP2P方式のイメージ

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