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» 2018年10月18日 05時00分 公開

U&Iターンの理想と現実(51):徳島編:東京でそこそこだったエンジニアが、地元で輝きを取り戻した日 (2/3)

[坂東勇気(GTラボ),@IT]

僕の夜明けがやってきた

 僕は東京でなら、中の上くらいのエンジニアです。

 スキルはそこそこで、コーディングもインフラも企画もそこそこできる、フルスタック寄りエンジニアです。大体できるので、仕事は困らないし、趣味で立ち上げたサービスで稼げたり、イイねが付いたりもします。

 でも、ベンチャーやハッカソンにいるエンジニアたちに混じると、僕程度じゃ下っ端クラスです。活躍の場なんてありません。

 では、徳島ではどうでしょうか。

 良い会社には入れたけれど、それでも定年まで働けるかという不安は拭えません。社内ベンチャーでGTラボを立ち上げて東京から買った企画で広告やゲームのアプリを出しましたが、エンタメ分野で定年まで勝ち続ける自信も持てません。

 そんな時です。地元の異業種交流会的な飲み会で知り合った零細タクシー会社の社長が話しかけてきたのです。

 「地方のタクシー会社に絶対売れるシステムのアイデアがあるんですよ。でも開発会社に見積もりを取ったら高過ぎて……無理っすね」

 アイデアを聞いたら僕が前に作っていたシステムに似ていたので、思わず「それ、得意分野」と答えちゃいました。費用も開発会社の見積もりの20分の1もあれば作れます。

 そこからはとんとん拍子でした。

 共同出資で会社を設立! リリースした! 売った! 売れていく! 資金調達も業務提携も順調!!!――それがタクシー向けクラウドサービス「電脳交通」です。

地方特有の交通事情に特化した「電脳交通システム」

 それを見た零細ガラス会社の社長も話しかけてきました。

 「プラットフォームに搾取されてる下請けを助けるようなサービス作ったら、売れると思うっすわー」

 手数料無料一括見積もりサービス「ResQ」をリリースしました。

 他にも「自動車系工場とIoT的なプロダクト」「生活支援サービスとプラットフォーム」「求人系」など、異業種と組んだプロダクトをいろいろと企画中です。

 地方でITベンチャーが生まれないのは、地方の人がITに疎いのではなく、ニーズはあるけれど、フットワークの軽いエンジニアと出会えないからです。そこにゼロイチで“そこそこ”作れる僕が現れたので、重宝されているのです。

 東京なら、こんなふうに輝けなかっただろうな。

 ゆくゆくは、ユーザー企業を育ててエンジニアの雇用を増やし、自分が定年までコード書いてやっていける環境を整えるのが、今の夢です。

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