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» 2018年11月01日 05時00分 公開

ITエンジニア U&Iターンの理想と現実(53):マクロ編:「ワーケーション」で新しい働き方を切り開く、和歌山県の戦略 (2/3)

[豊田昌代(シビレ),@IT]

リゾート開発、古民家リノベ――和歌山で活躍するIT企業たち

 和歌山県は、米国の大手企業も取り入れている「ワーク+バケーション=ワーケーション」をキーワードに、すぐそこにリゾートがある環境で、休暇を取得しながら働くイメージ戦略を打ち立てています。白浜エリアをきっかけに、他エリアでの企業誘致も進めています。

 実際に、和歌山にオフィスを設立したIT企業を紹介しましょう。

地元の良さを知りつくし、好立地で開発をする「クオリティソフト」

 「クオリティソフト」は、エンドポイントセキュリティ対策およびIT資産管理のためのソフトウェアを開発、販売するIT企業です。

 2年前に本社を東京から白浜へ移転。企業の研修施設として使われていた建物をリノベーションした南紀白浜オフィスは、眼下に広がるオーシャンビューが圧巻です。

 同社は「エンジニアが新しいサービスやビジネスを生み出すには、心からリラックスできる環境が必要」と考え、積極的に地方の開発拠点を作っています。

 開発本部 本部長の瀬古氏は、東京近辺や米国で就業してきました。和歌山県出身の同氏がUターンした理由は、「満員電車に乗らずに出勤できること、仕事と遊びを両立できることの2点」とのことです。

 同社は海外展開にも力を入れ、2017年4月からドローンスクール事業を開始し、オリジナルドローンの開発にも取り組んでいます。

あえて“じゃない方”を選んだ「エンザントレイズ」

 「エンザントレイズ」は、PowerSystems IBM i(AS/400)の開発、オープンシステム(Webシステム、B2Cサイト)開発、VoIPコミュニケーション事業などを行う開発会社です。

 「ITで日本の地方都市を元気にすること」を目標に、宮崎県、愛媛県、高知県など、全国各地に拠点(サテライトオフィス)やニアショアブランチを設立し、地方の開発体制作りを目指しています。

 そのエンザントレイズが拠点に選んだのは、白浜ではなく「田辺市」、古民家をリノベーションしたインキュベーションオフィスです。

 「ハコを作ってから、働きたい人を作る」作戦で、近辺エリアをふくめた地元採用、首都圏からのIターン、いずれも歓迎しながら働く人を増やしています。

 リゾートではない立地、古民家を利用したオフィスは、他企業とも差別化した豊かな働き方を実現できそうです。

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