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» 2019年02月07日 05時00分 公開

教えて! キラキラお兄さん:ハードな職場を辞めてもいいですか? (2/3)

[竹内充彦,@IT]

理想と現実の乖離(かいり)に直面し……

 昨今、世間を騒がせている「教員の働き方改革」。田中さんが就職したのは、それらが話題になるもっと前。授業とは関係のない業務が多く、授業準備にかける時間がなかなか取れない、拘束時間が長いなど、その環境は想像していた以上にハードだったのだ。どうやら前任の担当者が辞めてしまった理由も、そこにあったようで、募集が少ない職種に空きが出たのには、それなりの理由があったというわけだ。

 田中さんは「このままフルタイムで勤務したのでは、プライベートの時間が全くとれない」と感じ、週の半分程度勤務する非常勤講師になろうと決意。とはいえ、無責任に放り出すわけにはいかないので、1年間きっちりと授業を行い、さらに翌年の授業計画や教材もそろえ、後任担当にスムーズに引き継げる体制を整えてから非常勤講師になった。1年ほどして後任が見つかり退職。

 その後1年半ほど、アイティメディアでアルバイトをして過ごす。このときの経験は、後の田中さんのキャリアに多少ならずとも影響を与えた。

 「@ITの記事をHTML化して、サイトにアップロードするという仕事をしていました。このとき、さまざまな分野で活躍するエンジニアの記事にも触れました」

 アルバイトは楽しかったが、再び教職に戻りたいという思いが強くなってくる。そこで、前回とは別の私立学校に再就職するが、以前と環境はそこまで変わらなかったそうだ。

 「もちろん労働環境が合わなかったということもあるのですが、半年間働いてみて、教えることが大好きで教育に興味はあっても、教師の働き方は自分のライフスタイルには合わないのではと気付きました」

 もっと、自分のやりたいことに思い切り打ち込みたいのに、それができないという歯がゆさは田中さんにキャリアチェンジを決意させた。それが教育系NPOでのCTOという、ユニークな道への第一歩だった。

 「そんなとき、以前、@ITでさまざまなIT関連記事に触れた際に、事業会社のエンジニアの活躍に憧れていたことを思い出し、エンジニアの道もありかな、と思いました」

「@ITの記事や、エンジニアライフの更新を担当していました」

未経験からエンジニアへ

 しかし、エンジニアを目指すといっても、田中さんには知識も経験もない。そこで、職業訓練校に通い、PHPやJavaScriptを学ぶことにした。

 「それまでHTMLのコーディングはやってきましたが、いずれも動かないページばかり。PHPとJavaScriptを使うとダイナミックなページが制作できることに感動しました」

 職業訓練校に通うようになってからは、Webアプリの開発にのめり込み、家に帰っても、毎日のようにコードを書いていたという。Linuxでサーバを立ち上げ、いわゆるLAMP環境を構築することもマスターした。

 それだけではない。改めて就職活動をするに当たり、人より出遅れた分を挽回すべく、スマホで写真を管理するWebベースのアプリを作り、自身のスキルレベルを知ってもらうための材料としたという。

 そして、3度目の就活を行った。

 「自社でサービスを展開している企業の他、SI企業なども受け、クラウドインテグレーションを手掛ける企業に入社しました」

 こうして念願のエンジニアとしてのキャリアを踏み出した田中さんだったが、実際の仕事は想定していたものとは少し違っていたようだ。

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