【 info 】コマンド――Infoフォーマットの文書を閲覧する(基礎編)Linux基本コマンドTips(279)

本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、Infoフォーマットの文書を閲覧する「info」コマンドです。

» 2019年02月07日 05時00分 公開
[西村めぐみ@IT]
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 本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、Infoフォーマットの文書を閲覧する「info」コマンドです。

infoコマンドとは?

 「info」はInfoフォーマットの文書を対話的に閲覧するコマンドです。

 今回は対象となる文章としてLinuxコマンドのリファレンスマニュアルを例に取り、操作方法を解説します。



infoコマンドの書式

info [オプション] [対象]

※[ ]は省略可能な引数を示しています。





infoの主なオプション

短いオプション 長いオプション 意味
-k --apropos=文字列 文字列を全ての索引(index)から探して一覧表示する
--index-search=文字列 Info文書中の指定した文字列(インデックスエントリー)の位置から表示する
--vi-keys viコマンドやlessコマンドに似たキー割り当てを使用する
-f ファイル名 --file=ファイル名 閲覧するInfo文書のファイル名を指定する
-d ディレクトリ --directory=ディレクトリ Info文書の検索対象ディレクトリ(INFOPATH)に指定したディレクトリを追加する

infoの主なキー操作

キー 操作内容
スペース, Page Down 次のページを表示する(1スクロール分進む)
DEL,バックスペース, Page Up 前のページを表示する(1スクロール分戻る)
n 同じ階層の次のノードを表示する(next)
p 同じ階層の前のノードを表示する(previous)
[ 同じファイルの前のノードを表示する
] 同じファイルの次のノードを表示する
b, Home 現在のノードの先頭へ
e, End 現在のノードの末尾へ
Enter リンク先へ移動する(「* ノード名:」となっている行)
Tab 次のリンクへ移動する
SHIFT+Tab 1つ前のリンクへ移動する
l 元の位置へ戻る(last)
t このファイルの先頭ノードへ移動
u 1つ上の階層を表示する(up)
d 一番上の階層(dirノード)へ移動する
h, ? ヘルプ画面を表示する
H チュートリアルページを表示する
q infoコマンドを終了する(quit)

infoの主なキー操作(検索)

キー 操作内容
s, / 検索
{ 次へ(後方検索)
} 前へ(前方検索)
Ctrl+G 検索終了


コマンドのリファレンスマニュアルを参照する

 「info コマンド」で、該当するLinuxコマンドのリファレンスマニュアルを表示します(画面1)。指定したコマンドのInfoファイルがない場合はmanコマンド用のファイルを表示します(画面2)。

 Info形式の文書は階層化されており、各項目を「ノード」と呼びます。infoコマンドの出力画面の先頭行には参照しているファイル名(File:)に続いて、現在のノード(Node:)、次のノード(Next:)、上の階層(Up:)が表示されています。

 画面をスクロールする際には、上下の矢印キー(行単位)またはスペースの他、DELまたはバックスペース(画面単位)で行います。infoコマンド全体を終了するには[q]キーを押します。

コマンド実行例

info コマンド

(コマンドのリファレンスマニュアルを表示する)


画面1 画面1 コマンドのリファレンスを表示したところ 「info cat」の実行結果
画面2 画面2 infoファイルが存在しないときの表示例 「info more」の実行結果


ディレクトリノードを表示する

 「info」のみで起動すると、infoで管理されている最上位(Top)の階層を表示します(画面3)。このページを「ディレクトリノード」と呼びます。

 「info コマンド」で起動した際に、該当するコマンドが見つからない場合もこのディレクトリノードを表示します。

画面3 画面3 ディレクトリノード画面の例


リンク間で移動する

 「* ノード名:」となっている行はリンクを表しています。リンクの箇所で[Enter]キーを押すとリンク先を表示します。[l]("l"ast)で元の位置に戻ります。

 [Tab]キーで次のリンクへ、[Shift]+[Tab]で1つ前のリンクへ移動します。

画面4 画面4 リンクの例


筆者紹介

西村 めぐみ(にしむら めぐみ)

PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。


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