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» 2019年02月13日 05時00分 公開

仕事が「つまんない」ままでいいの?(50):エンジニアのキャリアアップに「複業」をオススメする理由 (2/3)

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),@IT]

キャリアアップに複業をオススメする理由

 私は今、しごとのみらいというNPO法人を経営し、サイボウズというIT企業で働いています。また、個人事業主としての肩書もあります。いわゆる、パラレルワーカーです。会社員から複業を始めたのではなく、独立している状態から、縁あって会社員にもなりました。

 いろいろな仕事、いろいろな働き方、いろいろな立場を経験し、今までなかった「多様な視点」「多様な思考」「チームを動かす行動力」などが身に付いてきていると感じます。このスタイルが結構気に入っています。

 例えば、経営者や個人事業主のような「ゼロからモノを作る作業」は、やりたいことを実現できる楽しさがありますが、軌道に乗せるのが難しい。でも、ビジネスパーソンとしてはこういった経験が力になるし、とても大切だと思います。

 一方、会社員になってみると「会社の良さ」も実感するのです。

 組織に所属することの安心感や、チームで大きな仕事をする楽しさ、「会社」というネームバリューは、会社に所属することで、あらためて気づいた良さでした。

会社員が複業で感じるメリット

 私の場合、本業が経営者で複業が会社員ですが、私の周りには、本業が会社員で、複業でフリーランスのエンジニアやWebデザイナー、ライターなどをしている人が多くいます。彼らを見たり、話を聞いたりしていると「会社員だけでは絶対に経験できないこと」を、複業を通して経験しているようです。

 例えば、お金。会社員の場合、仕事の成果にかかわらず、毎月一定の給与がもらえます。でも、フリーランスとして仕事をする場合は、まず仕事と出会う必要があります。このハードルが結構高い。このプロセスでマーケティングの知識や信頼関係の大切さに気付きます

 また、会社員なら、お金の請求や支払いは自分でやらなくてもいいことが多くありますが、フリーランスの場合は請求書や領収書を自分で発行し、お金の入りと出の管理をしなければいけません。すると、会計の知識や税金など、社会の仕組みが分かります

 さらに、会社の外に出ると自分の「市場価値」を良くも悪くも実感することになります。仕事の適正な価格設定は思っている以上に難しい。業界の「単価」や「相場感」が分かってきます

 このような一通りの「小商い」を経験すると、「お金を稼ぐって大変なんだな」と実感するとともに、ビジネスパーソンとしての力が付きます。逆に、「毎月給与が振り込まれるってすごいな」「会社ってありがたいな」と、会社員という立場に感謝する人の声をよく聞きます。

 また、小商いの経験は、本業の情報システムの提案や開発にも役立つはずです。なぜなら、日本の企業の多くは中小企業。今まで以上に「顧客の立場が分かるようになる」からです。

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