宮崎編:大きな議題は「合宿」で解決――宮崎発のB2Bサービスを開発するZOZOグループのナイスガイエンジニアITエンジニア U&Iターンの理想と現実(57)(2/2 ページ)

» 2019年02月14日 05時00分 公開
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宮崎県宮崎市の日常

 「宮崎県」と聞いて、皆さんどんなものを想像されるでしょうか?

 「マンゴー」「どげんかせんといかん」「地鶏」?――でも、日常的にマンゴーを食べている人は、そうそういません。「どげんかせんといかん」なんて日常会話、使ったことがない人ばかりです。

 平均的な宮崎人の平日は、下記の繰り返しです。

  • 朝はゆっくりと起床する
  • 昼は誠実に仕事と向き合う
  • 夜は宮崎名産の地鶏と芋焼酎で一杯やって帰る

のんびり徒歩通勤

 アラタナ本社オフィスは宮崎市中心街にあり、近くには飲食店が軒を連ねます。

 フレックスタイム制で、ほとんどのメンバーが10時ごろ出社します。通勤手段は、自動車、自転車、徒歩が多く、私も徒歩でのんびり通勤しています。

 ドアtoドアで片道20分程度。東京では「片道1時間なんて当たり前」だとよく聞きます。往復で考えると「1日当たり80分」を節約して、趣味や仕事に充てられます。これを1週間で、1年で、10年で……と考えていくと、かなりお得な気分になれますね。

 節約できた時間を使って早朝サーフィンをする人、副業をする人、お酒を飲む人、さまざまです。好きなことに時間を使えるため、生き生きと仕事をすることができます。

宮崎市中心街の通勤風景

今日は東京、明日は宮崎――神出鬼没なワークスタイル

 地方のIT企業というと、「ニアショア」のイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。

 私たちは違います。アラタナは2015年から「ZOZOグループ」に参画し、ZOZOが運営する物流倉庫「ZOZOBASE」と連携したB2B向け自社ECシステムの開発、保守、運用サポートを行っています。

 営業、運用サポートスタッフは東京、エンジニアやマーケティングスタッフは宮崎勤務です。コミュニケーションツールは「Slack」を、リモート会議はCiscoやhangoutを利用しています。社内での打ち合わせはほとんどがリモート会議です。

リモート会議の様子

 私は、2013年に入社してから2年ほどプログラマーとしてECパッケージのカスタマイズを担当しました。当時、エンジニアがクライアントと直接コンタクトすることはなかったので、宮崎本社でひたすら制作していました。

 しかし、2015年のZOZOグループ参画を機に、クライアントが東京中心になりました。

 クライアントとは宮崎からリモートでやりとりや会議をすることも多々あるのですが、設計書や要件定義書など細やかなコミュニケーションが必要な場合は、抜け漏れが少なく、お客さまの温度感も肌で感じられる対面での打ち合わせをします。

 アラタナは東京にも拠点があるので、ある時は宮崎、またある時は東京と、さまざまな拠点に出没するようになりました。ZOZO本社がある千葉県と合わせると月に2、3回は関東に出張します。

 必要なデータは全てクラウド上で管理しているため、移動中の空港や、ちょっとした待ち時間の喫茶店など、どこにいても作業ができます。

 ただし、移動にかかる時間が増えると、集中してプログラムを書いたり、ドキュメントを作ったりする時間が減ってしまうのが残念なところです。

コミュニケーションの壁は「合宿」で乗り越える

 私は2017年4月から、新規事業開発に携わっています。ZOZOBASEと連携した自社サービスの開発に企画から参加し、運用設計からシステム構築まで幅広く携わってきました。

 宮崎からサービスを発信していくときの最も大きな壁は、「遠隔コミュニケーション」です。システム連携部分の情報交換や、営業チームとの要件すり合わせなど、サービス立ち上げには多くの関係者とのコミュニケーションが必要です。

 そこで私たちは、意思決定に時間のかかりそうな大きな議題が発生した場合、必要に応じて「合宿」を開催します。東京から関係者を宮崎へ招待し、1〜2日ぐらいの短期間で議題をまとめるのです。

 合宿では、大きな成果を得られます。

 議題に対する方針決定はもちろん、普段遠方にいるメンバー同士が直接顔を合わせることで、合宿後から情報交換が活性化します。

宮崎発のサービス

 私は今、宮崎から全国へ発信できるサービスを生み出せることに喜びと価値を感じています。サービスの知名度が上がり、サービス価値を提供できれば、宮崎に注目してもらえるようになりますし、転職や勉強会などさまざまな理由で宮崎に人が集まるキッカケにもなります。

 これからも宮崎エンジニアライフを充実させて、ナイスガイエンジニアを目指していきます。



 U&Iターンの理想と現実:宮崎編、次回は宮崎エンジニアの南国ライフスタイルを紹介します。

@IT式 U&Iターンスタイル

全国各地のU&Iターンエンジニアたちが、地方での生活の実情や所感などをセキララに伝えます。Uターン、Iターン、Jターンに興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

ご当地ITライター募集

現在、または元ITエンジニアかIT企業社員、かつ現在住んでいる地域へUターン/Iターン/Jターンし、記事執筆に興味のある方は、下記まで連絡ください。


大野公嗣(おおのこうし)

宮崎市出身の28歳エンジニアで新卒6年目

2013年に「アラタナ」入社

〜2015年 ECシステム構築(PHP)

〜2016年 ECシステム構築(scala)

〜2017年 テスト設計、システム保守(SQLServer)

〜2018年 APIサービス構築(AWS)

なんでもやるフルスタックもどきエンジニア


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