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» 2019年02月18日 10時00分 公開

「攻めのIT」「経営への貢献」の具体像:RPAと運用管理ツールの連携で実現する「ビジネスの運用管理」とは (1/2)

ビジネスの成果とITが直結している今、IT部門は「コスト削減」「システムの安定運用」だけではなく、「ビジネスへの貢献」が強く求められている。では近年、ビジネス部門が大きな関心を寄せているRPAやAIに対し、IT部門はどう取り組むべきなのだろうか?――2019年1月23日から販売開始された「JP1 Version 12」の新機能を軸に、「運用管理とは、システムの運用だけでなく、ビジネスの運用にまで拡大している」という現状を、伊藤忠テクノソリューションズ(以下CTC)と日立製作所との対談を通じて具体的に掘り下げる。

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業務プロセス、人、技術を「いかに連携させるか」が重要に

編集部 デジタルトランスフォーメーション(DX)のトレンドが進展し、ビジネスとITが直結している中、インフラ運用にも「ビジネスニーズにいかに迅速・柔軟に応えるか、限られた人数でいかに効率的に運用するか」が強く求められています。運用管理を取り巻く状況について、お二人はどう見ていらっしゃいますか?

ALT 黒田圭一氏
日立製作所 サービスプラットフォーム事業本部 IoT・クラウドサービス事業部 事業推進本部 チャネルビジネス推進部 主任

黒田氏 調査会社、テクノ・システム・リサーチが2018年9月に公表した調査によれば、ユーザー企業を対象にした運用管理に関するアンケートにおいて、経営層からIT部門に求められていることを聞いたところ、2015年には「コスト削減」や「システムが止まらないこと」が重視されていました。しかし2018年には「業務の生産性向上」や「業務改革」が課題として上位に入っていました。つまりシステムの安定運用だけではなく、ビジネスに貢献する、いわゆる「攻めのIT」への変革を求められていることが、調査でも浮き彫りになったのです。

 しかし一方で、仮想化・クラウドが浸透し、システムが複雑化・大規模化する中で、「業務量の増加」「管理対象の増加」「年々高度化するセキュリティリスクへの対応」といった課題にも直面しています。IT部門はコスト削減や安定稼働という以前からのミッションを確実に果たしながら、ビジネスニーズに俊敏に応えることが求められているわけです。

渥美氏 そうですね。また近年は、クラウドやコンテナ、AI、RPAといった新たな技術要素も必要に応じて取り入れていく必要に迫られています。特にRPAは“ビジネスの現場”での需要が急速に高まっています。

ALT 渥美秀彦氏
伊藤忠テクノソリューションズ ビジネス開発事業本部 ソリューション開発チーム ベンダーサポート課 主任

 IT部門にとって、システムインフラの安定運用はもちろん、そうしたビジネス部門のニーズにも応えていかなければならない状況になっています。そして“現場での需要が高まっているIT” の領域はどんどん広がっています。そうした状況を受けて、われわれベンダーやSIerも、「いまIT部門が求められていること」に統合的に応えられる仕組みを提供する必要性があると考えています。

編集部 確かにAIやRPAには非常に高い関心が寄せられています。ただ一般に、これらは「業務の一部分を肩代わりするもの」と認識されていますが、業務は互いに連携し、一連のプロセスになっているわけです。当然、RPAも業務プロセス全体を理解した上で、その中に埋め込む必要があります。ビジネス部門主導でRPA導入を進めるケースもあるようですが、真に成果を上げるためには、システムの観点で業務プロセスを把握しているIT部門の役割は重要と言えそうですね。

渥美氏 そうですね。RPAは、単一の業務だけを肩代わりするピンポイントの導入から、一連の業務プロセスを把握し、連携するシステム同士の関連性も見据えて、「点」ではなく「線」として業務そのものの効率化を進めていく方向にシフトしつつあります。また、それらを効率良く管理、運用していく必要もありますので、今後大きなポイントの1つになると思います。

黒田氏 その意味では、IT部門とビジネス部門の連携も一層重要になっていますね。以前からIT部門が担ってきたSoR(System of Record)領域と、ビジネス部門がリードするケースも出てきたSoE(System of Engagement)領域がありますが、AIやRPAは例えば「基幹系のデータを生かす」など、SoRとSoEの融合/IT部門とビジネス部門の連携がなければプロジェクトをうまく進められません。両部門の連携は大きな課題ですし、ベンダーとしてもそれを支援することを1つのミッションと捉えています。

「JP1 Version 12」提供の狙いと「2つの特長」

編集部 そうした中、統合システム運用管理「JP1 Version 12」が、2019年1月23日から販売開始となりました。まず狙いを教えてください。

黒田氏 大きく2つの狙いがあります。1つ目はDXに代表される「新しいビジネス領域への『攻めのIT』の実現を支援」すること、2つ目は「『守りのIT』の効率向上やコスト削減を支援」することです。

編集部 冒頭のお話のような状況に応えたわけですね。「JP1 Version 12」の強化ポイントを教えてください。

黒田氏 特長は大きく2つあります。

特長1:「インテリジェント統合管理基盤」で実現する、ITとビジネスの連携

黒田氏 もともとJP1には「イベント情報のログを収集して、見やすく表示する機能」が備わっていました。これをイベントログだけではなく、各システムの稼働情報、構成情報などの運用データ、またオープンデータなども組み合わせてリアルタイムに集約し、画面上に表示できるように強化しています。さらにエンジニアの知見に基づいて「ビジネス上の判断に必要なデータ」を関連付けしたり、業務に合わせた画面を容易に作成したりすることもできるようになりました。

編集部 ビジネスとITの連携が重要という話がありましたが、それを支援するわけですね。製品名とともに具体的な機能を教えていただけますか?

黒田氏 まず、インテリジェント統合管理基盤となるのが「JP1/Integrated Management 2(以下、JP1/IM2)」です。JP1/IM2は、イベントログ管理を行っていた「JP1/Integrated Management(以下、JP1/IM)」を強化した製品で、多種多様なデータを収集できるようになりました。機能的には2つの特長があります。1つ目は、IT環境全体の多種多様なデータを収集し、エンジニアの知見に基づき、それぞれを関連付けて一元管理できることです。

ALT 図1  「JP1/Integrated Management 2」の特長。多様なデータを関連付けてシステムと、それが支えるビジネスの状況を一元的に可視化・把握できる《クリックで拡大》

 これにより、システム運用の専門的な知見や経験がなくとも、誰でも簡単に「気付き」が得られることがポイントです。2つ目は、目的や立場ごとに必要な情報を可視化し、迅速な意思決定を支援できることです。例えば経営層が運用品質をチェックしたり、障害のビジネスに対する影響を確認したり、その対応策などを迅速に判断できたりするようになります。

 全システムのステータスを漏れなく監視でき、「サンバースト」と呼ばれる可視化方法により、イベントの絞り込みもクリックするだけで実施できます。

ALT 図2  「JP1/Integrated Management 2」により、専門スキルや経験が少ない管理者でも障害発生時の影響範囲を簡単に把握できる《クリックで拡大》

 また、「JP1/Automatic Job Management System 3(以下、JP1/AJS3)」のジョブ管理データの関連性を表示して、障害時における業務インパクトの分析も可能です。関連性を追っていくことで、例えば「障害によって実行されなくなった後続ジョブネット」などがすぐに分かる仕組みとしています。

特長2:RPAとの連携で実現する、システム運用とバックオフィス業務の自動化

黒田氏 JP1では、これまでは基幹業務のプロセスを自動化する製品として、JP1/AJS3を提供していました。「JP1 Version 12」では、これら基幹業務に加え、バックオフィス業務などクライアント環境における業務実行の自動化まで広げることで、安定稼働と運用業務の負荷軽減を実現することを目指しました。

編集部 「ビジネス部門のニーズに応えなければならないITの領域が広がっている」という渥美さんの指摘がありましたが、そこに応えたわけですね。

黒田氏 はい。運用性向上とRPAへの対応については「JP1/Client Process Automation(以下、JP1/CPA)」と「JP1/Client Process Automation Option for Automatic Job Management System 3(以下、JP1/CPA for AJS3)」という2つの新製品を提供します。

 JP1/CPAは、RPAが実行する定型業務など「クライアント環境における業務実行の自動化」を制御・監視する製品です。

ALT 図3  RPAを使ったビジネス部門のバックオフィス業務を制御・監視できる「JP1/Client Process Automation」《クリックで拡大》

 JP1/CPA for AJS3は、JP1/CPAが実行する複数の業務の実行順序や実行状況を、JP1/AJS3から一元管理するための連携製品です。

ALT 図4  RPAを使った多様な業務を一元管理できる「JP1/Client Process Automation Option for Automatic Job Management System 3」。すなわち、RPAによる「点」での自動化を「線」にすることを支援する《クリックで拡大》

編集部 JP1/CPA for AJS3によって、RPAによる「点」での自動化を「線」にすることを支援するのですね。

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提供:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社/株式会社日立製作所
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2019年3月1日

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