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» 2019年02月28日 05時00分 公開

特集:小学生の「プログラミング教育」その前に(10):小学校2校と中学校1校しかない青森県鰺ヶ沢町でプログラミング教育を浸透させる――みんなのコードと経産省は地方の教育のICT化をどうサポートするのか (1/2)

みんなのコードは日本国内でのテクノロジー教育への関心を高める啓蒙活動を実施し、その一環として「パートナー企業 CSR取り組み報告会」を開催した。本稿では青森県 鰺ヶ沢町教育委員会 ICT教育推進アドバイザー 相馬祐輔氏の取り組み、経産省による教育分野への取り組みを中心にお伝えする。

[唐沢正和,ヒューマン・データ・ラボラトリ]

 みんなのコードは、2018年の「コンピュータサイエンス教育週間」(12月3〜9日)に全世界で実施されたプログラミング教育推進運動「Hour of Code」に合わせ、日本国内でのテクノロジー教育への関心を高める啓蒙(けいもう)活動を実施し、その一環として、2018年12月10日に、「みんなのコード パートナー企業 CSR取り組み報告会」を、サイボウズのオフィスで開催した。

 SOMPOシステムズ、サイボウズ、Microsoft、Googleといった各パートナー企業の取り組みを紹介した前回に続き、本稿ではみんなのコードの2018年活動報告、みんなでIT 代表 青森県 鰺ヶ沢町教育委員会 ICT教育推進アドバイザー 相馬祐輔氏の取り組み、経産省による教育分野への取り組みをお伝えする。

石川県加賀市と協力して日本初の「コンピュータクラブハウス」をオープンする――みんなのコードの2018年活動報告

みんなのコード 代表理事の利根川裕太氏

 「みんなのコード パートナー企業 CSR取り組み報告会」では、2018年のみんなのコードの活動を振り返り、みんなのコード 代表理事の利根川裕太氏が取り組み内容について報告した。

 2018年は、先生向けのシンポジウム「プログラミング教育明日会議」を全国11都市で開催し、1204人の先生が参加したという。このシンポジウムは、2020年から本格始動する小学校でのプログラミング教育に向けて、全国の先生を対象に、明日からプログラミング教育に取り組める“きっかけ作り”を提供することを目的に開催したもの。また、シンポジウムに加えて、各地の学校に出向いての研修会も実施しており、開催地域は2018年12月末時点で累計34都道府県に達している。

2018年のプログラミング教育明日会議の開催地域

 「さらに、プログラミング教育を実践する先生を育成するために、Googleのサポートにより、『プログラミング指導教育養成塾』を全国で展開中だ。2018年は、2つの県と13の市町村と共同開催した他、4つの都市で先生が土日返上で自主的に養成塾を開催し、合計で460人の先生が受講している。3年計画で2000人の受講者を目指している」(利根川氏)

 オンラインでのアプローチとしては、プログラミング教材「プログル」を無料で提供しており、2018年2月には「平均値コース」を新たにリリースした。利根川氏は、「プログルは、どんな先生でも、どんなICTインフラでも始められる小学校向けのオンラインプログラミング教材。2017年4月の提供開始以来、利用者数は右肩上がりに伸びており、2018年2月時点で累計23万ユニークユーザーを突破した。特に平日は、1日で1000ユニークユーザーを超えることも多い。教育現場にプログルが着実に広がっている」と強調した。

 政策提言に関わる動きでは、ICT教育議員連盟向けの取り組みとして、Code.org CEOのHadi氏の来日に合わせて勉強会を開催。また、議員と共に小学校を訪問してプログラミング教育の見学会や意見交換会を行ったという。さらに、内閣官房が進める教育再生実行会議には、技術革新ワーキング・グループの委員として利根川氏が参加している。

 今後の取り組みとしては、石川県加賀市と協力して、2019年度中に日本国内第一号の「コンピュータクラブハウス」をオープンする計画だ。

 「コンピュータクラブハウスは、子どもたちが自由にコンピュータを使うことができる米国発の子ども向けテクノロジー施設。学校のプログラミング教育では物足りない子どもや、学校には少しなじめない子どもなど、全ての子どもたちに向けて、学校以外でもプログラミングを楽しめる地域の居場所を提供する」(利根川氏)

2018年10月29日加賀市とみんなのコードで連携協定を締結した際の様子(左から利根川氏、石川県 加賀市長 宮元陸氏)

 なお、このプロジェクトの資金調達は、ふるさと納税制度(自治体への寄付)を活用し、1000万円を目標に全国からの支援を募集している(2019年2月21日現在、目標金額を達成。2019年3月11日まで募集)。返礼品は用意せず、集まった支援は、全てコンピュータクラブハウス事業の推進に活用する予定だ。

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