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» 2019年03月11日 16時00分 公開

VMwareによるハイブリッドクラウドの実現:“VMware Cloud™ on AWS”でシンプル&確実なクラウド移行を後押し――TIS×SB C&Sによる検証作業の裏舞台

企業での活用が加速するパブリッククラウド――。これとオンプレミスを組み合わせたハイブリッドクラウドが注目を浴びている。その中でひときわ存在感を放つのが、VMwareとAmazon Web Services(AWS)が共同開発したクラウドサービス「VMware Cloud on AWS」だ。TISとSB C&Sは、企業のクラウド移行を強力に支援するため、VMware Cloud on AWSの事前検証を共同で実施した。

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AWS上で動くVMware環境

 2018年11月13日、TISは「VMware Cloud on AWS」を、同社の「エンタープライズ・クラウド運用サービス」の対応クラウドに追加。VMwareAmazon Web Services(AWS)の両技術に基づくクラウド活用支援サービスを展開すると発表した。

 VMware Cloud on AWSは、AWSのベアメタル環境上で稼働するVMwareソフトウェアベースのクラウドサービスだ。TISの島村和俊氏(サービス事業統括本部 プラットフォームサービス事業部 プラットフォームサービス第2部主査)は、「昨今AWSを利用する企業が増えていますが、オンプレミスの環境でVMwareを併用している企業は、両環境の運用管理を効率化することを望んでいます」と、その意義を語る。

ALT TIS サービス事業統括本部 プラットフォームサービス事業部 プラットフォームサービス第2部主査
島村和俊氏

 VMware Cloud on AWSがリリースされたのは2017年8月。当初は米国西部(オレゴン)リージョンのみで提供されていたが、その後、順次サービスリージョンを拡大している。現在は、米国東部(バージニア北部/オハイオ)、米国西部(北カリフォルニア/オレゴン)、アジアパシフィック(シドニー/東京)、欧州(フランクフルト/アイルランド/ロンドン)利用できるようになっている他、近々、AWS GovCloud(米国連邦政府向け)でのリリースを予定している。

 VMware Cloud on AWSは、オンプレミスの既存環境とハイブリッドに接続し、その間のワークロード可搬性を提供しているため、オンプレミスの環境で稼働している業務システムをパブリッククラウドに容易に移行することができる。アプリケーションやIPアドレスの変更を必要としないことに加え、従来の運用管理手法を踏襲できるため、システム品質、期間、工数、費用のいずれについてもインパクトを抑えることができる。

外部提供に向けTIS×SB C&Sで事前に共同検証を実施

ALT SB C&S ICT事業本部 MD本部 技術統括部 第1技術部 3課 課長/VMware vExpert 熊谷哲人氏

 一方で、VMware Cloud on AWSとオンプレミスのVMware環境は全く同じものではない。

 「VMware vSphereがAWS上で動くようになったとしても、必ずしも全てのワークロードをAWSに移行できるわけではありません」と指摘するのは、SB C&Sの熊谷哲人氏(ICT事業本部 MD本部 技術統括部 第1技術部 3課 課長/VMware vExpert)。

 オンプレミスのVMware vSphereベースの業務システムをVMware Cloud on AWSに移行しようとするならば、事前の検証は不可欠だ。だが、VMware Cloud on AWSの前提となっているシステム構成はAmazon EC2 i3.metalインスタンスをベースとしており、「36コアのCPU、512GBのメモリ、15.2TBのNVMeストレージを備えた3〜16ホスト」(https://aws.amazon.com/jp/vmware/features/)とハイスペック構成なため、検証するにもそれなりの費用が必要となる。

 一般的に、オンプレミスからAWSへの移行は、マイグレーションプロジェクトとして取り組む必要があり、リスクなどを考慮すれば、「大規模環境になるほど移行が難しくなる」(TISの島村氏)という。

 他にも従来クラウドを利用していない企業では、社内のルールが整っておらず、クラウド利用にあたってガバナンスのリスクが生じる課題や、VMware Cloud on AWSとAWSネイティブサービスの両環境を含めた運用管理手法の構築など、導入以外の課題もある。

 そこでTISでは、VMware Cloud on AWSを同社のクラウドサービスの1メニューとして提供することを検討(図1)。

図1 図1 VMware Cloud on AWSを加えたTISの「エンタープライズ・クラウド運用サービス」。高品質な運用を提供するコントロールセンター(MSCC)と統合運用管理基盤テンプレートの上でオンプレミスと複数種のクラウドをサービスとして提供する。金融など大手企業を中心にサービス提供実績がある。提供可能なプラットフォームの一つとしてVMware Cloud on AWSを追加した《クリックで拡大します》

 「弊社のクラウド&セキュリティ事業である『Platform Square』では、コンサルティング、ハイブリッドクラウド、クラウドセキュリティ、マネージドの4領域を組み合わせお客さまの事業を加速させることをコンセプトに事業展開を行っています。そのコンセプトを体現したサービスの一つである『エンタープライズ・クラウド運用サービス』は、複数のクラウド導入を支援した知見を生かし、ガイドラインの策定コンサルティングや運用管理のテンプレートを合わせて提供しています。大手企業を中心に、クラウドを本格的に活用したいお客さまにご採用いただいています。また、TISはAWS、VMware両社のプレミアパートナーですので、どちらの環境についても高い技術力と豊富な知見を備えています」と語るのは、TISの松井敬氏(サービス事業統括本部 プラットフォームサービス事業部 プラットフォームサービス第2部副部長)。

 同社がプロフェッショナルな立場で十分に検証、確認したものを提供すれば、企業や団体も安心してVMware Cloud on AWSを利用できると考えたのである。

 TISがSB C&SとともにVMware Cloud on AWSの検証作業を開始したのは、2018年8月。松井氏は「当初はAWSのオレゴンリージョンに検証環境を構築し、東京リージョンが使えるようになった2018年10月末からは国内でよりお客さまの環境を意識したテストを続けました」と振り返る。

 SB C&Sの熊谷氏は検証について、「新しい製品やサービスが登場するといち早く評価検証に着手し、検証結果などの情報を広く展開することを心掛けています。その際、『これはできる、これはできない』といっただけの単なる機能単体の検証にとどめずに、実際の利用・運用シーンを具体的に思い浮かべながら実施することが重要」と述べる。

 実作業に当たったのは、島村氏が率いる検証チームだ。検証にはVMware製品に対する知見が求められる。特に「VMware NSX Data Center」については、これに詳しいSB C&Sの千代田寛氏(ICT事業本部 MD本部 技術統括部 第1技術部 3課)の支援が大きかったという。

 検証用環境は、図2のような構成になる。実際の利用環境を意識し、既存オンプレミス環境とVMware Cloud on AWSを接続する構成をとっている。

 具体的には、TISのデータセンター「GDC御殿山」とAWSリージョン間は、「AWS Direct Connect」(専用線サービス)による接続をした上で、VMware Cloud on AWSのサービスとして標準提供される「VMware HCX」機能を利用して、オンプレミスとVMware Cloud on AWS間のL2延伸環境を構築した。このような構成にした理由を、千代田氏は「VMware vSphere 5.5などの旧バージョンを使用しているような既存オンプレミス環境とVMware Cloud on AWS間のVMware vSphere vMotionによるライブマイグレーション(仮想マシンの移行)には、HCXによるL2延伸が不可欠でした」と説明する。

図2 図2 VMware Cloud on AWSの検証にTISが用意したシステム構成。TISのデータセンター「GDC御殿山」とAWSリージョン間をAWS Direct Connect(専用線サービス)で接続し、VMware HCXでL2延伸環境を構築《クリックで拡大します》

 当時は日本国内での情報が少なかった事情もあり、検証はTISとSB C&Sが独自に策定したテスト仕様(図3)に基づいて行われた。主なテスト項目は、オンボーディング(構築と回線接続)、運用管理(動作監視、ログ取得、アクセス管理、バックアップ)、AWS接続などだ。

 検証というと、新サービスの機能面の確認が中心となりがちだ。しかし同社は多くの顧客の環境を導入してきた知見から、実務の運用面も意識して今回の検証を行ったという。

図3 図3 TISで行われた検証テストの内容。TISとSB C&Sがテスト仕様を共同で作成。オンボーディング(構築と回線接続)、運用管理(動作監視、ログ取得、アクセス管理、バックアップ)、AWS接続などの項目を確認した《クリックで拡大します》

VMware Cloud on AWSの活用には適切な運用管理がポイントに

ALT TIS サービス事業統括本部 プラットフォームサービス事業部 プラットフォームサービス第2部副部長
松井敬氏

 「技術的には“初物”ですので一抹の不安はありましたが、検証テストは無事に終了しました」

 検証チームを代表して、島村氏は検証結果をこのように総括する。検証テストで判明した設定方法と設定値を基に、TISはVMware Cloud on AWSを同社のエンタープライズ・クラウド運用サービスへ追加。対外的に発表した2018年11月から顧客向けに提供を開始している。

 検証によって得られた成果の例として、島村氏はVMware Cloud on AWSの適切な運用管理方法を確認できたことを挙げる。「どのレイヤー・機能がどの管理機能で管理可能であるかを把握した上で、お客さまの求める要件とFit&Gapを確認する必要があります。AWSを意識した設計やサードパーティー製品との組み合わせによる解決、それらを実装・運用する上でのノウハウを今回の検証で得ることができました」と、島村氏。これら運用観点での取り扱い方を把握することが、運用をコアコンピタンスとするTISにとっては重要だったのである。

 その結果分かったのは、VMware Cloud on AWSでは、全体のベースとなるAWS、仮想化環境を提供するVMware vSphere、仮想マシン上で稼働する業務システムという3つの観点と知識をもって運用管理を行う必要があるということだ。クラウドサービスは進化していくため、運用も従来とは異なりブラッシュアップを余儀なくされる。TISのエンタープライズ・クラウド運用サービスを利用する企業は、業務システムの運用管理だけを行えば済むが、自社でVMware Cloud on AWSを利用する企業では、スキル面や継続的な運用改善の工夫が必要になりそうだ。

AWSネイティブサービスも併用活用、マルチクラウドのハードルを下げる

ALT SB C&S ICT事業本部 MD本部 技術統括部 第1技術部 3課 千代田寛氏

 「今はオンプレミスでVMware vSphereを使っているが、クラウドを併用することで運用管理が変わることに課題を感じている企業・団体――。弊社は、そうした層にVMware Cloud on AWSをアピールしようと考えています」

 松井氏は、VMware Cloud on AWSの拡販に向けたTISの戦略をこのように解説する。オンプレミスで利用しているVMware vSphereの使い勝手を維持したい企業が、エンタープライズ・クラウド運用サービスを利用することで、従来環境に近い形でVMware Cloud on AWSを利用できることを支援していく。また、顧客がAWSのネイティブサービスも活用していく場合であっても、同サービスによる支援が可能となるため、マルチクラウドの利用ハードルが大きく下がるメリットがある。

 TISがVMware Cloud on AWSのユースケースとして想定しているのは、当面はクラウドのメリットを享受するための、既存環境からのマイグレーションである。今後、企業のIT利活用の拡大に合わせ、データセンターの拡張(処理能力を素早く増減)や災害対策(遠隔地に予備システムを準備)といった、ハイブリッドクラウドのような活用シーンも増えてくるのではと考えている。

 また、企業や団体が自らVMware Cloud on AWSを導入するのに比べて、TISのエンタープライズ・クラウド運用サービスでVMware Cloud on AWSを利用する方法は、安全性と確実性で大きなアドバンテージがある。特にクラウドの本格採用の際に、コンプライアンス課題に直面するケースがある。クラウド利用ガイドラインや運用管理のテンプレートを活用することで、人手やノウハウ不足によりクラウド活用に踏み切れない企業や団体でも容易に導入・運用できるのである。

 さらに、VMware Cloud on AWSのマネージドサービスプロバイダーとなっているTISなら、VMware標準のクレジット購入方式(前払い式)だけでなく、クラウドサービスの世界で一般的な月額利用方式(利用実績に基づく後払い式)も可能。内部ルールで前払い式が難しい企業や団体でも導入しやすいはずだ。

 ハイブリッドクラウドの世界的な普及とともにますます多様化してきた、オンプレミスとパブリッククラウドの連携ソリューション。オンプレミス環境でVMwareを利用しているユーザーには、VMware Cloud on AWSが第1の選択肢となることは間違いないだろう。

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提供:ヴイエムウェア株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2019年3月26日

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