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» 2019年04月22日 10時00分 公開

担うのは国を代表するレベル!:研究所×官公庁担当部門が未来のために集まり生み出した、NSSOLの匿名加工データ流通ソリューション「NSDDD」(エヌエスディースリー)

日鉄ソリューションズは、多くの人がシステムインテグレーターに対して抱くイメージとはちょっと異なる取り組みを進めている。その一つが、研究所と事業部というミッションの異なる2つの組織が協力して作り出した「匿名加工データ流通ソリューション」だ。

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 システムインテグレーターといえば、お客さまの要望に応じてシステムを組み上げるもの――そんなイメージを持つ人は多いかもしれない。だが「日鉄ソリューションズ」(呼称:NSSOL「エヌエスソル」)は、ITパートナーモデルを進化させる「NSSOL 2.0」、そしてデジタルイノベーションを通じてお客さまと共に新たな事業領域を開拓する「NSSOL 4.0」という事業モデルを掲げ、システムインテグレーターの新しいカタチに取り組んでいる。

 その一例が、今回取り上げる匿名加工データ流通ソリューション「NSDDD」開発プロジェクトだ。

 個人情報などを含むデータのガードを闇雲(やみくも)に堅牢(けんろう)にすることは、漏えいの危険性を低くするが、それではデータ活用の制約が大きく、新しい価値を生みにくい。

 NSDDDは、匿名加工技術を主軸として、企業が保有する個人情報の適切な匿名加工を施すことができるソリューションである。これにより、グループ企業やパートナー企業と共にデータを活用する際に必要な対策を実現できる。このようなデータ流通の仕組みは「官民データ活用推進基本法」をはじめとする国の取り組みにも不可欠なものである。

 NSDDDのコアになる技術は、NSSOL技術本部のシステム研究開発センター(シス研)が作り上げたものだ。個人情報の匿名化技術を競うコンテスト「PWSCUP2016」で3位に入賞した他、参加した他チームが匿名化した情報をどれだけ再識別できたかを競う「再識別賞」も受賞し、匿名化と、その逆である再識別、両方の分野で優れた技術を持つことを示した。

 だが、コアの技術が優れているだけでは、実用には十分ではない。これをベースに、お客さまのニーズに合わせ、官公庁向け案件で豊富な実績を持つNSSOLの社会公共ソリューション事業部がユーザーインタフェースやマニュアルも含めてあらゆるユーザーが使いこなせる形にまとめあげた。それが、匿名加工データ流通ソリューション「NSDDD」だ。

 このプロジェクトはどのように生まれ、今後どこへ向かうのか――システム研究開発センター データ分析・基礎研究部 主務研究員 大坪正典氏と、社会公共ソリューション事業部 営業第一部 第1グループ エキスパートの田部良文氏に話を聞いた。

システム研究開発センターが見つけた“種”を、事業部が“花”にする

 NSSOLのシステム研究開発センターの使命は、クラウドやソフトウェア開発技術、あるいはAIに生かせるアルゴリズムなど、国内はもちろん、海外にもアンテナを張って新しいものをいち早く取り入れ、「3年後にお客さまのビジネスに役立つ技術の実証研究」だ。

システム研究開発センター データ分析・基礎研究部 主務研究員 大坪正典氏

 大坪氏も例外ではなく、ビッグデータという単語がまだ世に出回る前の2009年ごろから大規模データの分散処理技術「Hadoop」に興味を持ち、コミュニティー活動と並行しながら研究に携わってきた。

 「シス研は、マーケットに求められることは何か、自分たちの技術をどう生かすべきかを考え、事業部を支援するところに立脚してきた」(大坪氏)

 ビッグデータを生かそうとすると、やはり個人情報の活用は避けて通れない。

 ちょうどそのころ、個人情報保護法の改正作業が進んでいた。改正案のポイントの一つが、「匿名加工情報」と呼ばれる新しい概念が盛り込まれたことだった。

 それまでの個人情報保護法では、企業が収集した個人情報の目的外利用は禁じられてきたが、この改正案では、特定の個人を識別できない形に加工、すなわち「匿名加工」すれば、さまざまな分析、活用が行えることになった。こういった背景から大坪氏は、「匿名加工情報の制度を生かすことでビッグデータ活用を加速できる」と考え、匿名加工技術に興味を抱いたという。

 匿名化とは、個人情報の粒度を低くし、個人とのひも付きをなくす技術だ。だが、ただマスキングすればいいかというとそう簡単な話ではない。データを手当たり次第にマスキングしてしまっては、何ら活用できない情報になってしまう。

 「個人にリーチできるものをなくしつつ、活用できるだけの情報の特徴は残したいというのが匿名加工技術の狙いだ。だが、まだ歴史の浅い分野ということもあり、実現に向けた技術的課題は山積みだった」(大坪氏)

 そんな背景から大坪氏は、技術を切磋琢磨(せっさたくま)する場に身を置き、コンテストに参加して新しい「答え」を見い出そうと試みた。そこからNSDDDのコア技術が生まれてきたという。

 一方、社会公共ソリューション事業部側も切実な課題を抱えていた。官公庁の行政情報システム基盤提供を主力事業としてきた事業部だが、インフラという強み以外にもう一つ軸を加えたいと考えていた。

 個人情報保護法の改正と同時期に官民データ活用推進基本法が定められ、公共分野でもデータ活用に向けたトレンドが盛り上がりつつあったことを踏まえ、「シス研の匿名加工技術によってデータをセキュアに活用できることを知り、これを起点として、これから市場が拡大するデータ利活用分野へいち早く参入を試みることはできないかと考えたのが共同プロジェクトの始まりだった。海外の巨大なプラットフォーマーが台頭する中、個人情報の利活用は日本の未来のために重要な取り組みになると思った」と、田部氏は振り返る。

異なる文化を持つ2つの組織、互いの強みを生かして実用化を実現

 NSSOLはグループ連結で6200人を超える大手システムインテグレーターだ。業界のセグメントに分かれた事業部組織では、お客さまの業務知識が求められる。ピンチに陥った案件、技術的なブレークスルーが求められる案件にシス研が支援を行うことも多いが、新しいソリューションを連携して作り上げることもある。

 ソリューションの連携開発は、大坪氏、田部氏にとって初めての経験であった。プロジェクト立ち上げ当初は、ワクワク感と不安感が入り交じり、双方が手探りだった。

 片や、数年単位のスパンでトレンドを見つめ、「これまでになかったものを作り上げていく」ことをミッションとしたシス研。片や、年度ごとにきっちり決められたスケジュールの中で、緻密に設計を行い、「実績のある技術」で責任を持ってやりきることが求められる社会公共ソリューション事業部。そんな2つの組織がコラボレーションするといっても、プロジェクトの進め方の基本スタンスや技術へのアプローチ方法なども自ずと異なり、議論がかみ合わないこともあったそうだ。

 田部氏は「社会公共ソリューション事業部として今まで取り組んだことがない、決して詳しくもない領域だという不安のある中、シス研が最後まで伴走してくれるのか、次の研究要素が見つかったらそっちにいってしまうのではないかと不安があったことは否定できなかった」と、率直に振り返った。

 だが、中堅社員からのボトムアップで生まれた「匿名加工情報を実現し、データ活用を支援したい」というアイデアに、「新しい領域に、異なる組織が一緒に踏み込んでみるべきではないか」という経営層の思いも重なり、プロジェクトは進み始めた。大坪氏らシス研側の熱意と、社会公共ソリューション事業部側のプロジェクトマネジメント能力やユーザー目線も相まって、ソリューションとしての完成度を高めていったという。

 「他部署から見ると、シス研は技術が好きな人が集まっている部署。だから良くも悪くも技術だけに興味があるのではないかという先入観があった」と、田部氏。だが、「実際に共にプロジェクトを進めてみると、日本の未来のために取り組む事業部の目線で何事も協力的に進めてくれ、同じ方向を向いて種から花開くまで育てることができた」と、良い意味で予想外だったと話す。

 一方の大坪氏は、「事業部ならではの視点で、われわれが普段見えない部分を指摘し、進捗(しんちょく)をサポートしてくれたため、安心してプロジェクトを進めることができた」と振り返った。

 両者が週に一度のミーティングに加え、チャットツールを通じてコミュニケーションを取り、1年を掛けて作り上げてきたNSDDDは、令和元年上期にリリースが予定されている。

NSSOLのチャレンジ精神と部門間の垣根の低さが生んだ連携プロジェクト

 転職してNSSOLに加わった田部氏は、今回のプロジェクトを通して、NSSOLという会社の持つスピード感とチャレンジ精神、部門間の垣根の低さを感じたという。

社会公共ソリューション事業部 営業第一部 第1グループ エキスパート 田部良文氏

 「入社前には、新しいことに挑戦するには何かと承認が必要な、お固い会社なのではないかというイメージを持っていたが、まるで逆だった。グループ連結で6200人超の企業でありながら、リスクのある領域にも取り組んでみようという経営層がそろっており、意思決定も素早い。それに、個々の社員が案件を推進することに対して意識が高いからだと思うが、事業部内はもちろん、事業部を越えても上司を介さずとも、直接のメール1本で前向きに相談に乗ってくれる人が多く、困ったときに『助けて』と手を上げやすい社風を感じた」(田部氏)

 大規模、複雑なシステム基盤の設計、構築、運用技術力に強みを持つのはもちろんだが、エンジニアとして必要な技術を会得し、しかも大規模なプロジェクトを任され、マネジメント能力を身に付けられるチャンスがNSSOLにはある。

 「一般のエンジニアの場合、通常は技術面を満たすだけで満足してしまいがちだが、NSSOLでは、お客さまに目を向けたドキュメンテーションやプロジェクトマネジメントまでできるエンジニアが多い」というのが、他社でのシステムインテグレーション経験もある田部氏の率直な感想だ。エンジニアとしての土台を持った上で、さらに次のステップにチャレンジしてみたいと考える人には挑戦しがいのある場だという。

 「研究所を持っているだけでなく、ベンチャー企業とコラボレーションしたり、システムインテグレーションという仕事の認知度を上げるために有志が小説を書いたりと、いろいろなことにチャレンジしているのを知り、転職前からNSSOLに注目していた」という田部氏。新しいことに挑戦する精神と、「鉄は国家なり」の時代から連綿と続く歴史を持つNSSOLに加わり、「担うのは国を代表するレベル!」の気概を持ったシステムインテグレーターとして、新たな仲間と共に新たなチャレンジに取り組んでいきたいと目を輝かせた。

写真:山本華漸

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提供:日鉄ソリューションズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT自分戦略研究所 編集部/掲載内容有効期限:2019年5月31日

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