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» 2019年04月18日 05時00分 公開

動かなくちゃ分からないことがあるんだ!:求人サイト、カバーレター、コーディング面接――「行動駆動キャリア開発」エンジニアの北米企業就業譚 (3/4)

[竹内充彦, 鈴木麻紀,@IT]

現地の実態、自分の価値観――行ってみなくちゃ分からないこともある

 現地での仕事探しはどのようなものだったのだろうか。

 カナダに渡って半年ほどは現地での生活環境を整えたり、学校生活に慣れたりすることを優先し、就職活動が本格化するのは数カ月たってからだった。

 「海外企業の掲載が多い求人サイトで情報を探しました。カバーレターを13社に送り、面接に至ったのは6社、うちオファーをもらえたのは2社でした」

 カバーレターは、推薦状や本人履歴や職務経歴を記載したレジュメのこと。自身のGit Hubのアカウントなども記載しておくと良いという。コーディング面接をする企業もあったそうだ。

 「オブジェクト指向について説明せよ」などの一問一答、オフラインのPC(ネットで検索できないように)でプログラミング、コードを紙に書くなど、いろいろなパターンのコーディング面接があったという。

 オファーを受けた2社のうち、B2BのWebサービスを提供するスタートアップ企業を選び、契約社員として半年間働いた。

 海外のIT企業でエンジニアとして働いてみた感想はどのようなものだったのだろうか。

 周囲のメンバーの発想力や、新しいサービスを考え出したり、新たなプロジェクトを推進したりしていく力は、日本のエンジニアも見習うべき点が多いと感じたという。また、カナダ人と日本人との働き方の違いに触れられたのも大きな収穫だったと振り返る。そして、カナダに行くまでは分からなかったことも、分かってしまった。

 「スタートしたての小さな会社で働いただけですが、コードを書くという面だけでいえば『日本のエンジニアの方が優秀なのでは?』という印象を持ちました」

 あっという間に留学期間の終わりが近づき、帰国するかそれとも本格的に海外で仕事をするか、榎本さんは迷ったという。海外で働くからには、やはりシリコンバレーに行きたい。日本企業の米国支社で働いているエンジニアも人数こそ少ないが存在する。何より半年間カナダで働いてみて、「海外でもエンジニアとしてやっていけそうだ」という手応えを感じていた。

 半年間の就業経験を通して北米のエンジニアのレベルを実感したこと、そしていったん外に出てみて「東京は情報も人も集まっていて楽しい」と分かったこと、その他もろもろを考慮して、榎本さんは帰国を決意する。行動したからこそ、できた決断だったといえよう。

 帰国を前に、榎本さんには気になることがあった。それは、カナダのIT企業で働きだしたころのことだ。

 「ソースコードを見ていてバグに気付き、それを同僚にストレートに指摘したんです。『あなたの書いた場所にバグがあるよ』と」

 すると別の同僚からこっそりと「その言い方はRude(不作法、失礼)だよ」とアドバイスを受けたという。何事もストレートに言うのが欧米流だと思っていたが、ビジネスシーンにおいては、また異なる文化があることに気が付かされたそうだ。

 こうした経験などから英語によるコミュニケーション(ディスカッションを含む)の難しさを痛感し、「英語ができないことが、成長の障壁になっている」と考えた榎本さんは、英語力をもっと向上させようと決意。帰国までの残された数カ月を、現地の英会話スクールに通ってビジネス英語を学ぶことに充てた。

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