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» 2019年04月25日 10時00分 公開

マイナビ転職×@IT自分戦略研究所 「キャリアアップ 転職体験談」:第58回 プログラムを書きたいのに書かせてもらえない!――3年間溜め込んだフラストレーションを一気に爆発させて理想の仕事にまい進する「弁護士ドットコム」のホープ

「転職には興味があるが、自分のスキルの生かし方が分からない」「自分にはどんなキャリアチェンジの可能性があるのだろうか?」――読者の悩みに応えるべく、さまざまな業種・職種への転職を成功させたITエンジニアたちにインタビューを行った。あなたのキャリアプランニングに、ぜひ役立ててほしい。

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 プログラムを書きたいのに配属されたプロジェクトは検証業務ばかり……「石の上にも3年」とはいうが、3年たっても希望の仕事をさせてもらえなかったら、どうすればいいのだろうか。今回お話を伺った田辺宏樹さんは、転職を通じてつらい境遇から脱却し、理想的な仕事に出会えたという。


【転職者プロフィール】 田辺宏樹さん(26歳)

弁護士ドットコム クラウドサイン事業部 エンジニア(2018年10月入社)

【転職前】 2013年、専門学校卒業後、中堅システム開発会社に入社。ソフトウェア開発エンジニアを志していたものの、3年間ずっと同じプロジェクトで検証業務を担当する。その間、何度も上長に異動を願い出るも聞き入れられず、自らの境遇を変えるには転職しかないとの思いに至る。

【転職後】 主に「クラウドサイン」のフロントエンド開発を担当する。スクラム開発など、新しい開発スタイルに触れると同時に、将来のサービス品質向上に向けたUI/UXの研究にも取り組むなど、エンジニアとしての活躍の幅を大きく広げている。

音楽では就職できない!

 田辺さんがITの道に進もうと思ったのは、1つ目の専門学校を卒業するころのことだった。

 「1つ目の」というのには理由がある。高校時代に友人たちとバンドを組み、音楽活動をしていた田辺さんは、卒業後の進路として音楽系の専門学校を選んだ。これが1つ目の専門学校だ。バンドではギター兼ボーカルを担当し、卒業後は音楽を作る仕事に就きたいと思っていた。しかし、卒業が近づくにつれ、音楽業界への就職は難しいことが分かり、路線を変更することにした。

 高校時代に音楽系ゲームを作りたいとC言語を独学で学んだ経験があり、何かを「作る」ことに興味があった田辺さんは、音楽ではなくプログラミングを仕事にしようと、もう2年、システム開発を学べる専門学校に通学することにした。

 専門学校では、Java、PHPなどの言語を学び、基本情報技術者試験と応用情報技術者試験に合格した。また、卒業制作ではPHPでWebアプリを制作した。このように、田辺さんは2年間でみっちりプログラミング技術を身に付けていった。

 そして、就職活動の時期がやってきた。

 「就職活動では、プログラミングができる職種に絞り、会社の『規模』『事業内容』『名前』を基準に選考を受ける会社を選びました」

 会社規模は、従業員数1000人以上の大企業は敬遠した。従業員全員の顔が思い浮かべられるぐらいの規模の会社が理想だったからだ。事業内容は、幅広い経験を積めるよう、さまざまな分野の開発を手掛けている会社を選んだ。名前は「フィーリング」で選んだそうだ。

 こうした理想にかなう企業を探す中で、田辺さんが入社を決めたのは、従業員数300人規模の老舗システム開発会社だった。

 「社長が行う会社説明会で、私の組の3人中2人がドタキャンしたんです。社長と一対一になり、最初から社長面接のような雰囲気になってしまいました(苦笑)」

 しかし、社長とじっくり話せたことで田辺さんの心は固まった。

 「『ITの知識を身に付けたければ、こういうWebサイトを読むといいよ』と@ITを教えてくれるなど、社長がとても気さくに接してくれたので、とても良い会社だと思いました」

このまま、ずっと塩漬けか!?

 2013年4月、新卒でシステム開発会社に入社した田辺さんは、ビジネスマナーからプログラミングの基礎までを学ぶ約2カ月間の新人研修を経て、OJTを兼ねた実プロジェクトに配属された。

 「最初は、Javaで開発されたデータベース移行ツールのテストを担当しました」

 新卒社員の初めての仕事がテスト業務であることは珍しくない。開発業務の一通りの流れを覚えたり、先輩たちの書くプログラムを見て学んだりする意味がある。いずれにしてもこの期間は数カ月から1年程度と、それほど長くないのが一般的だ。田辺さんも同プロジェクトに配属された期間は2カ月間と、非常に短いものだった。

 「次はいよいよプログラミングに携われると思っていたのですが、Webアプリケーションの品質保証プロジェクトに配属されました。アプリケーションの実行に必要なWebサーバやアプリケーションサーバなどのバージョンアップを行い、正しく動作するかどうかを検証する業務でした」

 プログラムを書く仕事ではなかったが、「Webアプリケーションの仕組みを詳しく知るのに役立つ」と思い、品質保証のプロジェクトに真剣に取り組んだ。しかしそこから1年たっても次のプロジェクトに異動することはなかった。3年目からは現場のリーダーを任されるようになり、協力会社のメンバー管理も行った。

 責任や役割は増えたが、給料は変わらず。やりたかったプログラミングもできない。田辺さんのフラストレーションは次第に溜まっていった。

 「配属後1年たったころから、機会があるごとに、上長に『プログラムを書く仕事がしたい』と訴えてきました」

 上長からの返事は「代わりの人がいないので待ってほしい」の繰り返し。

 「3年目に入っても状況は変わらず、このままではずっとプログラミングの仕事には携われないと思い、転職を考え始めました」

 転職を考えている旨を上長に打ち明けると、状況が急転した。

 「まず、給与が上がりました。そしてプロジェクトも、プログラムを作るものへ配属替えの打診がありました。転職を口にした途端にです。代わりの人がいないという理由は、一体何だったのかと思いました(苦笑)」

 しかし、3年たってようやく打診されたプログラミングの仕事は、二世代ほど前のマイナーな開発言語を使った、よく炎上することで事業部内では有名なプロジェクトだったという。

 田辺さんの転職の決意は変わることがなかった。

弁護士ドットコムでの開発は吸収することばかり!

 田辺さんが転職活動を始めたのは2018年4月ごろのこと。転職サイトに登録したところ、2社からオファーがあり、そのうちの1社が「弁護士ドットコム」だった。

 「インターネットで弁護士に相談できるというサービスを提供している弁護士ドットコムの名前は、以前から知っていました。実際に開発を行うサービスである『クラウドサイン』も魅力的でした」

 押印や郵送など、面倒な紙ベースでの契約書の取り交わしをweb上で行える電子契約サービス「クラウドサイン」は、そのころ導入社数3万社を超え、さらなる成長を目指す段階にあった。

 「私がプログラムを作る仕事を志した理由の一つに、『世の中のためになり、より多くの人が幸せになる仕組みを作ること』があります。仕事の無駄を省ける『クラウドサイン』の開発は、まさに私の理想に合った仕事だと感じました」

 このオファーは田辺さんにとって“渡りに舟”。応募を悩む必要はなかった。

 今まで仕事では検証やテストばかりをしてきて、経歴としては未経験に近い状態だった田辺さんは、なぜ転職することができたのだろうか。実は、上司に要望を伝えるだけでなく、プライベートでプログラムの勉強を続け、いつでも配置転換に応じられるように準備をしていたのだ。

 「JavaScriptを使った筋トレ用のタイマーアプリなど、自分で利用するためのプログラムをいろいろと作っていました。筋トレそのものは長続きしませんでしたが(苦笑)」

 自身の置かれた状況を嘆くだけでなく、そこから脱却するためにアクションを起こしていた田辺さんの姿勢も、採用で大きく評価されたに違いない。

 田辺さんは現在、「クラウドサイン」のエンジニアとして、主に使い慣れたJavaScriptを駆使してフロントエンドの開発を担当している。

 「以前の仕事はエンドユーザーに直結しなかったので、自分が誰かの役にたっているのか実感が湧かず、もどかしく思っていました。でも今は、ユーザーからの要望をサービスに反映できるので、手応えを感じ、モチベーションが上がり続けています」

 初めての経験も多かった。例えば「クラウドサイン」の開発は「アジャイル開発」の手法の一つである「スクラム開発」で行われている。

 スクラム開発では、プロダクトオーナーが作業範囲を小さな単位に分けて起票したチケットの中からエンジニアが作業を選び、2週間で、作業範囲の要件の定義から実装、テスト、修正、リリースまでを行っていく。

 この一連の流れを「スプリント」と呼び、スプリントを繰り返していくことでプロダクトの完成度を高めていくという開発スタイルだ。

 「今の仕事は新しいことだらけで、吸収しかありません(笑)」

 田辺さんは入社から半年を経た今、さまざまなアウトプットで活躍し始めている。

 クラウドサイン事業部では、業務時間の20%を自分の好きなことに使っても良い「20%ルール」を採用している。この制度を利用して、日本の不思議なビジネスマナーである「お辞儀ハンコ」を実現する仕組みを作った同僚もいるという。

 「お遊び的要素で作ったはずのお辞儀ハンコが、実は現場では『必要とされていた』ことを知り、新しい発見がありました」

 この制度のもとで、田辺さんのさまざまな取り組みが始まろうとしていた。

 「JavaScriptに代えてTypeScriptを導入するための技術検証や、新しいUI/UXの研究などを行っています」

 最後に田辺さんに今後の抱負を聞いてみた。

 「今後もさまざまなサービスに触れ、いろいろなことを試しながら、大勢の人たちに“使いやすい”と感じてもらえるサービスを作り出していきたいです」

 希望と異なる業務に配属されて3年。上司に異動を掛け合うのと平行して、プライベートで勉強を続け、いつチャンスが来ても対応できるように準備をしていた田辺さんは、今、やりがいのある事業で、やりたかったプログラミング三昧の日々を送っている。現在、以前の彼と同じような状況にいる人は、不遇を環境のせいにするのではなく、状況を打破すべく能力の筋トレをしてきた彼の行動を参考にすべきではないだろうか。

採用を担当した クラウドサイン事業部 エンジニア 和田浩一さんに聞く、田辺さんの評価ポイントと入社後の活躍の様子

クラウドサインは、契約という業務を簡単で安全に行うための進化を目指しており、UIをさらにセキュアで使いやすいものにしていくための、フロントエンドの開発力を必要としていました。

田辺さんの前職はテストエンジニアで、商品開発の業務ではありませんでしたが、自分でリアクティブなフレームワークを使ったプログラミングを試行錯誤されていました。

このようにプログラミングが好きで研究熱心な方に、是非製品の未来を一緒に育ててほしいと思いお声がけしたところ、来ていただけることになりました。

現在は新規の開発を行いながら、古いコードや古い開発環境をモダンな形に置き替えていくことも、積極的にやってもらっていて大変助かっています。


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写真:浦本康平

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提供:株式会社マイナビ
アイティメディア営業企画/制作:@IT自分戦略研究所 編集部/掲載内容有効期限:2019年5月31日

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