【 lslogins 】コマンド――最終ログインを含むユーザー情報を一覧表示するLinux基本コマンドTips(300)

本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、最終ログインを含むユーザー情報を一覧表示する「lslogins」コマンドです。

» 2019年04月25日 05時00分 公開
[西村めぐみ@IT]
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 本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、最終ログインを含むユーザー情報を一覧表示する「lslogins」コマンドです。

lsloginsコマンドとは?

 「lslogins」はユーザーの情報を一覧表示するコマンドです。ユーザー名などの基本情報の他に、最終ログインやログインエラーの記録も表示します。

 ユーザーの基本情報は「/etc/passwd」と、状況に応じ「/etc/shadow」「/etc/group」を使用します。ログイン情報については「/var/log/wtmp」ファイルを、ログインエラーの記録は「/var/log/btmp」ファイルを参照します。なお、ログインエラーの表示にはroot権限が必要です。sudoコマンド(連載第68回)などを利用してください。

 ユーザーのログイン情報は「last」コマンド(連載第291回)で、ログインエラーの情報は「lastb」コマンド(第292回)でも出力可能です。



lsloginsコマンドの書式

lslogins [オプション] [ユーザー名]

※[ ]は省略可能な引数を示しています。





lsloginsの主なオプション(出力書式関連)

短いオプション 長いオプション 意味
-c --colon-separate 各項目を「:」区切り形式で表示する
-e --export 各項目を「項目名="値"」形式で表示する
-r --raw 整形せずに表示する(スペース区切りになる)
--noheadings ヘッダ行を表示する
--notruncate 長い項目を丸めない
-n --newline 各項目を「項目="値"」形式で1行に1項目ずつ表示する
--time-format=書式 日付の書式を「short」「full」「iso」のいずれかで指定する
-z --print0 ユーザーを改行ではなくnull文字で区切る

lsloginsの主なオプション(表示内容関連)

短いオプション 長いオプション 意味
-o 項目 --output=項目 出力する項目を指定する(※1)
-G --supp-groups グループの情報を表示する
-L --last 最後のログイン情報を表示する
-f --failed 最後のログインエラー情報を表示する(rootのみ)
-p --pwd パスワード関連の追加情報を表示する
-a --acc-expiration パスワードの有効期限を表示する
-Z --context SELinuxのセキュリティコンテキストを表示する

※1 使用できる項目は「-h」オプションで表示されるヘルプで確認する。複数指定したい場合は「,」で区切る。



lsloginsの主なオプション(表示対象関連)

短いオプション 長いオプション 意味
-l ユーザー --logins=ユーザー名 指定したユーザーを表示する(※2)
-g グループ --groups=グループ名 指定したグループに所属しているユーザーを表示する(※2)
-s --system-accs システムアカウントを表示する(「-s ユーザー名」で最終ログも併せて出力)
-u --user-accs ユーザーアカウントを表示する(「-u ユーザー名」で詳細情報と最終ログも併せて出力)
--wtmp-file ファイル名 「/var/log/wtmp」ファイルの代わりに使用するファイルを指定する
--btmp-file ファイル名 「/var/log/btmp」ファイルの代わりに使用するファイルを指定する

※2 複数のグループを指定したい場合は「,」で区切る)





ユーザーの情報を表示する

 「lslogins」で、全ユーザーの情報を表示します(画面1)。

 対象のユーザーを指定したい場合は「-l」オプションで「lslogins -l ユーザー1,ユーザー2,ユーザー3……」のように指定します。ユーザー部分の指定にはユーザー名とユーザーIDが使用できます。なお、表示したいユーザーが1人の場合はオプションを使わず「lslogins ユーザー」でも指定可能です。

 デフォルトではユーザーID(UID)とユーザー名(USER)、そのユーザーによって実行中のプロセス数(PROCS)、パスワードがロックされているか(PWD-LOCK)、ログインが無効になっているか(PWD-DENY)、前回のログイン日時(LAST-LOGIN)、フルネームなどのGECOS情報(GECOS)を表示します。

 出力数が多いため、画面1ではheadコマンドとtailコマンドを使って一部のみを表示しました。

コマンド実行例

lslogins

(全ユーザーの情報を表示する)(画面1

lslogins -l ユーザーA,ユーザーB,ユーザーC

(ユーザーA,ユーザーB,ユーザーCの情報を表示する)

lslogins ユーザーA

(ユーザーAの情報を表示する)


画面1 画面1 ユーザー情報を表示したところ


詳細情報を表示する

 「lslogins -u ユーザー」で、詳細な情報を表示します(画面2)。さらに、root権限がある状態で実行すると、最新3回分のログイン情報も併せて表示します(画面3)。

コマンド実行例

lslogins -u ユーザー名

(指定したユーザーの詳細な情報を表示する)(画面2


画面2 画面2 詳細なユーザー情報を表示したところ
画面3 画面3 最新3回分のログイン情報を併せて表示したところ


筆者紹介

西村 めぐみ(にしむら めぐみ)

元々はDOSユーザーで「DOS版UNIX-like tools」を愛用。ソフトハウスに勤務し生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当、その後ライターになる。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。地方自治体の在宅就業支援事業にてMicrosoft Officeの教材作成およびeラーニング指導を担当。会社などの"PCヘルパー"やピンポイント研修なども行っている。


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