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» 2019年05月08日 05時00分 公開

「訴えてやる!」の前に読む IT訴訟 徹底解説(65):パッケージソフトだか何だか知りませんが、現行システムと同じの作ってくださいよ (4/4)

[ITプロセスコンサルタント 細川義洋,@IT]
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結局は、両者が一緒に要件を詰めること

 当たり前の話だが、ITベンダーは、裁判に勝つために仕事をしているわけではない。

 確かに、本件のユーザー企業は要件の定義が曖昧なところはあったし、パッケージの使用法についても、手前勝手な部分はあった。

 しかし実際の開発プロジェクトにユーザーがこうした態度で臨むことは、当たり前といっていいほど頻繁にある。そのような場合、ベンダーはどうすればいいのか。

 ベンダーは、要件定義をするに当たって、新業務のウォークスルーなどを行って「業務を実施する上で本当に必要な機能を網羅的に洗い出す」こと、「現行機能のうち、踏襲すべきもの、変えるべきもの、捨てるべきものをしっかりと見極め、ユーザーと合意する」ことを行わねばならない。

 パッケージソフトウェアを使用する際は、「パッケージの持つ機能をできるだけ採用することがコスト的にもメリットが出る」こと、「みだりに現状の機能に合わせようとするとプロジェクトが破綻するリスクがある」ことなどをよくよく説明し、合理的で安全なカスタマイズ範囲を決めていくように、ユーザーを導く必要がある。

 これらをベンダーが十分に行わないと、場合によっては「プロジェクト管理責任を果たしていない(不法行為)」として、全く逆の判決が下されないとも限らないことを、ゆめゆめお忘れなく願いたい。

細川義洋

細川義洋

政府CIO補佐官。ITプロセスコンサルタント。元・東京地方裁判所民事調停委員・IT専門委員、東京高等裁判所IT専門委員

NECソフト(現NECソリューションイノベータ)にて金融機関の勘定系システム開発など多くのITプロジェクトに携わる。その後、日本アイ・ビー・エムにて、システム開発・運用の品質向上を中心に、多くのITベンダーと発注者企業に対するプロセス改善とプロジェクトマネジメントのコンサルティング業務を担当。

独立後は、プロセス改善やIT紛争の防止に向けたコンサルティングを行う一方、ITトラブルが法的紛争となった事件の和解調停や裁判の補助を担当する。これまで関わったプロジェクトは70以上。調停委員時代、トラブルを裁判に発展させず解決に導いた確率は9割を超える。システム開発に潜む地雷を知り尽くした「トラブル解決請負人」。

2016年より政府CIO補佐官に抜てきされ、政府系機関システムのアドバイザー業務に携わる

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