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» 2019年05月27日 05時00分 公開

Microsoft Azure最新機能フォローアップ(80):Azure仮想マシンで「第2世代仮想マシン」のサポートがようやくプレビューで登場

Azure仮想マシンで「第2世代仮想マシン」のサポートがパブリックプレビューとして利用可能になりました。オンプレミスのHyper-V環境では、レガシーデバイスを排除した第2世代仮想マシンが既にメインストリームといえます。プレビューという制約はありますが、Azure仮想マシンでもようやく第2世代仮想マシンを利用できるようになりました。

[山市良,テクニカルライター]
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オンプレミスではWindows Server 2012 R2 Hyper-Vから利用可能

 2013年10月リリースのWindows Server 2012 R2では、「Hyper-V」に“世代”という概念が追加され、BIOSベースの仮想マシンの世代は「第1世代」となり、新たにUEFIベースの「第2世代」の仮想マシンがサポートされました(画面1)。

画面1 画面1 オンプレミスでは、Windows Server 2012 R2 Hyper-Vから第2世代仮想マシンが登場

 BIOSベースの第1世代仮想マシンは、IDEコントローラーやフロッピーディスクドライブなど、エミュレートされたレガシーなハードウェア構成であることが特徴で、任意の32bit/64bit OSをゲストOSとしてサポートします。

 一方、UEFIベースの第2世代仮想マシンは“仮想化に最適化された64bit OS専用”であり、UEFIセキュアブート、仮想TPM(Trusted Platform Module)、SCSIコントローラー接続のOSディスク、VHDXディスク(VHDディスクには非対応)、PXE(Preboot eXecution Environment)ブート対応のネットワークアダプター(第1世代はレガシーネットワークアダプターでのみPXEブートをサポート)などの機能がサポートされます。

Azureの第2世代仮想マシンのパブリックプレビュー

 「Azure仮想マシン」は、Hyper-Vの第1世代仮想マシンと互換性があります。これまで第2世代仮想マシンはサポートされず、オンプレミスでWindows Serverの仮想マシンのカスタムイメージを準備する場合、第1世代仮想マシンとして作成し、容量固定タイプのVHDとしてAzureにアップロードする必要がありました。

 2019年5月から、Azure仮想マシンにおいても、第2世代仮想マシンがサポートされるようになりました。現在は、パブリックプレビューであり、Azure Marketplaceで公開されている「Windows Server Gen2 Preview」イメージを使用して試用できます(画面2)。

画面2 画面2 第2世代仮想マシンを試用するには、Azure Marketplaceの「Windows Server Gen2 Preview」イメージをデプロイする。パブリックプレビュー開始時はWindows Server 2012以降の5バージョンに対応

 オンプレミスのHyper-Vの第2世代仮想マシンでは、Windows Server 2012以降および一部の64bit LinuxがゲストOSでサポートされていますが、Azureでのパブリックプレビュー開始時はWindows Server 2012以降のWindows Serverのみを利用できます。また、第2世代仮想マシンは、AzureのDSv2、DSv3、ESv3、FSv2、GS、LS、LSv2、Mv2シリーズ、Premiumストレージでのみサポートされます。

オンプレミスのHyper-Vの第2世代仮想マシンとの機能差に注意

 以下の公式ドキュメントで説明されているように、Azureの第2世代仮想マシンは、オンプレミスのHyper-Vの第2世代仮想マシンで利用可能な全ての機能をサポートしているわけではありません。

 現状、セキュアブート、シールドされたVM(仮想マシン)、仮想TPM、仮想化ベースのセキュリティ(Virtualization-Based Security:VBS)はサポートされていません。また、VHDX形式の仮想ハードディスクはサポートされておらず、オンプレミスでカスタムイメージを準備する場合は、VHDXを容量可変タイプのVHDに変換してからアップロードする必要があります。

 次の画面3は、Windows Server 2019の第2世代仮想マシンをAzureにデプロイしたときのハードウェアとシステムの情報です。

画面3 画面3 第2世代仮想マシンのハードウェアおよびシステム情報。一部のデバイスがエラーになっている

 システムデバイスの「Microsoft Hyper-V Dynamic Memory」がエラーとなり、その他のデバイスとして、1つのデバイス(VMBusに接続されたデバイス)が正しく認識されていませんでした。これは、プレビューの機能制限に関係しているものと想像しています。

 また、上記のドキュメントでは、VBSはサポートされていないことになっていますが、筆者が確認した限り、DSv3、ESv3、FSv3など、「入れ子構造の仮想化」(Nested Virtualization)をサポートするシリーズで展開し、Hyper-Vの役割を有効化すれば、VBSが実行状態になりました(画面4)。

画面4 画面4 Hyper-Vの役割を有効化すると、VBSが実行中(Running)状態になった

 なお、現時点でサポートされていないHyper-Vの第2世代仮想マシンの機能は、ユーザーからのフィードバックによっては将来利用可能になるかもしれません。

 参考として、Windows Server 2019を通常の仮想マシン(第1世代)としてAzureにデプロイしたときのハードウェアとシステムの情報を示します(画面5

画面5 画面5 従来のAzure仮想マシンのハードウェアとシステムの情報(日本語言語パックを追加済み)

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(2018/7/1)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。


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